極上のチーズとともに | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

リッツ・カールトンでの研究会のあと、副院長大先生と美形の女医さんと
先輩で後輩のヴァイオリン弾きの親友とで、ミナミのチーズ屋さんに繰り出した。
六覚燈も弘屋もこの店も、考えたら全部このヴァイオリン弾きのせんせから教わったなあ、
と気付く。
彼は仕事もできるがアフター6(彼のクリニックは6時まで)もアクティヴである。

彼は医学部の卒業年は6年下だが、勤務医時代の多くの手術症例は彼からの
紹介だったし、開業のノウハウも彼から教わったし、ワインのこともいろいろ教わった。
患者数でようやく彼に追いつきつつあるようだが、まだまだ敵わない。
ヴァイオリンも弾くしオケの指揮もするし、いやはや彼は大した人物である。


ガングロフ コンドリュー 2005
開栓日    2007年11月22日
インポーター ザヴァイン

これを開けた場所は、ミナミのマニアックなチーズ屋さんである。
数人しか入れない狭い店なので、あえて店の名前は伏せておく。
数種のチーズをあてに、また独特の味わいのフォンデュを食べながら飲むワインとして
選んだのがこれ。

フランス・ローヌのビオの造り手のワインで、年産6000本とのこと。
この特徴的なラベルは、ローヌ系が苦手なわたしでも記憶に残っている。
入手困難なワインであることも知っていたが、最近ルーミエですらまともに
買えなくなっているから、この点は感心するに及ばない。
ブドウ品種はヴィオニエ100%だそうである。

樽香を蹴散らすくらい果実味が強いワインで、アプリコットネクターのようにネトネトで、
強いチーズにも押し勝つほど力がみなぎっていた。
このワインの飲み頃はいつか分からないが、毎度のごとく最低あと3年くらいは
置きたいな、と思った。


ピアッジア カルミニャーノ・リゼルヴァ 2003
開栓日    2007年11月22日
インポーター ヴィントナーズ

そして赤はイタリアのトスカーナから。
サンジョヴェーゼ70%、メルロー10%、 カベルネ・ソーヴィニヨン20%だそうだ。
21999/30000というナンバーが入っている、DOCGである。

これまた滅法濃いワインだが、けっこう舌には滑らかで、そこそこ酸味もあって
バランスはよい。
テスタマッタと比較してもこちらの方が気に入っている、と店の女性は言っておられたが
わたしも同感で、こちらの方が木目が細かいな、と思った。

今回のワインたち、白も赤もものすごく濃くて、普段自分が飲んでいるワインとの
ギャップに我ながら感心した。
知らず知らずのうちにわたしは隘路に入っているのだ、と改めて自覚する。

何れのワインも若いながらもう飲めるのだが、特にコンドリューはもっと熟成ささないと
真価を発揮しないと思われた。
とても良心的は店であることは承知の上だが、いくら稀少なワインであるとはいえ、
店で白が3万円、赤が1万5千円近くすることには少し抵抗がある。
やっぱり普段は家で飲もう、と思ってしまう。

このブログを書きながら、現在口にしているのは繊細で酸味が強いブルゴーニュである。
料理との相性があるのは当然としても、もはや濃すぎるワインを毎日のように
開栓できる歳ではなくなった、ということなのだろうか。