ワインバー余談 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ジャニソン・バラドン・エ・フィス シャンパーニュ・ブリュット・セレクション〔NV〕
開栓日     2006年8月10日
開栓場所    神戸のワインバー
インポーター  山信商事
店での価格   8000円

コルク不良だったデュジャックの前に開栓したシャンパーニュ。
ブドウ品種は、ピノ・ノワールとシャルドネらしい。細かく勢いがいい泡が出て、柑橘系の香りがした。
可もなく不可もない、と言えばちょっと厳しいが、相当良くできたシャンパーニュでなければ
わたしには印象に残らない(分からない)。
端的に言えば、シャンパーニュは勉強不足なのかも。


ドメーヌ・ルイ・ジャド ジュブレ・シャンベルタン クロ・サン・ジャック 1985
開栓日     2006年8月10日
開栓場所    神戸のワインバー
インポーター  ???
店での価格   ???

クレームを付けたデュジャックのあと、代替え品?として出してもらった1本。
店主も相当プレッシャーを感じたらしく〔当然か)、真剣な眼差しでワインを選んでいた。
これまで何本か開けて安定していたワインを選ばれた、と思われる。

最初わたしはアンヌ・グロのクロ・ヴージョ(19000円)を所望したのだが、まだ硬いのではないか、
ということで勧められなかった。
このクロ・サン・ジャックは、店ではそれより高価なワインであった。

このワインに張ってあるインポーター・シールが何とも怪しげである。
イギリスのIWAにより船積みされ、シカゴのJULIENNE INPORTINGにより(米国に)輸入された、
となっている。
しかも右上にはTABLE WINEなどと書いてある。これは、節税のための表記なのかな、
と勘ぐりたくなる。

このワインのコルクは6cm以上もある上質なもので、ワインの質も問題はなかった。
しかし、これがこのワインの最上のパフォーマンスなのか、と思うと少し疑問が湧く。
当然許容範囲なのだが、やはり香りがおとなしすぎる。
ごぐごく軽微なブショネなのではないか、という疑念が脳裏をかすめたが、これは分からない。

1時間ほどで飲んでしまったのだが、古酒とはいえ落ちることはなかった。
件の店主に、この1本はこれまで開けた同じワインの中ではどのレベルか、と聞いたところ、
「まん中あたりです」という答えが返ってきた。きっと、それは正直な感想であると思う。
こういう出所不明のブルゴーニュ、というのは時々見かけるが、店のリストに置いておくのは
相当バクチな商売ではある。

時間が経ってもブーケは乏しく、その点は魅力はないが、これはやはり美酒である。
ジュブレ・シャンベルタン村の最も有名な1級畑で、あのアルマン・ルソーの2001を
1年半ほど前に若のみしたことがある。
その若いが故の複雑味はみられないが、柔らかな酒質に魅了された。

結局、店主を説教して古酒を飲み、にこやかに店を出たのであった。
クレーム時の対応はいただけなかったが、あのワインリストには、開けてみたいものが多くある。
1人3万円ずつ持ってこのワインバーに10人で行き、平均1本3万円のブルゴーニュを
10本チョイスし、ハズレても文句言いっこなし、ということにして大ワイン会をやったら、
このワインバーの本当の実力が分かるだろう。

もし本当にそんなことをするとしたら、変装していくことにしよう。