頂上対決 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


メオ・カミュゼ/エマニュエル・ルジェ ヴォーヌ・ロマネ 1級 クロ・パラントゥー 2000
飲んだ日    2006年5月9日
飲んだ場所   大阪北新地 ヴェンダンジュ

「頂上対決」と題して、新地のヴェンダンジュで昨日この2本のワインを開栓するイベントがあった。
イベントといっても、参加者が一堂に会して行われるものではなく、自分の都合の良い時間に
店を訪れて飲み比べる、というものである。

ブラインドでどちらが好きですか、というアンケートがあったが、
どちらがメオで、どちらがルジェかを的確に当てるだけの経験がわたしにはない。
だから、どっちがどっちか分からなかったが、違いははっきりと認識できた。

考えてみれば同じ畑、同じヴィンテージのワインであり、どちらの造り手も師匠は
神様アンリ・ジャイエである。
店主のソムリエ、君嶋さんもおっしゃるように、双子のようなワインである、と言えるだろう。

ルジェのクロ・パラントゥー2000は、開くのが早く香りも華やかであるが、意外と軽い。
タンニンが少なく感じられ、重心も高めで、グラスに注がれた液体が酸化していくのも若干早かった。

これに対しメオの方は、地面にしっかりと足をつけている印象で、華やかさでは負けるものの、
余韻の長さでは比較にならない。
何より、液体が喉を通りすぎたあと、口腔から鼻腔にかけて長々とスパイシーな香りを
放ち続けるのには正直驚いた。

同時にカウンターに来られた方は、メオが閉じ気味で、今飲むならルジェを採る、
とおっしゃっていたが、わたしは今でもメオの方が実力において勝っている気がする。
だから、わたしはメオに1票を投じてきた。

ちなみに、漫画神の雫で、体調を崩したルジェの代わりにおじのジャイエが造っていると
噂されている、とあったのは99年ものである。
遅れてきたブルゴーニュ飲みのわたしは、アンリ・ジャイエの造ったワインなど
飲んだことがないから、そう言われてもピンと来ない。

しかし、もしもう一度これらの2本のどちらかを今後飲む機会があったら、
どちらの造り手かを当てる自信はある。
双子のようではあっても、実はかなり個性の違いはあるのだな、と納得した一夜であった。