夜分恐れいります、ぐりっど洛西のKと申します。
先日、「アセスメント」についての記事をアップした流れで、
ひとつ、「ナラティブアプローチ」について簡単に説明致します。
「ナラティブ」とは「物語」の事で、いくつかの出来事(エピソード)を「話の筋」によって、結び付けていく形です。
ある出来事と別の出来事をゆるやかな因果関係によって説明するものです。
人は、自らの人生を振り返り、今を解釈し未来を展望する際にも物語の形式を採用して、
「〇〇があったから△になり、そして将来は□になっていく」
という時間の流れとして物語化することで、自らの人生を俯瞰している。
というのがナラティブアプローチです。
その物語の特徴として、
①保守的整合性
物語は一度つくられると、非常に変化しにくい特徴を持ちます。
そのため現実に合わなくなった場合でも、それ自体はなかなか変化しようとしない。
また、ある人の物語はいったんできてしまうと、他の人が別のものを押し付けたり、無理やり物語を書き換えたりはできません。
本人自身が書き換えようとするきっかけを提供できるという支援は難しいです。
②相互的構成
物語は、誰かが聴いてくれてはじめて成立します。
「話す⇔聴く」という関係を思い浮かべると、語る方が自由に語り、聴く方は受け身に聞かされているというイメージがあります。
もう一方で、目の前の人がいるのに、その人が全く話を聴いてくれないと判っていながら語り続けることは困難である。
すなわち、人は聴いてくれる人がいると思うから語ることができるのです。
ここでの聴くも、「3つの”きく”」のページを参考に頂けるとありがたいです。
これが相互的に構成していくものです。
上記2点の特徴を踏まえて、
「物語の書き換え」を意識したアプローチを行います。
十分に広い「語りの空間」を用意すれば、クライアント本人がこれまで語ることのできなかった出来事にも着目しはじめ、
その出来事を組み入れるために既存の筋書きを変更する可能性も出てくる。
それこそが、保守的整合性ゆえに現実からかけ離れてしまった物語を、自ら書き換えるきっかけとなるのである。
ちょっと難しいことを書きました。
これが「ナラティブアプローチ」の考え方による支援です。
これ、ケアマネだけでなく介護職の方も覚えて頂けると助かります。
また、これをイメージしていきながら、ケアマネさんは「生活歴」を高齢者から聴いていくのですが、
またの機会に「生活歴」について触れていきたいと考えております。
では、皆様お疲れ様です。