六覚燈での体験は幻か | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ドメーヌ・プリューレ・ロック ニュイ・サン・ジョルジュ 1erCru クロ・デ・コルヴェ 1999
購入日    2006年11月
開栓日    2006年12月31日
購入先    まるどら
インポーター サントリー
購入価格   13800円

昨年11月初めに六覚燈で飲んだものが、昨年飲んだワインのベスト5に間違いなく入るほど
素晴らしいワインであったため、あわててネットで探して購入したものである。

六覚燈での1本は、あたりに香でも焚いたかのようなブーケを振りまき、
グラスに鼻を近づけるまでもなくその実力を思い知らせ、
口に含む前に偉大なワインであることを誇示していた。
その際の記事はこちら

ブルゴーニュワインで、同じワインを購入すれば同じ感動が再現できる、と期待するほど
わたしはシロウトではない。
しかしせめてあの時の感動の80%でも体験したい、と思って開栓するのは人情である。
ところが、残念ながら今回開けた1本は、ハズレとは言わないが、凡庸なビオワインの域を
出ていなかった。

つい先日、同じワインを開けられたMAEDAさんからコメントを頂いたが、やはり期待に添わない
ワインであった、とのことだった。
 「正直、だめでした。最初は小さいグラスで出されたので、変更しましたが、
  今思えばあれはお店の正しい選択だったか・・・2時間経ってもそれほど開かず・・・
  3時間後の最後の一杯は枯れてました・・」
と書かれていて、
 「どうもビンテージだけの問題でも無いような気がします」
という印象を述べられている。
その際の記事はこちら

今回わたしが開けた1本は、3時間で枯れてしまうほど弱々しいワインではなかったが、
ビオ香の中に香る果実香は弱く、口に含んでも六覚燈での1本の6~7割程度の
力しか感じない。
間違いなく良くできた、美味しいビオワインだが、幸せワインには至らなかった。

翌日の印象も変わらず、それほど枯れて行っている様子ではなかったが、
ボトルの底の方の液体は澱で濁っており、渋みを感じて下から4センチほどは飲めなかった。

先日開栓した2000よりはこちらの方がかなり力が保たれていたが、
どちらも幸せをもたらすワインではない。
ボトル差が問題なのかヴィンテージの問題なのか、開栓本数が少ないのでよく分からないが、
このロックの看板ワイン、そう簡単には極上のワインには出会えないようだ。

まだ手元には97と2001があるが、前者は枯れていないか不安であり、後者は飲み頃か
どうかも分からない。
自分で購入して開栓しても、望み通りの結果が期待できないから、あの不思議空間「六覚燈」で
身を任せた方がよっぽどいい、と思ってしまう。

2006年11月2日、六覚燈で出合った、あの夢のようなクロ・デ・コルヴェ99に、
一体どうやったら再会できるのだろう。