最近やっと、海外行きたい欲が復活。

海外での非日常は心の許容量が劇的に変化していく。

見知らぬ土地で一人動く私と、周りにいる人々との関係が、完全な虚構に感じる。
自分の過去とは無縁な人ばかりで、自分の存在理由を証明してくれる人がいないの。

だからそのとき私は
自分が、死んでも特に地球に影響がないくらいの小さな存在って思うの。

まったく知らない空を眺めながら
自分にこびり付いた虚栄や意地を洗浄して
素っ裸な気分でお酒を飲むのが凄く、気持ちいい。

ひとり海外は
小説の主人公を味わうような虚構に満ちた中で、スリルと刺激が渦巻いてるのを感じる。
その場で誰を信用し、誰を疑うべきか、この選択で私はどこかへ売り飛ばされるかもしれないし、多くのものを失うかもしれない。その危うさっていうのが私にとってのチャレンジ。

そのとき、諦める。
ここで間違っても仕方ないやって。死んだって仕方ないやって。

そんな命がけの選択にまみれたあと、運良く平和な日本に帰国したときの絶望は凄い・・・
まるで私にとって、一人海外は依存性が高いクスリのようなものかもしれない。
お馴染みのコーヒーが
いつもと違う味
隣で響く女の子のあけすけな会話に
サラサラと過ぎていくボサ・ノヴァが
白濁した過去に湿度を与える

そして

本を片手にため息をついてみる
腕時計の秒針に鼓動を合わせてみる
人通りの中である一定の傾向を考えてみる
秒速1センチ程度の風向きで明日を占ってみる

いつもやるようなことを
何度も繰り返すのに
なぜ
あなただけはそこに戻らないの


晴れわたったあなたの笑顔は
私を無抵抗にさせたままで
音を立てずに消えていく
安いクレンジングオイルを降りかけ
いつもより執拗に塗りたくったマスカラを
指でこそぎ落とした後
水滴のついたミラーの前で
彼女は自分の顔にうんざりする

まるで執念深い病原菌のように
その黒ずみは目尻にこびりついている

またひとつ
取り返しのつかないことをしてしまった
風呂場の寡黙な蛍光灯は
露になった全身が抱える矛盾をあぶり出す

どうしたら
昨日の全ては身体から流れてくれるの
体積した時間は私のどこかへ悪性物質として留まり
エステとかデトックスという言葉の裏側で
私を笑っているはず

ラクダ風まつげメイクの
その一振りのアイコンタクトで彼女は
ありがちな排他的な喜びと

拠り所の無い孤独を買い続ける