ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

このブログは 「ワイン遍歴の終着点はブルゴーニュである」と
密かに確信しつつあるワイン好きのひとりごとである。

高名な評論家が何を言おうが 権威ある本に何と書かれてあろうが
そんなことは知ったことではございません。
信じるのは自分の五感のみ。
これは 長年音楽を聴いてきた経験からの自負である。

売らんがための美辞麗句はどこにでも存在する。
わたしは誰にも媚を売る必要がないから 駄目なものは駄目とはっきり書ける。
ただ 自分の未熟さを反省する謙虚さだけは失いたくない。

読者を増やす努力は一切しない。
ランキングにはまるで無関心。
読者のためのバイヤーズガイドを目指さない。

音楽を語ると敵が増えるが、酒を語ると友が増える。
今日もひとりでブルゴーニュを開栓して ひとりごとを語り始めよう。

 シャトー・ムートン・ロートシルト  2000

購入日    2002年(プリムールで購入予約)

購入先    ピーロート
インポーター ピーロート

開栓日    2025年2月15日
購入価格   26,000円

 

2002年に、シャトー・ムートンロートシルト 2000年を何も考えずに3本購入した。

1999年も購入したのだが、その価格は18,000円くらいだった。

2000年のボルドーは良年と言われていて、ロバート・パーカーが100点を乱発しているような

ヴィンテージであった。

 

その当時わたしは結構ボルドーもよく飲んでいて、どちらかというと右岸のメルロー主体の

ワインが好きだったが、ポイヤックの5大シャトーもしばしば開けていた。

 

今から考えるとパーカーポイントなどというのはミシュランの☆と同じで

「あ〜そーでっか」と軽く流す程度の扱いで良いと思うが、

当時はこの権威ある評論家の評価がワイン界を席巻していたのだ。

 

さてこのワイン、いつ開けたらいいのかわからないまま22年以上ワイン庫に放置しておいた。

先週の土曜日、はるいちご先生にワイン好きが集まる会にお誘いいただいて参加してきた。

何を持っていったら良いかしばし考えたあげく、この機会にと思ってこのムートンを持参した。

 

俄に信じがたい、素晴らしいワイン会であった。

これ以外に飲んだワインを紹介するのはあまりに気が引けるので、

自分が持ち込んだワインのみ語ることにする。

 

デキャンタして飲ませてもらったが、結局ピークを体感しないまま飲み終えてしまった。

まだまだ若い、デキャンタで開いてきてもまだまだ硬い。

しかし1〜2時間でそれなりの酸化による変化は感じ取れた。

 

巷の噂通り、タンニンが豊かで、飲み頃になるのにあと20年は必要なのかなと思った。

それ以上の感想を上手く述べることはできない。

 

このワイン、まだあと2本セラーに寝ている。

次はいつ開ければ良いのだろう。

人間の一生を考えると、こんなに熟成まで時間がかかるなワインの扱いをどうしたものか

考えてしまう。

 

個人的意見だが、ボルドーの5大シャトーなどはわざとオフヴィンテージを購入して

早めに飲んでしまうのが賢いと思っている。

 

今購入したら50万円くらいになっているので、新たに購入することはまずないだろう。

健康なうちに、ワインを語れるメンバーと飲めたら良いなと思う。

 

今年も家内がこしらえた、毎年恒例のわが家の自家製おせちから

 

新居に移って8回目のお正月になる(今年も家内が写真を撮りました)

昨年と代わり映えしないが、義母の時代から毎年の恒例です。

 

今年も元気で美味しい食事とワインを楽しめますように。


ドメーヌ・ブシャール モンラッシェ 2010 (Montrachet   Domaine Bouchard Père & Fils )

シェーンレーバー ハーレンベルク 2017(Monzinger Halenberg Riesling trocken Grosses Gewaechs   Weingut Emrich-Schoenleber (Nahe/Monzingen))

ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール グラン・エシェゾー 1957 (Grands-Echézeaux   

Domaine Gros Frere et Soeur)

シャトー・ラフィット・ロートシルト 1982 (1982 Chateau Lafite Rothschild)

 

2024年11月30日(土)、ラブワインさんが来阪され、本町のル・コントワール・デュ・グーにて

今年2回目のミネラル研究会を行った。

メンバーはいつも通り、はるいちごさんと緑家さんとわたしの4人である。

 

各自自宅保管のワインを持参したが、購入時にもそれなりの価格だっただろう。

しかし今ではワインの時価が天文学的な数値にアップしている。

どこのフレンチレストランでもホテルでも、今どきこんなワインがリストアップされているなんて

あり得ない。

今後まず飲めないであろう一期一会のワインばかりだが、ワインの時価を考えないで、

お気軽に食事とともに楽しむことにしている。

 

はて、このワインたちをどう語れば良いのだろう。これは難題だ。

時とともに移りゆく自然の美しい風景を、画像ではなく文章にして表現することに例えられる。

 

一般的に持ち寄りワイン会をされたり、レストランでペアリングで飲んだりしている方々は

多いだろう。

しかしミネラル研究会が一般的なワイン会と違うのは、リースリングが1本混ざっていることである。

 

ここにシャンパーニュではなくリースリングが存在することに意義があると思う。

最初は閉じていたブシャールのモンラッシェが開いていくさまが、ハーレンベルクによって際立つ。

食中酒として自然で、元々リースリングからワイン好きになったわたしだが、

このハーレンベルクはもっと多く、ゆっくり飲んでいたかった。

 

モンラッシェの2010年はまさにシャルドネの極地とも言えるワインで、これに匹敵するのは

10年少し前にはるいちごさんにFujiyaで飲ませてもらったモンラッシェ(造り手失念)

くらいしか思い浮かばない。

グラスに残った少量の液体から、いつまでも芳香が立ちのぼる。

 

あとのグロ・フレールのグラン・エシェゾー57は、15年くらい前にリコルクされて

売り出されたものである。

1本だけ購入したが、もう1本買っておけば良かった。

予想通りの美しく熟成したグラン・クルであり、

ここまでくると誰もヴィンテージを当てることができない。

 

ラフィットの82は42年も経過しているのにまだまだ若くて、タンニンが締まっていてほどけてこない。

最上の飲み頃はいつ頃なのか想像もつかない。

良年のボルドーは、飲み手の人生より長い熟成時間が必要なのだろう。

このワインは飲み頃までに半世紀を要するとしか思えなかった。

 

最後になったが、コントワールの料理は繊細ながら底力があって最後まで楽しめた。

本当にありがとうございました。

来年もぜひここでミネラル研究会を継続していきたい。

 

 


 グリュンハウス シュペートレーゼ トロッケン 2004 (Maximin Gruenhaeuser Abtsberg Riesling Spaetlese trocken   Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer))

ドメーヌ・アルマン・ルソー シャルム・シャンベルタン 2012

ドメーヌ・アルマン・ルソー ジュブレ・シャンベルタン 2011

 

翌12月1日(日)は自宅で男3人で恒例の第2幕である。

家内の手料理をワインのあてにして、3本開栓した。

 

緑家さんが持参されたグリュンハウスは、何と20年ものとは思えないフレッシュさで、

酸がまだピチピチしている。

「これだなあ、大昔に3月のハイリゲンシュタットで飲んだリースリングは」

と思ったが、ホイリゲは造り立て、こっちは熟成20年!

しかも産地は全く違うから緑家さんに怒られそうだ。

 

緑家さんが検証のため大量に個人輸入されているそうだが、リースリングは飲み手をそこまで

熱中させる難しい品種であることが垣間見える。

 

ブランドシャンパーニュやボルドーやブルゴーニュをお金に糸目をつけず開けている(想像)

いわゆる港区女子からは最も遠い品種ではないか。

 

ラブワインさんはルソーのシャルム・シャンベルタンを持参された。

状態は万全でありボディがしっかりして果実実が豊かなワインなのだが、

かなり硬めのピノ・ノワールで、数時間してもあまり開いてこない。

 

ラブワインさんも納得がいかない様子で、対照として同じ造り手の1年違いの村名を明けてみたところ

これもイマイチ柔らかくならない。

アルマン・ルソーはそこまで気難しい造り手ではないし、村名とグラン・クルにははっきりした格差が

感じられると思っていたが、そこまで明確ではなかった。

 

夕方に会がお開きになって、残った2本のワインを翌日夜に1人で明けてみたら、

シャルム・シャンベルタンが大化けしていた。

華やいだピノ・ノワールの香りと柔らかな果実味があり、このワインの本当の実力が見えた。

 

一方のジュブレ・シャンベルタン村名は翌日夕方には枯れてしまっていた。

その差は歴然である。おそろしや畑の格差。

 

というわけで、今年も無事に大晦日を迎えている。

来年も健康で美味しいワインが飲めますように。

 

ラ クロッタ ディ ヴィニュロン・ピノ ノワール ヴィニフィカート イン ビアンコ 2022

購入日    2024年10月

購入先    トスカニー
インポーター テラヴェール

開栓日    2024年11月
購入価格   2,970円(税込)

 

先日中之島のノガラッツァでグラスで飲んだワインだが、自分で購入して開栓してみた。

ブルゴーニュのピノ・ノワールの香りとは全く異なり、軽やかな白い花の香りがする。

ブラインドで飲んだらこれがピノ・ノワールだとはまず当てられない。

 

産地のアオスタの中心部にあるシャンバーヴは、イタリアといっても北の方でスイス国境に近い。

標高も高く、20kmほど北に行けば有名なツェルマットがある。

昔々、ツェルマットでスキーをしたのが懐かしい。

 

いかにも高地のワインらしく、味わいは軽く深みは無い。良い意味で上品なブドウジュースのようだ。

ノガラッツァでは魚料理(イワシと茄子)に合わせて出してこられた。

濃いめのイタリアンやフレンチに合わせるのはちょっと弱いが、和食に合わせても違和感は無い。

 

開栓日はスイスイと飲めてしまうが、残念ながらワインとしての力は乏しく、

3日経つと薄っぺらくなってしまう。

このワインと比べると、辛口の日本酒でも甘ったるく感じてしまう。

 

はて、2,970円という価格は妥当なのか?

超お買い得ではないが円安だからこんなものだろう、ということにしておこう。

 

 

 

ラ クロッタ ディ ヴィニュロン ピノ ノワール ヴィニフィカート イン ビアンコ 2022

 

大阪中之島のダイビルの2階に「ノガラッツァ」というイタリアンレストランがある。

自称食通の親友が、素晴らしい店だから一度一緒に行こうとずっと言っていたので、

10月29日(火)の夜に2人で訪問することにした。

 

予約したのは前日だったが、店に着いたら「本日は予約で満席です」との掲示がある。

なかなかの人気店のようだ。予約できて良かった。

 

友人を「自称食通」と書いたのは、彼が勧める店には確かに美味しい店もあるが、

とんでもないハズレ店もあるからだ。

 

昨年末に一緒に行った中之島のフレンチレストランはハズレの典型で、

店構えは現代風、お洒落な30〜40代の女性客やカップルで満員で、

フランス語のイカした店名がついていた。


ところが料理はコテコテのべったりソースが特徴の昭和の洋食だったので、

店の名前を「洋食昭和亭」に変えた方がしっくりくると友人には言っておいた。

 

しかし今回のノガラッツァは素晴らしい店であった。

山田シェフは野菜の魅力を引き出したい、と語る。

確かにソースに突出したところがなく、メリハリを効かせず終始穏やかで気品があった。

 

 

合わせるワインは指定せず、マネージャー・シニアソムリエの中牧さんにすべてお任せした。

泡1杯、そのあとはシチリアのシャルドネ、上記のピノ・ノワールのロゼ、そしてトスカーナのロゼであったが、

いずれも気品があって自己主張を控えめにしながら個性が際立つワインであった。

 

濃厚で甘すぎるイタリアワインなど出てこない。

何と繊細な感性の持ち主なのだろう、と感心した。

この店はお勧めである。

ワインと料理のコラボレーションが素晴らしい。

 

ただ不思議なのは、ベトベトの焼肉が好きで、「洋食昭和亭」を絶賛する自称グルメの親友が、

何でこんな繊細な店を気に入り、自称ワイン通のわたしを連れて行きたがっていたのか。

まったく謎である。

 

今回はこの店を知って嬉しかった。

この友人には深く感謝したい。

期待半分で行ってみたいから、またお勧めの店を紹介してほしい。

 

 

 

開業して20年以上になるが、受診患者さんは減る傾向を見せず、多忙な日々が続いている。

同年代の同業者では、年齢とともに患者数が自然減になっているところが多く、

すでに閉院したり、継承したりしている診療所もある。

急死、急病のためやむを得ず閉院になったところもある。

ともあれ、まだまだ元気なので当分仕事は続くことになるだろう。やれやれ。

 

さて、ここからは経済の話である。

先週金曜日9月27日、自民党総裁選が行われた。

第1回の投票結果が判明したのが15時前で、高市早苗が1位、石破茂が2位となった。

 

株価は上昇を続けていたところ、15:00に市場が閉じた15分後に決選投票の結果が判明し、

石破茂が新総裁に決まった途端、先物指数が暴落した。

言うまでもなく積極財政派の高市から緊縮財政派の石破に逆転した結果である。

 

今これを書いている時刻は、9月30日(月)8:20である。

9:00から株式市場が開いた後にまず暴落するのは間違いないが、その後どうなるだろう。

 

7月のブラックマンデーの際は翌日すぐに戻したが、今回は新政権の政策が絡むので、

当分戻らないと予想される。

 

株価が下がったままでは新政権はもたず、自民党も支持率を下げ、

次の総選挙では議席数を減らすことになるから、何らかの対策は打ってくると思うが、

自民党も立憲民主党も財務省べったりだから、株価上昇はとても期待できない。

 

G7の他国の給料が7倍になる中、日本だけ給料上がらない時代が30年続いた。

不景気な時代に戻ることがないように願いたい。

 

 

2024年8月9日にUTAさんが亡くなりました。

 

3年前に疾患が見つかり、自分の病状をよく理解され、治療を続けてこられましたが、

治療の甲斐なく最期は眠るように亡くなられたとのことです。
 

UTAさんは、わたしのブログ友だちであっただけではなく、

家内の童話教室の師匠で、弟子になって30年にもなります。

今年の3月までは平常通り教室で講義をされていました。

 

大きな文学賞の受賞歴もある小説家であり、さらに大きな文学賞の最終選考まで残ったという

輝かしい経歴の持ち主でした。

UTAさんのブログは料理ブログですが、ただの食いしん坊ではなかったのです。

 

25年ほど前、ミステリー小説を執筆されていた際に相談を受けました。

自分が書いた完全殺人のプロセスが法医学的に解明可能かどうか、という相談でした。

 

わたしは元病理医ではありますが、さすがにその相談には答えようがないので、

大学の後輩の法医学者を紹介し、一緒に食事をして完全犯罪について議論したことがあります。

結局のところ

「有能な法医学者が検死をすれば、UTAさんが考えた殺人のプロセスは暴かれる」

という結論になって、そのアイディアは残念ながら日の目を見ませんでした。

 

その法医学者は、今では超有名大学の教授であり、

日本犯罪学会の重鎮であり、日本の法医学のリーダーになっています。

 

ワインに関してもUTAさんとは数え切れない思い出があります。

ラブワインさん、緑家さん、ooisotaroさん、まさぞうさん、WAKOさんなど、

多くのワインブロガーとオフ会で楽しい時間を過ごしました。

 

また、家内を含む童話教室の弟子たちや、京都の超有名イラストレーターの先生たちと

今ではとても飲めないような貴重なワインをバンバン開けて、色々な話題で盛り上がりました。

 

最期の4か月は病院で過ごされましたが、師匠の好みを知る家内は、

高級ウナギ弁当、高級アジのフライ、高級おかきなどを差し入れに持って行っていました。

 

食いしん坊らしく、その場でアジのフライをパクパクと食べられ、

「あ〜美味し、私ほんまに死ぬんかな〜、また持ってきてな」と言って大笑いされていました。

 

それからわずか1か月、帰らぬ人となってしまいました。

 

UTAさんは、家内とわたしの人生に彩りを与えて下さいました。

家内は一生の友人をUTAさんの教室で得られ、わたしもまた知らない文学の世界を知ることが

できました。

 

今ごろは「あ〜楽しかった」と天国で言っておられることでしょう。

 

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 魚はイサキで、メインは鴨のもも肉をチョイスした。

 

ミネラル研究会と称する、ちょっとマニアックなワイン飲みが集まる飲み会を2年ぶりに開催した。

この会はすでに10年以上続いている。

メンバーは毎度の通り、関東からわざわざやって来るラブワインさんと、

地元の緑家さんとはるいちごさんとわたしの4人である。

 

全員15年以上の経歴があるワインブロガーだが、昔からワインを買い集めている。

個性的な飲み手ばかりなのだが、全員自分が一番常識人だと思っているところが面白い。

 

リースリングのコレクターの緑家さんのおかげで、いつもフランスワインに混じって

超希少なリースリングが存在するところが、このワイン会をミネラル研究会と称する所以でもある。

 

リースリングがなければ、ブルゴーニュのシャルドネやピノ・ノワールがここまで浮き彫りに

なることはない。

これがこの会から得られる貴重な体験であり、凡百のワイン会と一線を画するところだと思う。

 

恥ずかしながら、最近のわたしは美味しいものを食べたらそれだけで満足で、

「お酒は料理を引き立てるもの」という思いが強くなってきていて、

ワインと真っ正面から向き合うことがおろそかになっている。

 

だから、3人の卓越した知識と感性の持ち主と一緒にワインを開けると、

発せられる一言一言にしばしば感心し、新しい世界が見えてくる。

「ああ、自分は何とワインを深めない日々を送っているのだな」と今回も反省させられた。

 

場所はいつもの通り、本町のル・コントワール・ドゥ・グーで、

カウンターで気楽にフレンチを楽しめるというコンセプトの店である。

ワインを遠慮なく持ち込ませて頂けるのが有り難いが、料理も美味しいのは言うまでもない。

料理がいけていなかったら、貴重なワインが台無しだ。

 

料理の洗練度もますます上がってきており、仕事関係の知り合いともこの店をよく訪れている。

在阪5大学(大阪医大・関西医大・阪大・大阪公立大・近大)の現職教授全員を

連れてきたことがあり、関西医大の教授はその後もリピートして下さっている。

 

ワインは右から(ワイン名は緑家さんのブログからコピペ)

2007 Koenigsbacher Idig Riesling trocken Grosses Gewaechs   

 Weingut A.Christmann (Gimmeldingen/Pfalz),A P Nr 5 173 021 033 08

2010 Chevalier-Montrachet Les Demoiselles Grand Cru   シュヴァリエ・モンラッシェ

 Louis Jadot  ルイ・ジャド(ドメーヌ)

2003 La Grande Rue Grand Cru Monopole   ラ・グラン・リュ ヴォーヌ・ロマネ 特級

 Domaine Francois Lamarche  ドメーヌ・フランソワ・ラマルシュ

1993 La Tache Grand Cru Monopole  ラ・ターシュ ヴォーヌ・ロマネ 特級  

 Domaine de la Romanee-Conti(DRC),No 12183   

 

夏にもかかわらず、今回はシャンパーニュはなし。

ラブワインさんがクリスタル2008を候補にされていたそうだが、酸が強過ぎるとの予想で中止。

従って最初の白2本は、緑家さんのクリストマン GG 2007とシュヴァリエ・モンラッシェ2010の

比較になった。

 

緑家さんはワインを語る際、必ず土壌に切り込んでいく。

そこにラブワインさんがテロワールの位置情報と土壌を元にコメントされるのだが、

わたしとはるいちごさんは、ただ呆れて聴き入るばかり。

 

ラブワインさんによれば、シャルドネの飲みごろは、光にかざして色を見て判断するとのこと。

確かにブルゴーニュのシャルドネはピノ・ノワールより弱く、開け頃が難しく、

自分でもしばしば遅明けで後悔することがある。

 

クリストマンは「石灰質泥灰岩や粘土による保水性に富んだ土壌」のワインで、

シュヴァリエは「石とチョーク質の多い、標高の高い急勾配の畑」のワインなのだそうだ。

 

言われてみれば確かにシュヴァリエは風通しが良くて水はけの良い畑らしく、

14年経っても繊細な酸のエッジが立っている。

たおやかな余韻が長いのが心地よい。

開栓時期はラブワインさんの目論見通りだったが、まだ数年は状態の良さが続くと思われた。

 

一方のクリストマンは粘土質らしいまったり感があって、シュヴァリエと比べるとやや糖度が高く、

シャルドネとは質の違う余韻があって、しかも長い。

このワインが極めて貴重なワインであることは納得で、緑家さんのコレクション以外で

飲める機会など滅多にないだろう。

これこそミネラル研究会の真骨頂と言える。

 

一方のピノ・ノワールだが、今年こそはラブワインさんが悩むワインを持参することにした。

これまで何度もブラインドでラブワインさんにテロワールとヴィンテージをピタリと当てられている。

記憶しているだけでも、イヴ・ビゾー2002、アルマン・ルソーのクロ・サン・ジャック2004、

そして一昨年のルーミエのシャンボール・ミュジュニー1級 2006。

 

はるいちごさんがラ・ターシュを開栓することは事前に知っていたので、

ヴォーヌ・ロマネのすぐ隣の畑のラ・グラン・リュを選んだ。

2001、2002、2003のどれにしようか迷ったのだが、一番難しそうな2003とした。

 

ところがこれがやり過ぎで、焼けた年の2003は果実が強すぎて糖度が高く、

テロワールなどまったく分かりもしない。

「ええっ?これがヴォーヌ・ロマネ??」とまで飲み手に言わせるとんでもワイン。

ここまでジャミーだとは思いもしなかった。

 

これではただの最上級のブルゴーニュのピノ・ノワールで、面白くも何ともない。

ブルゴーニュの初心者が飲んだら感動もののワインに違いないが、

飲み手の創造力を塗りつぶす無神経なワインでしかない。

われわれは変人、じゃなくてミネラル愛好家なのである。

 

そして最後に開けたラ・ターシュの香りと、ほどよい果実と余韻に救われたのであった。

ヴィンテージが大きく違うとはいえ、隣の畑でここまで異なることに一堂驚愕した。

やはり最上のワインは飲み手の創造力をかき立て、テロワールに思いを馳せて会話を弾ませ、

幸せな時間を共有することをもたらすのである。

やっぱりラ・ターシュは偉大なのだと改めて思った。

 

これらのワインの現在の市場価格はとんでもないことになっているが、調べる気にもならない。

どれもこれも15年から30年前に購入したもので、当時は驚くほど安かった。

もはやワインの金額などどうでも良いのだ。

 

このメンバーとともに、残る希少なワインを今後も健康である限り開けて語りたい、

と思った貴重な夜であった。

 

はくたか 敦賀駅の新幹線ホームにて 

 

グラン・クラスの室内

 

特急サンダーバード 敦賀駅の在来線ホームにて

 

JR線をほぼ完乗してから20年近くになる。

「ほぼ」と書いたのは、自宅からすぐに乗りに行ける桜島線(USJがある線)の

西九条ー桜島間を最後にするため、わざと乗り残していたからである。

 

東北新幹線も新青森までは2013年に完乗していた。

その後2016年に北海道新幹線が新青森から新函館北斗まで開通したが、

これまで乗る機会がなく、未乗区間になっている。

 

その後今年になって北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸したので、未乗区間がまた増えた。

最後にしようと思っていた西九条ー桜島間は、数年前についでの折りに乗ってしまった。

従って現在の未乗区間は、北海道新幹線の新青森ー新函館北斗間と

北陸新幹線の金沢ー敦賀間となっている。

 

ずるずると馬齢を重ねるうちに、乗らないまま終わりそうなので、

今年中には全線完乗するぞと年賀状で宣言した。

北海道は遠いので、まず北陸新幹線に乗りに行くことにした。

 

金沢ー敦賀間は大阪からなら十分日帰りできる区間である。

しかしどうせなら東京ー敦賀間の北陸新幹線全線区間を乗ってしまおうと思い、

先週末に乗りに出かけた。

 

さすがに新大阪ー東京ー金沢ー敦賀ー新大阪間を日帰りで行くのはしんどすぎる。

東京に前泊し、2024年6月23日に豪勢にもグラン・クラスに乗って同区間を完乗した。

 

しかし同日は梅雨のため北陸地方は大雨で、車窓からは雨の景色しか見えない。

新幹線の窓は小さいので、飛行機に乗っている気分だ。

普段なら車窓を楽しめる湖西線区間も、大雨で琵琶湖がどんよりと曇って霞んで見える。

 

ということで、無事北陸新幹線を完乗したが、天気のせいでただ乗っただけ、という気分で帰宅した。

何とかこの夏には、残る北海道新幹線新青森ー新函館北斗間を乗ってJR全線完乗を達成したい。

だからといって何か良いことがあるわけでも無いのだけれど。

 

 

左 ボーモン・デクレイエール グラン・レゼルヴ NV

購入日    2024年3月

購入先    うきうきワインの玉手箱
インポーター モトックス
購入価格   4,708円

 

右 モエ・シャンドン ブリュット・アンペリアル NV

購入日    2024年5月

購入先    うきうきワインの玉手箱
インポーター MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ
購入価格   5,109円

 

15年くらい前には、5000円も出せば一流ドメーヌの村名格のブルゴーニュは余裕で買えた。

10年くらい前にはそれが1.5倍になり、5年前には3倍になり、今では価格を見る気にもならない。

10倍になっているのはざらで、ドメーヌ・イヴ・ビゾーなど100倍以上の価格になっている。

 

なので、一流ドメーヌのブルゴーニュはネットで落ち穂拾いする程度で、

最近はほとんど購入していない。

もっぱら自宅の在庫を開けている毎日である。

 

一方シャンパーニュの値上がりはまだ穏やかで、今でも購入して日常の食卓で気楽に開けている。

とは言っても、5000円以下ではまともなシャンパーニュはまず買えないので、

日本酒よりはだいぶ高くつくため、ある程度贅沢な日常ではある。

 

ドン・ペリニョンなどのブランドものは高騰しているが、RMシャンパーニュなどを物色すれば、

6〜7000円程度で面白いものがある。

ただ多くのRMシャンパーニュは入荷が安定しないので、一期一会になってしまう。

 

今回のお題のシャンパーニュは、生産本数が多いもので、

時期により多少変動するが、円安の現在でも5000円程度で買える。

 

RMシャンパーニュが地ビールなら、これらはキリンビールやアサヒビールみたいなもの。

趣味性には乏しいが、大きく外れることもなさそうだ、と言いたいところだが、

それが全く違うのである。

 

ボーモン・デクレイエールは、5000円で安定して(ここ重要)買える優等生のシャンパーニュで、

デゴルジュマン(澱抜き)後から開栓までの時間の長短にもよると思われるが、

熟成感を感じるボトルに当たることもある。

 

一方の有名なモエ・シャンドンだが、レストランで他に選択肢がないので

いやいやチョイスしたことはあるが、今回初めて購入してみた。

そして開けて直ちに後悔した。

シャバシャバでコクが無く、これなら良くできたクレマンの方が美味しいものがあるのでは。

 

モエを飲むくらいだったら、サッポロの黒ラベルの方を選ぶ。

同じ5000円程度のシャンパーニュで、ここまで差があるとは思わなかった。

後悔したので、この後12種のRMシャンパーニュを1本ずつ購入してしまった。

当たり外れはあるが、1本ずつ開けてみるのは楽しい。