先週エスポアの社長をしている友人から連絡があって、今週マルク・ペノ氏が来日して
セミナーをするという情報をくれた。
東京は17日だが幸い大阪は19日で、休診日の木曜午後だったので、参加することができた。
今週は超忙しくて、まるで来日したクリントン国務長官のごとく分刻みで行動しているが、
うまく木曜の午後だけぽっかりと予定が空いていた。
ただし、ここをつぶしてしまうと、金曜日の夜は睡眠不足でプレゼンの準備を
しなければならないが。
17日には、東京でわたしのワインの師匠であるフランス語研究者がセミナーに参加し、
ペノさんと歓談してきた、と連絡があった。
ペノさんがオーナーだったロワールのワイナリー、「ドメーヌ・ド・ラ・セネシャリエール」が
一昨年倒産したことは、そこここで話題になった。
その後、昨年一年かけて「野村ユニソン」が買収に成功したことも有名である。
買収に三千万円以上、弁護士費用に一千万以上かかったという話を聞いた。
ペノのワインは、元々アイテムにより野村ユニゾンとエスポアが輸入しており、
今後もその形は続くようだ。
今回のセミナーは野村ユニゾンが主催で、復活を機に、現栽培・醸造責任者となった
ペノ氏を日本に招いてセミナーと試飲会を開催することになったそうである。
自分のワインを持つペノさん
ワインにかける情熱を感じさせる語り口から、純朴な人柄を感じさせる。
もっとも、わたしはフランス語がまったく分からないので、
内容はフランス在住のクルチエ氏の通訳を通して理解した。
セミナー参加者は多くはなかったが、平日昼間だし、おそらく業界の方々が多かったのだろうと思う。
試飲会場には、女性も含めて若い人が結構多かった。
誘ってくれた社長自身は、残念ながら出張のため不在だったが、大阪出身で現在東京在住の
野村ユニゾンのFさんは、現場で大活躍していた。
彼はooisotaroさんを通じての飲み仲間である。
試飲会場にあったペノさんのワインは5アイテムで、すべて2007である。
グロ・プランは、クルチエ氏も仰っていたように、さすがに酸っぱい。
なので生産量も減ってきているそうだが、これが合う食事のシテュエーションもあるだろう。
ラ・デジレ と M de B(エム・ド・べー)
今飲んですでに複雑味があってダントツに美味しかったのが、このデジレであった。
微発泡しているペティアンであるエム・ド・べーは切れ味が鋭くて面白い。
以上、野村ユニゾンの取り扱い。
ペノ氏が手にしているのが、ラ・ボエーム。
もう1つ、キュヴェ・デ・サミもあったが、これらもやはりミュスカデのワインである。
この2種はエスポアの取り扱い。
これらは、まだ熟成に少し時間が必要ではないかと思われたが、ことにラ・ボエームでは
酸味の中にキラリとした甘さが幻影のように感じられた。
もっとペノ氏と話をしたかったのだが、わたしは大阪弁以外は英語しか話せないので、
残念ながらあまり言葉が通じなかったようだ。
クルチエ氏が通訳下さったが、このブログで紹介することをお約束しておいた。
生産者本人に出会って直接話したからといって、くだらないワインだったら持ち上げることは
わたしは決してしない。
今日早速、ネット上にあるグロ・ブランとデジレとエム・ド・べーを何本かずつ
押さえてしまった。
ことにエム・ド・べーは、すでにインポーターの手元からは完売になっているそうだから
急がないと手に入らなくなるかも知れない。
エスポア扱いのラ・ボエームは、社長に言って何とかしてもらおうっと。
置き場所の問題で、最近ワインを買わなくなっているのに、久々に暴挙に出てしまった。
これらは間違いなく和の食卓に合う。できれば次回、直心に持ち込みたい。
ペノさんのワインは、甘いワイン好きなお子ちゃま向きではないが、
いろいろなワイン遍歴を重ねた人にほど評価されるように思う。
開栓したらまた記載したいが、ことデジレに関しては、こんなお買い得なワインは滅多にない、
と書いておこう。