いわゆるひとつのデイリーワイン(こればっか) | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ミシェル・グロ ブルゴーニュ ルージュ 2001
購入日    ?
開栓日    2007年1月13日
購入先    ?
インポーター 飯田
購入価格   2000円くらい?

ネットで買った覚えはなく、いつから自宅にあるか記憶にないワインだが、
数年前に某店頭で購入したものと思う。
毎度のことながら、裏切られることがなく、安心感が漂う。

今さら特徴を並べ立てるほどのものではなく、アタリマエのACブルゴーニュと
言ってしまえばそれでオシマイ。
オート・コート・ド・ニュイとどう違うのかというと、わずかにオート・コート・ド・ニュイの方が、
細身で酸味が強くシャープな印象がある。
同時に開けてみなければよく分からない程度の差だと思われるが。

何と言っても、和食にも合うこの適度な薄さがいい。
ふとピノの深みも感じさせるし、2001らしい軽やかな熟成感もある。
食中酒として最適、という月並みな表現しかできないのが悲しいが、
こういうワインこそ、疲れて帰宅した際の夕食にふさわしい。
疲れていると、ブルックナーに向かう気がしないのと同様、神経の集中を要求する
ワインを開栓する気にならないのである。

個人の持つエネルギーは一定で、どこに消費するかを考えてまくばらないと身が持たない。
大学医学部の同期生が集まると、未だにものすごいエネルギーを持っていて、
早朝から深夜まで活躍しっぱなし、という友人に圧倒されることがある。
彼らの中には、夕方から活躍するのは下半身、というのが多いが、そんな人物に限って
業績が多くて学会で主導的立場にいたり、大はやりの診療所を切り盛りしていたりする。
自宅でワインを開けてブツブツ言っているわたしなど、彼らに混じると地味で存在感が乏しいが、
だからこそミシェル・グロを好むのかも知れない。

この淡白さ、無個性さのためか、マニアックなブルゴーニュ党にはあまり相手に
されていない感のあるミシェル・グロだが、最低ランクのこんなワインでも、
手を抜いていないのには感心する。
ワインの素人からすれば、チリカベやメルローに比べると地味で印象が薄いから、
きっとこんなワインを大いに気に入ることはないだろうと想像する。
マニアにも素人にも大受けしないから、この造り手を好む飲み手、というのは
そう多くないのだろうか。

比較的入手が容易であり、今でも2000円くらいで手に入るから、
高騰しているブルゴーニュの中にあっては、ありがたい存在であると言える。