モダンなスタイル・・ロブレ-モノ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ヴォルネイ「サン・フランソワーズ」 2001
購入日    2006年10月
開栓日    2007年11月23日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター ヴィノラム
購入価格   4200円

何度見てもこの造り手のエチケットのセンスは素晴らしい。
中身には何度か裏切られているが、新たなボトルを手にすると期待感に胸が震える。
男をコケにしてももて続ける、性格の悪い美人のようだ。

エチケットの文字は細くて女性的だが、造り手は男性である。
実際このワインは、中身もエチケットのイメージと違わない。
多分飲み頃なのだろうが、熟成して落ち着いた感じはなく、酸味が強くて先鋭的で、
微かな旨味が一瞬通り過ぎる。
モーツアルトによく使われる形容詞「走りゆく一瞬の哀しみ」のようではある。

そのシャープさに惹かれて杯を重ねるが、グラスに注いでしばらく放置すると、
ただ酸っぱいだけの凡庸なピノ・ノワールに堕してしまう。
そういう意味では、なかなか気難しいワインではある。

欠点は複雑さを感じさせるほど余韻が長くはないこと、甘さが乏しくてそっけないこと
くらいだろうか。
2003ヴィンテージなら、もうちょっと親しみやすかったのではないか、と思った。

確かにモダンなスタイルのワインだが、これ以上開栓を遅らせてより
魅力的になるとは思えない。
開栓時期も今で丁度よかったのではないかと思う。
現在にあっては価格も妥当。

ピエール・ブーレーズが振ったエドガー・ヴァレーズのような印象である。
ズビン・メータが振っても決してこのワインのイメージにはならない。
と書いても、なるほどと思ってもらえる人はいないだろうな・・