ピークの手前・ベストの開栓時期・・ローラン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ドミニク・ローラン ボーヌ 2002
購入日    2005年10月
開栓日    2008年5月6日
購入先    キタザワ
インポーター 山信商事
購入価格   4800円

連休中は2日が小旅行で2日が仕事三昧であったが、今日からまた診療開始である。
今朝驚愕したことが2点ある。

出勤のクルマでFMをつけたら、なんと連休明けの朝だというのに
マーラーの交響曲第9番がかかっている。
しかも、第3楽章の終わりで、ほどなく第4楽章が始まった。
さあ今から仕事だ、という気持ちを思い切りへし折るような音楽である。

このまま引き返して酒を食らって寝ようかな、と思ってバックミラーを見ると、
黒塗りのトヨタセンチュリーが後に停まっている。
それだけなら何のことはないが、運転席には私服の小柄そうなオバサンが座っている。
助手席や後部座席に人は乗っていない。
トヨタセンチュリーは公用車や社用車でしか使われないようなクルマだが、
こんなものを自家用車にしているオバサンがいるのだろうか?

マーラーの第9といい、トヨタセンチュリーを繰るオバサンといい、何とも奇妙な朝であった。

さて、1ヶ月前に開けて肩すかしを食ったワインの2本目である。1本目の記事はこちら
ローランは結構強くて安定した造り手だと思っていたが、1本目にはがっかりした。
2002の村名(1級?)にしては早熟すぎるのである。

この2本目は、1本目の不満を払拭するワインであった。
初日はフレッシュな酸が舌を刺激するほど若々しく、ボディも引き締まっていて若々しい。
同じところから同時に購入し、同じ環境で保管していたワインだというのに、何なんだ、
この老け方の違いは。

若いローランは、樽の介入が気になるところだろう。
Alcoholic Armadilloのせんむがお気に入り(だと思う)純なピノ・ノワールを好きな人には、
このワインは受け入れがたいのではないだろうか。
果実味と樽味が溶け合っていない、とまでは言わないが、果実のタンニンとは異なる木材系の
ちょっと焦げた味がする。
このワインが状態がよくて若々しかった分、1人で初日に飲み続けるのは少し辛い。

しかしお決まりの通り、2日目には樽味はワインの要素として完全に溶け込んでしまい、
おそらくローランが意図したような、コクがあってまろやかなワインに変身している。
これが強いピノ・ノワールに分類できるのかどうか議論は分かれると思うが、
若いカベルネ・ソーヴィニオンと比較すると、ずっと柔らかで上品である。

酸性人である自分の好みからは少し外れているな、と思うのだが、これはよくできたピノであり、
開栓時期もバッチリで、納得の1本であった。
それにしても、このボトル差は一体どこから来るのだろうか。