弘屋の夏の思い出 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ようやく秋らしくなってきた。
ついついと記録を先送りしていたら、8月30日に訪れた弘屋での宴から
1ヶ月以上経ってしまった。
菅沼さん、アップが遅くなり申し訳ありません。

ワインの細かい印象は少し薄れたが、今回メインに据えたのは、前回訪問時に
取り置いてもらったヴォギュエのザムルース83である。

 
イントロは夏らしく冷スープと岩牡蠣

 
トュリフをのけてみると・・・

 
軽くあぶった牛肉とキャビア
最近では夏に中国産の松茸が珍しくなくなった


メインはポークにパルミジャーノの強い香りが印象的


エグリ・ウーリエ エクストラ・ブリュット・VP

ドザージュを最小限にしたというエクストラ・ブリュットで、その名の通りドライなのだが
ちゃんと奥行きも深みもあり、まさにわたしのストライクゾーンのシャンパーニュ。
ネット価8000円程度で、多分店での価格は1万円少々だったと思う。
ホテルのバーでシャンパーニュを開けるより、はるかに良心的な価格である。

例によって入手困難だが、シャンパーニュはまだ現在でも質の高いものが
リーズナブルな価格で入手可能で、ブルゴーニュより救いようがあるようだ。


ピエール・モレ ムルソー・レ・テソン 1995

わたしはあまりシャルドネは飲まないが、5月末に京都の鮨屋さんで開けた
ルイ・ジャドと、7月に六覚燈で飲んだシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェと並んで、
印象に残る1本であった。

わたしの乏しい経験からだが、新しいヴィンテージを購入して保管するならまだしも、
10年もののブルゴーニュのシャルドネを購入してすぐ開栓しても、
当たることは滅多にない。
シャルドネはピノよりもっと繊細で、きちんとした管理が必要とされるのだろう。


ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ 
シャンボール・ミュジニー レ・ザムルース 1983

ミュジニーより出会うことが少ないように思うヴォギュエのザムルースだが、
このあたりのヴィンテージになると、当たるも八卦当たらぬも八卦。
稀少であること、超人気畑であることから、どうしても期待してしまいそうだが、
枯れる寸前とまでは言わないまでも、ピークは過ぎていた。
平凡な古酒に毛の生えた程度であったが、ゆっくり1人で飲めばもう少し楽しめたかも。

メインのチーズをきかせた肉料理に合わせるには繊細すぎて、
はかなり押し負けている印象であった。

高いから、ブランドものだから、という評価は生ものであるワインには当てはまらない。
最近けっこう古酒も飲みつけているので、名前だけでは感激もしなくなってきた。
先日来この店では何本か赤の古酒を開けている。
7月のブシャールのリシュブール1972は残念だったが、nackさんとの遭遇の際の
造り手不詳のシャンベルタン・クロ・ド・ベズ 1972が大当たりであった。
このくらいの確率で当たれば良い方か?


シャトー・ディケム 1999

ザムルースが料理の強さに押された感があるので、
最後は以前にもここで開けたことのあるディケムで締める。

リーズナブルな価格で提供される稀少なワインと、素材を生かした個性的な料理が
売りのこの店だが、これからも美しいワインとの出会いを期待したい。