弘屋恐るべしPart2 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


Charles Quillardet(ネゴシアン) ジュブレ・シャンベルタン 1級 ベレール 1978
開栓日    2006年7月20日
開栓場所    弘屋
インポーター ヴィノラム

一昨日弘屋でシャンパーニュの次に開栓したワインである。
これを指名したのではなく、黙って任せたら出てきたのだが、文句の付けようがない。
期せずして、またも78年ものとなった。
1週間のうちで、78年のブルゴーニュを2本も開けるとは、なんとも贅沢ではある。

このQuillardet(なんて読むの?)という造り手はネゴシアンらしいが、聞いたことがない。
また、このベレールというジュブレ・シャンベルタンの1級畑は、誰かのモノポールではないか、
ということだが、よく分からない。
最近のヴィンテージでは、トープノ・メルムとパカレのものが見つかる。

開栓早々は、土俵際ではないか、と思われるくらい果実味が頼りない気がしたが、杞憂であった。
1時間半くらいかけて空けたが、むしろ上り調子で、瓶の底に残された澱には、しっかりとした
ブドウのブーケと果実味に満ちていた。

開栓後に甘みがいずこからか沸き起こってきて、白トリュフのパスタとの相性も良い。
ジュブレ・シャンベルタンらしい土臭さはすでになく、30年かかった洗練の結果を堪能できた。

さて、このあたりで料理がひとしきり終了してしまった。
あとはハーフのデザートワインを、ゴルゴンゾーラをあてに楽しもう。


シャトー・ディケム 1999
開栓日    2006年7月20日
開栓場所    弘屋
インポーター メルシャン

ということで、こんな有名どころになってしまった。
オフヴィンテージだが、この複雑さは何だろう。
ディケムは、10年以上前に1984を1本開けたことがあるだけで、それから御無沙汰している。

この年はハーフなら1万円程度だが、この価格ならラインものなどいろいろと貴腐ワインなどが
チョイスできる。
貴腐ワインやアイスワインを細かに評価できるだけの経験をわたしは持たないし、
この幾重にも重なる複雑味を表現する力もないが、まったくワインというものは深い。

これらを選んで出してきた菅沼さんは、34歳とのことだが、まるで関東のooisotaroさん
関西版みたいな報告になっているなあ。

しかし菅沼さんは料理人が本職で、この日も凝ったフレンチを堪能できた。
この店は新地の中のビルにあり、わずか6~7人しか入れない小さな店だが、
さすが、同業者のワイン狂いの友人が勧めるだけのことはある。

料理を含めてのこの夜の価格は十分納得のいくものである、というか
このワインの内容を考えると、信じられないくらい安い。
北浜のフレンチの老舗シェ・○ダがまともな価格でワインを供することもできず、
料理に工夫も斬新さも欠けていたことを思うと、食い倒れの街大阪にも、
着々と世代交代が進んでいることを実感する。