少しピークを過ぎていた・・ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ユベール・リニエ シャンボール・ミュジニー 1999
購入日    2005年11月
開栓日    2006年1月1日
購入先    割田屋
インポーター 土浦鈴木屋
購入価格   5800円

約1年前(2005年12月18日)に開けた1本目に続く2本目である。
1年前に今が飲み頃、と書いておきながら、2本目を開けるまで1年以上経ってしまった。

1人の人間が1年間で飲めるワインの量、というのは決まっているわけで、
今自宅にある400本のワインを1人で全部飲みきるには、わたしの場合だと数年はかかる。
今までいくらワインに投資したか分からないが、仮にお金が余っていたとしても(余っていないが)、
無限に飲めるわけではない以上、ワインに投資し続けるのは限界がある。

ホストクラブで大人気のDRCをバンバン購入したり、毎日ワインパーティをして
ポンポン高いワインを開栓して振る舞わない限り、これ以上ワインにお金は要らないのでは、
と年始早々バカなことを考えている。

しかし、興味のあるワインが市場にあれば買ってしまって開栓するので、今回のように、
ついつい長く放置してしまうワインが出てくることになる。
残念ながらわたしの予想は当たっていて、このワイン、今では飲み頃を少し過ぎてしまったようだ。
「信じるのは自分の五感のみ」と書いていて、自分が自分を信じなくてどうする?

臨終香はしないが、ほんの少し痩せていて酸味が出てきている。
それでも、開栓後しばらく置いておくと、空気となじんでまろやかになり、
シャンボール・ミュジニーらしい控えめで優しいワインとなる。

しかしそれは開栓当日だけで、翌日にはもはや酸味が立ったワインと化していた。
飲めなくはないが、もっと早く開栓すべきだったという慚愧の念に呵まされつつ
杯を傾けるのは、あまり楽しくはない。

このワイン、素直に造られた佳き村名ワインであるのは間違いない。
この造り手のものでもすでにピークを過ぎているので、世の多くの99の村名は、
もはやこれ以上保存しておく必要は感じない。

と書いておいて逆説的な話だが、居直ってあと15年くらい置いておいたら、
けっこうきれいな古酒になっているかも知れない。
一昨年に、グロ・フレール・エ・スールから大量に古酒が放出された際、
1964年のヴォーヌ・ロマネを1本購入した。
これはまだ未開栓だが、リコルクされており、状態も良さそうだ。

今回のワインと、元のポテンシャルはあまり変わらないだろうと思われるので、
飲みきれないワインは古酒候補生として放置しておく、という手もあるかも知れない。
ただし、今はやりのビオワインでそれをやらない方がいいとは思うが。