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ツゲにツツジを接いだそれ

感想と解釈のブログ

ごきげんよう、柘榴です。



今週日曜日は『ディア♥ヴォーカリスト CR69Fes.2018 Dead or Alive』昼公演へ行ってきました。
ディアヴォ単独名義では初めてのリアルライブでしたが、ショートバージョンになりやすいRejet作品ライブでまさかのすべてフル歌唱のフル演奏、他にもサプライズが盛りだくさんでなんかもうアメィジングでした。なんだあれ。サイコー幸せ。

というわけで、以下からはメモなり感想なりを書いていこうと思います。
セットリスト順に書いていきますが、全体的に細かな記憶が曖昧だったり個人的解釈を含む箇所が多々あるので、ニュアンスで読んでくだされば幸いです。どこのオーディエンスかはまあまあ察してください。





ENTRY#01『BraveChild』ヨシュア/島﨑信長
☆ヴォーカリストMC
誰からともなく「トップバッターはやっぱりルミエールかな」という共通認識を抱えて開演を待つオーディエンス。しかしまずスクリーンに投影されたのはブレチャのバンドロゴ!歴戦のディアヴォユーザーほど意表を突かれる型破りの構成にまず驚かされてしまう。
驚愕隠せぬ中「Hi!皆♪」とヨシュアの軽やかな声が聞こえ客席はまさに黄色い声援一色に様変わり。緊張を解すようなヨシュアのフレンドリーなMCに、これから始まるドキドキ感が心地よくなっていく。
「ブレチャは初めての参加でドキドキしてるんだケド……皆もドキドキしてる?」
\\\してる~~~!!!///
「そっか!ケド、ゴメンね?今から……もっとドキドキさせちゃうから♪」
\\\キャ~~~~ッ!!!!///
と、ふとした時にこちらを翻弄してくるからヨシュアは本当にずるい。あの微笑が浮かぶ空気を創りあげ、新規加入ヴォーカリス トであるヨシュアは、この日はトップバッターとして堂々謳う!
「皆、今日はアメィジングな時間にしよう!」

★M01「アーティストナイト」
フェスのスタートを切ったのは、ヨシュアの初代ラストソング「アーティストナイト」。生演奏と生歌、そして生のヨシュアを感じられる空間に早くも客席はアガる。イントロやアウトロでリズムに乗るヨシュアを見るだけでも彼が音楽を楽しんでいるのを感じられて泣いてしまう。
歌声はCD版よりもパワフルで、特にサビ「掴んでる 掌は ボクに 戻らないもの!」ではそれが顕著。普段は掴みどころのないヨシュアからこんなにもストレートな声音をぶつけられたら一気に引き込まれるしかない。一曲目から早くも会場のボルテージは急上昇していきました!

★M02「Dear…」
「聴いてください。『Dear…』」
続いて担当声優の島﨑さんもお気に入りの「Dear…」を披露。優しいメロディとヨシュアの人間的な部分を綴った歌詞は、生歌で歌われれば感慨もひとしお。こちらは低く甘い声色が強調された歌声で、それでいてサビ前「もう一度、きみのもとへ」でぐっと力が込められる。生演奏も相まって、サビにかけた際のヨシュアの姿は優しく美しく映りました。
大サビ「ゆるせないのは、ぼく自身で」でヨシュアは高らかに歌い上げる。そこから囁くように唱えられた「ねむりたい、きみのなかで ねむりたい、きみのあいで」は個人的に曲中でもっとも好きな歌詞なので、こんな機会にこんな優しい歌い方をされて始まって早々泣くかと思いました。泣いた。
トップバッターでもあえてバラードを採用したのは、ヨシュアが立つ舞台としてあまりにも英断だったと感じます。

ヨシュアには個人的に途轍もない思い入れがあるもののその点は今回割愛しますが(気になる方は弊ブログ内のディアヴォ記事を参照)、これだけは言わせてください。
ヨシュアの衣装姿、腕出してたんですよ…………。
シチュパートのヨシュアのあの事情で大号泣したdevilsにとって、彼が半袖を着て堂々人前に立てるだけでクるんですよ……自分も一緒に半袖フェスT着れるのが嬉しくて腕に大量のタトゥーシール貼ったよヨシュア……お互いどうにかやってけてよかったヨシュア……早くもありがとうディアヴォーカリスト……。


ENTRY#02『JET RAT FURY』ユゥ/花江夏樹
☆ヴォーカリストMC
ブレチャの興奮冷めやらぬ中、「ハイ、ドーモ」と続けてMCを回し始めたのはJETのユゥくん。てきぱきと進行するユゥくんのMCは、公式ツイッターを眺めているような安心感があってホッとします。
「今回はスタンディングです。スタンディング慣れしてない子もいるだろーし、ココで一旦クールダウンしましょー」
ということで、ユゥくんは「RATちゃん、整列!」と一声。二階指定席から観ていましたが、一階スタンディングゾーンのオーディエンスが安全な距離感をとり直す"整列"の様子が窺えました。ついアツくなりやすいフェス中も皆へ気を配るのがしっかり者のユゥくんらしく、あえてこのような行程を入れるのが"熱狂的"よりも"皆で盛り上がる"という言葉が似合うJETらしい。
そして、今度はお決まりの"集合"の合図と共に、JETのライブパートがスタート!

★M03「I need your love」
切なげなイントロは第一期ラストソングのカップリング曲「I need your love」のもの。ブレチャの構成でもう十分驚かされたと思いきや、今度は一曲目がカップリング曲という編成で現場ではサプライズの歓声が湧きました。
"自己模索"が中核テーマだと考えられるJETの楽曲群では、初期曲を現在のユゥが生歌唱というだけで化学反応が起きていて面白い。透明感のある花江ボイスはそのままに、思いを伝える歌詞にこめられた力がより増していました。
個人的にはアウトロがお気に入りなので、「いつも考えてる どんな時も(…)Always, I need your love」とユゥが歌った後にアウトロが流れる構成を全て生で築くフェス中では一層気持ち良かったです。

★M04「Relationship」
JET屈指の人気ナンバー「Relationship」もついに生歌解禁!その凄まじさたるや、イントロの時点で曲に気付いたオーディエンスが次々に歓喜の悲鳴をあげてしまうほど。
進化したライブ版「Relationship」はユゥががなる!オーディエンスも呼応するかのようにコールする!\Calling!!!/「いてもたってもいられず」\Calling!!!/「呼び覚まされる夢」のサビのやり取りではそれらが顕著に顕れ、爆発な一体感を生み出しました。
「沸き立つ歓声の中から ひとりの声だけを見つけるのはeasy 運命の人だからね」。歌詞が素晴らしいのは周知していましたが、改めてフェスで魅せられるとその威力が尋常じゃない。素直になれないユゥのありったけの感情を歌われ、まさに「血を越えたRelationship」を覚える瞬間でした。

第一期曲と人気ナンバーという手堅い選曲をしたJETのステージ。そんな特別奇を衒わないセトリだからこそ、ユゥくんが歌い上げる素直な気持ちをよりストレートに感じられました。とりわけ「Relationship」は花江さんが"ユゥくんとしての歌い方を変えてみた"と明言されている曲なので、他の曲と共に披露されるとユゥくんの様々な一面を見られたような気がして嬉しさが増すものです。


ENTRY#03『Veronica』モモチ/豊永利行
☆ヴォーカリストMC
Rejetヤバい彼ランキングをとれば毎回上位の最凶カレシ・モモチはフェスでは終始イイ子モード!「みんな~っ!モモチで~す♡」と甘い声が一度響けば会場中がメロメロの大歓声で応える。プリティーなお兄さんボイスのままフェスの諸説明や会場の盛り上がりについてコメントされ、話題は「チアーズはもうわかってると思うケド、いつものアレ♡やろうと思います!」とヴェロニカではお馴染みのコーレスを行うことに。
「じゃあ、まずはチアーズだけで♡チアーズ……えい、えい、お~っ!ハイ♡」
\\えい、えい、お~~~っ!!!//
チアーズのみのコーレスにも関わらずかなりの声量で息ぴったりの応援が。これだけでもモモチの破格の人気と熱狂的空気を感じられます。そんなわけで次は全員でチャレンジ。
「いっくよー!CRオーディエンス……えい、えい、お~っ!ハ…」
\\\ぇえい!(ハイを待たずにズレる)え、えい!(ズレる)お~~~っ!!!(笑)///
と、時にぐだぐだになるのもまたご愛嬌。そんなこんなもありつつ、リアルライブ最多経験者・モモチのステージが今日も開幕!
「特別な──"キミだけのサイン"♡」

★M05「キミだけのサイン」
スタートはヴェロニカきっての爽やかロックチューン「キミだけのサイン」!ノリのいい一曲で早くも客席のハートを鷲掴みにしてきます。
Bメロでタメてサビにかけ一気に盛り上がる疾走感は、生演奏とモモチの天性の美声がなせる技。視覚面でも、「誰も知らない キミだけのサイン」で慎ましやかにハートを描く秘密のサインを送ってきてもう最高。「マシンガンを持つ手 離したなら」と天へ放った手を掲げる様も最高。この"歌や演奏が最高なのを大前提に視覚的演出にもこだわりが見える"という今フェスの注目点は、二曲目も合わせヴェロニカのステージで確信しました。

★M06「Last Coffee」
「キミだけのサイン」から一変、今度はセクシーで妖しげなナンバー「Last Coffee」へ。ミラーボールが煌々と輝いたり、舞台照明が凝っていたり、歌声の加工演出もゴリゴリ使ったりと、とにかくモモチの歌を飾る全てに力が入っていたのが印象的。衣装もギラギラなこと含め、このド派手な演出も華のあるヴェロニカにはよく似合っています。
サビ前の歌声加工からのサビで生の声が響き渡る。更には「あなたを、感じていたい」と思いの丈を歌にした後に光を増すミラーボール。離別の曲であるにも関わらずいやに華やかな演出なのが、一辺倒の思慕とはいかないモモチの愛情表現を明に暗に感じられてしまう。
ヴェロニカが持つ"毒っぽさ"みたいな雰囲気が大好きなので、今フェスでもその色が強い楽曲を採用されてきたのは嬉しい誤算でした。

夜公演では最新曲「騙り鳥」も歌ったようなので、ヴェロニカの選曲はWired・Xtreme・RO#2から各一曲の新盤順ということになります。新しいものから選んでいるあたりも飽き性のモモチらしくてニクい構成か。曲調をがらりと変えてきたこと含め、変幻自在さを完璧に体現するモモチの気高さに何億回でも引き込まれていくステージでした。


ENTRY#04『篝火』ジュダ/斉藤壮馬
☆ヴォーカリストMC
「オイ」で歓声、舌打ちで黄色い声、怒鳴り上げれば最高潮。我が道を行くジュダ先生のお言葉に客席は振り回されっぱなし、けれど節々の言葉が胸打つ大盛り上がりのステージを呈しました。
MCのほうは「つかオマエら、曲聴きにきたんだろ。だったら黙って聴いとけ」「具体的にどーしろとか、ンなコト言わなくてもわかるだろ」「萎えさすようなコトしたら、ライブとかソッコー中止だわ」とフェスだろうが唯我独尊。だがそのブレない姿勢が美しい。そんなジュダはライブのほうも決してブレない、一貫性を帯びたものでした。

★M07「エスカレーション!」
初曲は第一期ラストソングにして始まりの「エスカレーション!」。真正面から攻めてくるような激しいサウンドが会場中のオーディエンスにぶつけられます。
ライブ版「エスカレーション!」の特筆点はなんと言っても、語尾を音程通りではなく叫ぶように歌う箇所が多いこと!"ジュダはとにかく叫ぶ"と斉藤さんご本人にすら言わしめるジュダの特徴的な語調をこのように昇華してくるなんて、この作品は天才という他ない。
個人的に曲中で一番好きな歌詞「道理を求めるな、あるがまま エスカレーションしてよ、もっと」でも誇り高くシャウト!思わず自然とボルテージが高まっていきました。

★M08「New World」
声を漏らす隙も与えないほど激しい「エスカレーション!」に息を呑んでいると、曲間にジュダは口を開きこう叫びました。
「オマエら、もう黙ってなくてイイから──もっと声出してけッ!」
ジュダの一声に会場中のオーディエンスが引き上げられ、そこから「New World」へ続く暴れ曲セトリでは自然と力の入った全開コールが轟きました。このジュダの叫びでオーディエンスも叫ぶ流れが篝火ライブとしてあまりにも完成され過ぎていて、当時の現場の空気は圧巻そのもの。
この曲でもジュダはありったけの感情をぶつけるように叫び歌い上げる。二番サビ「痛み合うココロで、掴むよ未来 Go For it」も語尾が激しくシャウト!まさにジュダと新たな世界へ突っ走るかのごときノンストップライブが繰り広げられました。

今フェスで両曲とも表題曲かつ暴れ曲な構成は篝火だけ。こと音楽となれば曲も歌詞もストレートにぶつけてくるジュダが際限なく貴い。ヴェロニカの変幻自在なバンドカラーと対を成すかのように王道覇道を突き進む篝火の力強さには、こちらまでパワーをもらうしかない!


ENTRY#05『Not Safe For Work』エーダッシュ/木村良平
☆ヴォーカリストMC
「皆さァ~~~んッ!!」と高らかに呼びかけたのはエーたんことエーダッシュの声。彼の多弁で賑々しいMCはフェス後半の疲労を一気に吹き飛ばします。
「今の5億倍くらいの声で!声だけでイッちゃうくらいのヤツを!『エーたーん!』って叫んでクレ~ッ!せーのッ!」
\\\エーた~~~~ん!!!!///
「オッケーサイッコ~~~~ッ!!!」
と早くもクレイジーなコーレスの応酬を実行。NSFWのステージはコーレス多めなことは事前に報されていたもののこんなにもか。勢いに乗ったまま、客席を巻き込みまくるエーたんワールドが展開されていきました。

★M09「ぱぴぷぺぽでらりるれろ」
デジタルチューンを基軸に独特な言語感覚で魅了するNSFWの楽曲は「ぱぴらり」からスタート!ヴォーカリスト随一の安定感のある歌唱を喉に、パフォーマンスもエーたんは大はしゃぎでした。
冒頭の台詞に合わせて大仰にお辞儀をしたり、「ぱぴぷぺぽで誰もが首をかしげています」でこてんと首を傾げたり、「時間にLOVEちゅー」でハートを飛ばしたり、とにかく動きがコミカルで楽しい。あくまでバンドマンのライブなので振付は総じて押さえ目かと思いきや、エーたんだけは飛んだり跳ねたりで、まさに身体が勝手に動いているかのようで要はもうエーたん最強キュート完全降伏。
なかでも、サビ「ぱぴぷぺぽで世間に中指立ててみる」は実際に中指を立てるトンでもない振付!エーたんに笑顔で中指立てられ煽られて、オーディエンスの中指もリズムに合わせて跳ねる。そんなクレイジーな空間は作中設定以上の狂いっぷりで、ただただ圧倒されるばかりでした。
落ちサビまで停滞を許さないテンションで駆け抜け、アウトロでは再び台詞パート……ではなく、生エーたんはこちらに語りかけてくる。
「最後にもっかい!皆のイヤなコトとか~、学校、仕事、世間に中指立てろォッ!」
あまりに眩しい笑顔でそう言い放ち皆で中指立てたエーたんを見て、本当に彼は狂ってて優しい子だなと感じました。社会の因習に"イヤ"と言っていい場を与え目の前のオーディエンスの狂った思いを肯定する。クレイジーな手段、クレイジーな世界観から他者の外れた部分を全肯定していく。この"一時だけ倫理から外れ、因習へ笑いながら反旗を翻す"という演出こそ、「ぱぴらり」の歌詞構成とのリンクにしてNSFWの真骨頂だと自分は思います。

★M10「まさかのMassacre!」
エーたんライブの特徴として、他のヴォーカリストはがなったり声色を変えたりと歌唱面でライブならではの演出をする中、エーたんはその独自性はコーレスや振付に与える分、歌唱面は前述通り抜群の安定感を持っている点があります。
コーレス過多の「まさか」の中で、\Sick Girl!!!/「ダウンな気分のままじゃ」\Lock Out!!!/「噛み砕けないヤツで」とエーたんとオーディエンスの狂い合いを楽しみながら、ヴォーカルにおいてもしっかり魅せてきます。うっかり聴き入ってしまいそうな頭抜けたクオリティは、コーレスソングとしてはある意味油断も許されない。
そして「へる へる あんへる キミからハジマルよ/シンジルよ」は丸ごと客席が担う怒涛のコーレスパート。実際やってみるとやたら長く、こっちがこんなに歌ってていいの!?といっそ不安になったのですが、エーたんを見れば耳を傾ける仕草で煽ってきていたのでオールオッケー。そんな風に、エーたんはあの手この手でこちらの狂った楽しさを肯定してくるのです。

元々"アイドルブームとは違う展開をする"という企画から立ち上がったディアヴォシリーズで、あえて振付・台詞・激し過ぎるコーレスとファンサを盛り込むNSFWのステージ。この滅茶苦茶過ぎる"おかしい"ライブこそ、規定のものに囚われないエーたんワールドを存分に感じられました!\エーたんダイスキ~~~~!!!!/


ENTRY#06『LUMIERE』レオード/増田俊樹
☆ヴォーカリストMC
いよいよフェスも大詰め、カリスマ王子・レオ様ことレオードのMCで辺りは一気に黄色い声援に包まれる。けれど、レオードの低い声音で今日に至るまでの真摯な思いが語られ始めると、誰もが息を呑み静聴していきました。
「ルミエはいつもサバイバルではトップバッターだケド、今日のフェスではトリだ。皆を引っ張っていくのがルミエの役割だと思ってる……だから、また次に繋げられるよう、今回は大トリになったんだ」
サバイバルの重要時期ということも相まって、レオードの紡ぐ言葉ひとつひとつがこちらの心に響き、思わずずっと聴き入ってしまいそうになる。けれど、それでもさすがはルミエのライブ。フェスは最後まで途轍もない熱気を帯びることなりました!
「いくぞ、オレのミネッツ!そして──CRオーディエンス!」

★M11「EGOIST?」
響くようなサウンドとともに照明を浴びたレオードは、フェスT+王子様ジャケット+王子様腰布+王子様白ロンパン+王子様黒ブーツな完全王子様ルックでまず素晴らしい。軽装揃いの今フェスで唯一かっちりめの衣装姿に、持てるレオード性を全部盛りしようとする気概をバシバシ感じられます。
曲は衣装とは打って変わってタイトル通りエゴの感情剥き出しの攻撃性のあるもの。CD版ではつんけんと切ってくるような声色だった「EGOIST?」を、ライブ版でレオードは力強く歌う。大サビ前の台詞パートは「謝ってるだろ!?もう電話しないから!」といった風に、全力で心情を吐き出す強さにはこちらも世界観へ引き込まれてしまう。
大サビ「愚痴 愚痴まみれになるLoneliness」はとにかくアグレッシブなレオードの叫び!大トリを飾るサイコーなルミエライブでした。

★M12「Rain&Pain」
「最後はしっとりした曲だケド、最後まで楽しんでください!」
ステージセンターで高らかに宣言するレオ様が既に麗しい(というかMCレオ様は敬語王子でサイコー)。そんな彼が歌う最後の一曲はルミエの人気ナンバー「Rain&Pain」。歌詞としては確かにしっとりした雰囲気だけれど、会場中のボルテージとルミエの生バンドが合わさればラストにぴったりのアツさを生んでいきます。
とりわけサビ「ひとりじゃない どこかでまだ繋がって 残光に照らされてる」をCD版に増してパワフルに歌っていたのが印象的。最後の最後、小細工なしにマイクを握り歌い続けていくレオードの歌と姿に、煽られずともこちらもリングライトを振る力が高まりました。この溢れる求心力に魅了され直すと同時に、改めてレオードが王子でありコンテンツセンターであるんだなとひしひし実感してしまいました。

コンテンツの顔役を担ってきたレオードだけに、開演前はてっきりトップバッターで始まりの「ヒヤシンス」を歌うものかと思っていましたが、その予想は大きく外れました。どころかまさかの表題曲なし。最後まで予想の上から魅せていくスタイルがまさしくロックで、同時に全力で「Rain&Pain」を歌い上げるレオードの姿はトリに相応しいサイコー幸せな王子様像でした!


☆ヴォーカリスト楽屋コメント
ライブパートの後はMBとして各ヴォーカリストから音声コメントをもらうことに。ですがすみません、実は何言っていたかあまり憶えていません。というのも、
ヨ「あっ、見つけた♪エーたーん!ねえエーたん、出番だよ♪」
エ「ヨシュシュ~!コメントあるとか聞いてない~オレもう楽屋で寛いでましたわァ~ッ!」
いきなりこんなん聴かされたら記憶全部吹っ飛ぶだろ…………(エーたんヨシュシュ爆裂二推しオーディエンス)
ありがとうディアヴォーカリスト、お陰でマジでその場で崩れ落ちた。


☆キャストコメント
フェスの〆はキャスト陣が再度舞台にあがってのキャストコメントでした。下手側に増田さん~上手側に島﨑さんのキャラ順で並び、コメントは歌唱順に島﨑さんから。こちらも記憶が混濁しているので、かろうじて憶えている部分のみ書き残し。

①島﨑さん
島「僕とヨシュアは新参者なんですけど、今回トップバッターで……緊張しました」
木「(島﨑さんを指して)捌けた瞬間『はぁ~緊張したぁ~っ!』(両手を胸にあてるジェスチャー付き)って言ってんですよ」
島「バラさないでよ~!(今世紀最大かわいい声音で顔を伏せる)」

②花江さん
花「ディアヴォももう何年も前から今まで続いて……」
豊「そこは具体的な数字じゃないんだ!?」
斉「何年も前って(笑)」
花江さんのターンは隣で二人並ぶ豊永さんと斉藤さんが主な賑やかし役で微笑ましかったです。

③豊永さん
豊「(花江さんからバトンタッチ)」
\\\モモチ~~~~~~ッ!!!!!///
豊「(一歩前へ)」
\キャ~~~ッ!/\モモチー!/\モモ様~っ!!/
豊「……いや喋れない!さっきから声がもうワア~~~って、スゴい!(笑)」

④斉藤さん
斉「オイ(ジュダモード)」
\キャ~~~ッ!!/\ジュダ先生ー!/
斉「……(ジュダモード継続中)」
\ワー!/\ジュダ~っ!/\キャーーッ!/
斉「──うるッッッせェェェェェェェェッ!!!(ジュダシャウト)」
\\\ギャ~~~~~~~ッ!!!///
斉「……はいっ。というわけでやっと普通のテンションで喋れます、ジュダ役斉藤壮馬です(突如舞い降りる激カワ地声)」

⑤木村さん
豊永さんの『リジェフェス皆出ないから皆歌いたくないんだなと思ってたのに今日集まったじゃん!』という冗談を受けて、
木「僕はたぶん、酒飲んでるときに『あぁ~いいですよぉ~』(酔っ払い声)ってオッケーしちゃったんでしょうね」
まさかのボケ被せ。

⑥増田さん
花江さんの年数のくだりを受けて、
増「ディアヴォが始まったのは、僕の担当するレオードのリリースが2015年10月だから……もう3年ですね」
斉「よく覚えてるね」
増「いや、今回発売のパンフレットの後ろのほうに発売日とか載ってて」
豊「パンフ読んでたのかよ(笑)」
増「出番こなくて、楽屋で一時間くらいずーーーっとパンフレット読んでました」
この日の増田さんはレオードのクールテンションでボケるから完全に天然王子状態だった記憶があります。

だいたい初っ端の島﨑さんのくだりで記憶持ってかれました…………そりゃそうなるだろ…………(エーたんヨシュシュ爆裂二推しオーディエンス)
それも含めてありがとうディアヴォーカリスト、ありがとうCR69Fes.に関わった万物。





こんな感じです。
ちなみにこぼれ話ですが、今回場所取りしなくていい二階指定席だったので開場してすぐファンレター出しに行ったものの、プレ箱がキャストさん宛てのみでキャラクター宛てのがなかったんですよ(当然といえば当然ですが)。
それで近くにいるスタッフさんに「あのーキャストさんではなく……会社宛て?キャラクター宛て?に手紙を」としどろもどろ尋ねたら、いい笑顔で「クライマックスレコード宛てですか?」と返されながら預かってもらいました。世界観への配慮が……あまりにも行き届いてる……!!!

そんなこんなで、本当にありがとうディアヴォーカリスト。なんかもうアメィジングにサイコーです。

それでは。

ごきげんよう、柘榴です。


『ディア♥ヴォーカリスト』のヨシュアに救われること:Rejet作品の自傷行為描写における考察
前々回の記事について、当ブログその他各所でのコメントありがとうございます。お陰様で今日もどうにかリジェオタしながら生活できています。
さて、今週は待望の『ディア♥ヴォーカリストXtreme エントリーNo.2 ヨシュア』こと、ヨシュアの帰国後第二弾となるシングル『アメィジング』がリリースされました。
前弾『ディア♥ヴォーカリストWired エントリーNo.2 ヨシュア』のストーリーが良かった分、今回も期待値が高かったこのCD。日付が変わった瞬間にシチュエーションパートの再生ボタンを押し、案の定自分は今回もゲーゲー泣きながら聴きました。
そこで今記事では、いち自傷経験者、またいちdevilsの視点から、今回はどこでどうヨシュアに救われたかという感想と個人的解釈を書いていきます。真面目な解釈の合間合間で特にテンションのおかしい文章があるので、解釈を読みにきた場合は適度に読み飛ばしながらご覧になっていただけると助かります。
なお、本記事は全項に渡りディアヴォシリーズの本編のネタバレを含みます。シリーズの「製品を視聴して登場人物の隠された側面を楽しむ」という作風の性質上、シリーズをこれから履修する場合作品の魅力を大きく損ねる可能性があるため、シリーズ未履修の方はご注意ください。






【©Rejet/『ディア♥ヴォーカリストXtreme』公式サイトより】


1.はじめに

■この記事を読むにあたっての大前提
・本記事タイトルには「考察」とありますが、いつもの通り便宜上のものです。特に今回は個人的な感想・経験を意図的に混ぜながら書いています。
・本記事は自傷行為(広義のリストカット)についての言及またはそれを伴うフィクション描写への感想を主としますが、本記事は「自分がこうなった・こう思ったからあなたもこうすればいい」というものではありません。
・本記事は自傷行為を推奨する意図はございませんが、自傷行為に対して否定的見解および警鐘を鳴らす内容でもございません。
・本記事で言及された自傷行為描写はすべて個人の見解、および対象キャラクターが架空の人物であることを前提とした内容です。自傷行為における動機・精神状態・方法・自傷の箇所ならびに範囲・その後の傷の状態や精神的ケアにつきましては個人差が存在します。すべての人に本記事の言及が当てはまるわけではないことをご理解ください。

■この記事を書くにあたって
前々回の記事でも書きましたが、自分はつい最近までに自傷行為をしている人間です。
昨年から数年ぶりに再発したのですが、それが奇跡的に前作『ディア♥ヴォーカリストWired エントリーNo.2 ヨシュア』の発売日と同時期で、その際ヨシュアに精神的にとてつもなく救われて今日に至ります。その辺りのことは前々回の記事を読んでください。

前々回の記事を書いた後、あれからヨシュア宛にファンレターを出しました。(※ディアヴォシリーズはファンレター数もコンテンツ存続に繋がることが明言されています)
お察しの通りブログとほぼ同じような内容で、ぶっちゃけ言えば自傷癖のこと書きました。
救われたことと感謝を洗いざらい書いて、当たり障りのない曲感想も加えて、某背中にチャックな宇宙人アイドルの追っかけでもあるゆえハ●ズで大量購入したチャック(ジッパー)のギミックつきレターセットで封をして、いざポストへ投函。

そして数日後のヨシュア本人の公式Twitterがこちら。




 

 



ああ~~~~~~~ッ!?!?!?





なんで返信してるの!!!!!!!


いや定期的にファンレター返信があること自体は知っていたんですけど……えーーーあれ拾います……?えーーーすごい……すごくない……????
そんなわけで思わぬところで更にヨシュアに救われてしまったのですが、ここで自分には続編『Xtreme』を迎えるにあたって、devilsとしてある不安がよぎりました。

それはすなわち、「自分は自傷しているヨシュアしか愛していないのではないか?」

噛み砕いて言うならば、「前回の自傷癖が“なかったこと”になったようなヨシュアを愛せないのではないか」ということです。
現実はすぐすっぱりやめられるほど甘くはいきませんし、ヨシュアも「癖になっている」ことを『Wired』作中で明言しています。しかし、ヨシュアがフィクションキャラクターである以上、商業作品のストーリー展開としては何回も自傷描写をフィーチャーするよりも何か新たな演出を取り入れる可能性が高いのは容易に想像できます。
そうやって、自傷についてひとまず置いておかれるかもしれないことが、ヨシュアの自傷行為描写に救われた自分にとっては十分に受け止められるか自分でも不安視していました。
ともあれ、以下からはそんな一抹の不安と共に聴いた『Xtreme ヨシュア』について述べていきます。


2.『Xtreme』におけるヨシュアと自傷描写の考察

■ヨシュアの自傷癖のリアリティー:自傷をテーマにし続ける意義
さて、実際蓋を開けてみればどうだったかというと、










ヨシュア今回も自傷してくれた~~~~!!!!





(大号泣)



ものすごく不謹慎な感想なのは自覚しています。すみません。
いや、というか、すごくないですか?同じテーマは何度も使わないのがベターそうなところを、なんで??自分へのファンサ????(????)

冗談はさておき、そこで、まずは「なぜヨシュアが今回も自傷描写がフィーチャーされたか」を考えていきましょう。
今作『Xtreme ヨシュア』では、前作と違い新曲制作や仕事が順調であることを嬉々として報告するヨシュアのシークエンスから始まります。しかし、とある一件から思うように歌えなくなりレコーディングや仕事は先伸ばし、それでもそのことをカノジョには打ち明けられず、ヨシュアはひとり嘘をついて誤魔化しながら自傷行為を繰り返していきました。
実は、この「音楽活動が思い通りにいかず」「カノジョに対して嘘をつき不調を誤魔化して」「自傷行為を繰り返す」というのは、前作『Wired』とまったく同じ構造になっています。作中台詞から見ても、「またアイツに嘘ついた」と『Wired』と同一構造をとっている点は半ばメタ的に暗示されています。
つまり、今作は意図的に途中までのプロセスを前作と被せているのです。

メタ的に意図して繰り返されるヨシュアの自傷行為と、それに伴う嘘の描写。この「同じことを繰り返す」ことこそ、『Xtreme ヨシュア』においてはむしろ重要なのではないかと考えられます。
「もう二度とやらないって決めた」が実行できない、二度とやらなければいいことを繰り返してしまう。それは自傷癖にしろ嘘をつく点にしろ。それこそがヨシュアのどうしようもできない為人(作品で指す“クズ”たる所以)であり、あろうことかカレはフィクション作品としての目新しさすら捨てる勢いで、どこまでも生々しい視点から我々にその「どうしようもない人間がいること」を示してきたのです。
 

比較論でいうなら、ボクはどうしようもない
崩れ落ちる階段に、いつも捕らわれて

(『ディア♥ヴォーカリスト Xtreme エントリーNo.2 ヨシュア』収録、ヨシュア『アメィジング』より)

うちあけたいよ 目と目で紡いだ
ありのまますべて 投げ出していた
うつくしいひと 汚してる言葉
ゆるせないは、ぼく自身で

(『ディア♥ヴォーカリスト Xtreme エントリーNo.2 ヨシュア』収録、ヨシュア『Dear…』より)


したがって、『Xtreme ヨシュア』のテーマは「自傷」と「」、転じて楽曲歌詞から引用して「どうしようもない」と「ありのまま」であると考えます。
『Xtreme ヨシュア』でもテーマとなり続けた「自傷」は、ヨシュアの「どうしようもない」面を象徴しどこまでも真剣に向き合っていくことの顕れであり、そうした描写の積み重ねには十分な意義があるのではないでしょうか。

■自傷描写の気合の入れよう:カノジョとの約束を破るまでのプロセス
しかも今回の自傷行為描写、SEが異様に細かいんですよ。回数を重ねる毎にカッターナイフの刃を出す音に躊躇いがなくなっていったり、一回目は引き出しを開ける音があるのに二回目以降は机上から手にしているような音になったり。後者においては「二度と自傷しないためにカッターを奥深くにしまっておいた」というヨシュアの努力が窺えますし、二回目から“引き出しまで戻すことすらできなくなっている”というのもリアリティーがあってゾッとしました。
個人的経験談ですが、本当にこれあります。一度やったら情緒的に丁寧にしまう労力を割けなくなくなるし、一度切れちゃえば色々箍が外れるというか。最早『Xtreme ヨシュア』は所々「あ~~~とりあえずしまったのに段々しまえなくなるのあるある~~~!!」「あ~~~これ切るまでの怖さが吹っ切れて傷どんどん深くできるようになって血ドバドバ出て痕めっちゃ残るヤツだよヨシュア~~~!!」と完全にあるあるノリで聴いていました。そういうCDではないのはわかっているのですが、憶えがあり過ぎて滅茶苦茶つらくなった。つらい。
また、前者については後の描写でカノジョが迷うことなくカッターナイフがある引き出しまで向かっていけたことから、「前回の一件の後カノジョと一緒に片付けたのかな」という想像も広がります。カノジョがヨシュアの習癖に今も向き合ってくれているいい演出ともとれますね。

更に、SEのチョイスがあまりに絶妙で、明確に傷を見られた描写まで「カノジョとの約束を破って切ったか」「刃を出したがギリギリのところで踏み止まったか」がわからないような演出になっているんですよ。(もっとも、別所の知見を見る限り皆初めから切った解釈が多かったので、「刃を出したけど切らない可能性」というのは完全に当事者感覚なのかもしれません)
カッターのSEの後のヨシュアの声がやってしまった無気力感なのか踏み止まって頭がどっと疲れた脱力感なのか最後まで確定せず、そして後半で切ったことが確定した時は「切ってたんだ……ヨシュア……」と一番つらくなりました。
ここまで演出に力を入れて描かれることからも、今作においても自傷行為描写が大きな役割を持っていることが窺えます。

■ヨシュアは神になれない:ブレチャのキリスト教的モチーフとその限界
 

神様がセブンディズで、でっち上げた身体
迷うことを定めづけられてるイキモノで

(『ディア♥ヴォーカリスト Xtreme エントリーNo.2 ヨシュア』収録、ヨシュア『アメィジング』より)


ヨシュアにはバンドネームの通り、各所にキリスト教的と言えるモチーフが存在します。『Wired』のジャケット写真や、今回の新曲『アメィジング』に天地創造がモチーフとして採用されていることが顕著でしょうか。あまねく他者に手を差し伸べるヨシュアの為人に照応させるように、ヨシュアが少なからず“BraveChid”(意訳して“神の子”)としての演出を受けていることが読み取れます。

が。
けれども、ヨシュアは決して神にはなれなかったのです。いちdevilsの自分がいくらヨシュアは神だと救われようと、カレは作中では神になり得ません。
『Xtreme』でもLA時代のバンド解散の原因が自分にあると捉え、いつも周囲の期待に応えようとしてはどこかで破綻し、カノジョに対して取り繕った嘘もいずれ露呈しています。そして、同時にヨシュアは救済される側の人間でもあり、カノジョに救済されていきます。
ヨシュアは、他者を救おうと振る舞いながらも他者から救われる存在でもある、その二つを非常に不安定なバランスで構築したキャラクターなのです。
 

シドロモドロでも キドクミドクでも
伝えたいことは、キミがいなくちゃ始まらないStory

(『ディア♥ヴォーカリスト Xtreme エントリーNo.2 ヨシュア』収録、ヨシュア『アメィジング』より)

ねむりたい きみのなかで ねむりたい きみのあいで

(『ディア♥ヴォーカリスト Xtreme エントリーNo.2 ヨシュア』収録、ヨシュア『Dear…』より)


大抵の人間が併せ持つであろう“救う・救われる”の相互バランスがまだ上手にとれないヨシュアは、破綻してはカノジョに救われる度、担当声優の島﨑信長さんが「依存」と表現したような、極端に甘えた態度にまで繋がっていきます。
ヨシュアの物語は、神になりたかったのになれなかった人間の、人間としての生々しさに恐ろしいほど向き合い続ける物語なのだと思います。

■ヨシュアの人間としての生々しさ:ヨシュアの「どうしようもなさ」を切り捨てるな
『Xtreme ヨシュア』は、言うなれば「進歩をしながらも同じことを繰り返す物語」です。
『Wired』のヨシュアとの大きな差異を挙げるならば、今作ではヨシュアが自らの「どうしようもない」部分を自己の一部と認め、自己統合が図られている点です。『アメィジング』ではヨシュアが己の「どうしようもなさ」に向き合い、天才的な部分もどうしようもない部分も自分であることを謳っています。これを進歩と呼ばずして何と呼びましょう。
ヨシュアは己の天才性・カリスマ性に自信があり、同時にどうしようもない部分も自分であることを認めるようになりました。『Wired』で交わした自傷に関するカノジョとの約束もしっかり胸にしています。これは大きな意味を持つ進歩であり成長です。



それでも、ヨシュアは繰り返すのです。「もうやらない」とカノジョと約束した自傷行為すら繰り返すのです。
ヨシュアの行動原理は、以下の台詞に集約されています。
 

「そんなのわかってるよ……! でも、他にどうしようもなかったんだ……!」

(『ディア♥ヴォーカリストXtreme エントリーNo.2 ヨシュア』Track.4)


わかっていてもどうしようもないのです。

このような人間が『ディアヴォ』の世界に今日存在し続けることこそ、自分にとっては救いとなる最たる点ではあるものの 、同時に途方もなくつらくなりました。
わかっていてやめられたらこんなことになっていません。やめないのではなく、できないのです。いくら進歩と成長があっても実行までできないのです。自傷や誤魔化すことくらいやめればいいのは言われなくてもわかっています。けれど、腕切るような精神状態の人間にはそんな簡単そうなことも困難で、本当にどうしようもなくなっているのです。
この「わかっていてもどうしようもなくなっている」点こそ、ヨシュアの人間性においてもっとも生々しい部分だと、自分は思います。

前々回の記事でも比較対象としてあげたエーダッシュと比べても、彼らの在りようはまったく違います。エーダッシュは自傷も自殺未遂も恋人に止められてからはきっぱりやめ、己の希死念慮と格闘し極力「死ぬ」を口に出さないことが十分に実践できている等、「きみとどう生きるのかに必死」を見事体現しています。
一方で、ヨシュアはどうでしょう。ヨシュアはわかっていてもできません。同じ失敗を何度も繰り返します。しかし、それを「怠けている」と容易に切り捨ててしまえば、ヨシュアは一生救われません。エーダッシュの本編と比較した時「成長していない」と感じた時点でカレは救えません。
ヨシュアは、フィクション作品という演出や都合あるいは免罪符で新シリーズでは十分に成長した・もうやっていないという選択肢の得られたであろうに、エーダッシュとは違いそれすらも許されませんでした。それは同時に、エーダッシュのように死ぬという選択肢すら持てないヨシュアは、ずっと救済されずに苦しみ続けることになります。

「どうしようもなくなった」シーンの島﨑さんの演技が本当にすごいので、聴いていてつらくなりました。皆さんも聴いて一緒につらくなってください。つらくなってどこまでもヨシュアの生々しい人間臭さに人としての嗅覚を破壊されてください。

■私がヨシュアのカノジョだ:自傷行為へのアンサーとしての演出
このように、自分のような一定の文脈から聴いているユーザーからすれば、生々しく自傷癖に苦しむヨシュアは存在すること自体が救いになります。というより、お察しの通り自分はほとんどヨシュアに感情移入して『ディアヴォ』を聴いている節があります。ラブパートは観葉植物視点です。
もしもここからヨシュアが救済されたら、それは自分にとって大きな希望になります。そしてヨシュアを救済するのはカノジョです。今回もどうしようもなくぐちゃぐちゃになったヨシュアを、カノジョはどのように救うのだろうと緊張しながらシチュエーションパート後半に臨みました。
と思った矢先にですよ。

 

 

 

 

(カッターナイフを取り出し刃を出す音)
「ナニしてんの、そんなモノ出して……! やめろ!〔…〕オマエ……自分がナニしたのかわかってんの!? ……なんでこんなコトするんだよ……。腕貸して!」

(『ディア♥ヴォーカリストXtreme エントリーNo.2 ヨシュア』Track.4)

 

 

 


うわぁーーーーーーッ!?!?!?





自分はヨシュアではなくカノジョだった……???(※ディアヴォシリーズは元からカノジョ視点で楽しむ作品です)



まさか公式でカノジョが腕を切る展開になるとは思っておらず、何を思ったか動揺して今は傷ないのに自分の腕五度見しました。なぜかPCモニターの前に腕差し出しました。こう書くと滑稽。

さておき、この非常に特筆的なシークエンスは、自分にとっては二つの意味を持っていました。
一つ目は、「腕を切った人間もカノジョになれる」という証明です。自分が切った理由とカノジョが切った理由がまるで違う時点でお話にならないのかもしれませんが、それでも自分はカノジョが腕を切った時、掛け値なく感動を憶えました。自分のような人間でもカノジョとしてヨシュアを愛することが許されたような気がして、本当に嬉しかったんです。
二つ目は、自傷経験のあるユーザーにヨシュアの心情を追体験ないし擬似体験させる構造です。ヨシュアは、カノジョが腕を切ったことに取り乱し、それによってカノジョがヨシュアの自傷癖をどれほど心配しているかに気付きます。その直後、上記引用にように今度はこちらがヨシュアに腕の心配をされるのです。
このシーンを聴いた時は実にはっとさせられました。ヨシュアはこちらを心配してくれました。換言すれば、直後にこのヨシュアの上記発言がくることにより「救われる存在に心配される」という共通経験が生み出されていました。つまるところ、「ヨシュアの反応でカレの心配な気持ちに気が付けるユーザー」は、まさに「カノジョの行動でカノジョの心配な気持ちに気が付けるヨシュア」の追・疑似体験となっているのです。
これらはすべて、明確にカノジョ⇔ヨシュアそしてヨシュア⇔ユーザーの“救う・救われる”の相互関係を発生させているといれるのではないのでしょうか。

そして、数日後のシーンへ場面が変わると、ヨシュアはカノジョに対して言いました。

 

「ところで……、腕の傷、もう治った? ちょっと見せて? ……ホントだ。コレなら痕も残らなそうだね。ああ、マジでよかったぁ……! すっごい心配してたんだ……」

(『ディア♥ヴォーカリストXtreme エントリーNo.2 ヨシュア』Track.5)


この台詞で自分以上にテンションぶち上げたdevilsいる????

いやいるんでしょうけど。というか傷付けたことのあるユーザー全員こう思っていそう。それくらい衝撃的な台詞でした。とろける島﨑信長ボイスで腕の傷の心配される機会なんて今後の人生で二度とないですよ。あと「コレなら」って……そんな痕が残る傷と残らない傷がわかるような口振り……ヨシュア……お前……。
『Xtreme』における自傷行為へのアンサーは、“気持ち”の共有・共存のための手段としての転換です。こうしてヨシュアは『Xtreme』において、傷から始める関係性からカノジョの気持ちに気付き、カノジョと救う・救われるの相互バランスを、少しずつですが着実に身につけていきました。
自分はヨシュアに救われて、ヨシュアも絶対に救われます。

 

ボクに、アメィジングおくれ
キミに、アメィジングあげる

(『ディア♥ヴォーカリスト Xtreme エントリーNo.2 ヨシュア』収録、ヨシュア『アメィジング』より)

 

 

3.おわりに

■大 聖 母 信 長
キャストフリートーク…………島﨑さん優しすぎるでしょ…………えーーーー救われちゃう…………。
島﨑さんは度々ヨシュアのカノジョの優しさを「聖母」と称するのですが、島﨑さんも島﨑さんでヨシュアに対してというか、ヨシュア観が滅茶苦茶優しいんですよね。どのインタビューでもとても言葉を選んでくれていて、それだけで泣けます。
島﨑さんのヨシュア関連のインタビューで個人的にオススメなのは『Xtreme』のインタビュー(無料で閲覧可)「LisOeuf vol.8」(ヨシュアについてのインタビューが多ページに渡り掲載)です。ぜひご覧になってください。割りとマジで心が洗われます。

それと今回のトーク、シーン解説の際についに島﨑さんから「自傷行為」発言が出ました。島﨑信長ボイスで「自傷行為」発言が聴けるのはディアヴォXtremeヨシュア初回生産版だけ!(たぶん)買うなら今!!

■最後に
最後に申し上げますが、この記事の文章はあくまで自分個人の見解です。時折主語を大きくして書いている部分もありますが、決して自傷したことのあるユーザー全員の総意ではないことをご容赦ください。
今回も感想と解釈がごちゃごちゃな記事になりましたが、すべてをぶちまけたくなるような熱量の内容だったということが伝われば嬉しいです。字数制限と格闘し削りまくった文章なので、余裕があれば加筆修正するかもしれません。
あと、もし来月発売のドラマCDでも何かしら救われることがあればこちらも感想ブログ書きます。書かなかったらひたすらエーたんヨシュシュ貴みザウルスしているのだと思ってください。


それでは。

ごきげんよう、柘榴です。

先週土曜日にピタドルシリーズ初の単独ライブ『Big Bang Fes』に行って参りましたので、例によって備忘録も兼ねた一日目の感想を書いていこうと思います。
アメブロの字数制限ギリギリなので多くは前置きしません。どうぞ。



★M01:MARGINAL#4『100万回の愛革命(REVOLUTION)!』
会場の照明が落ち期待感が膨らむ中、まず流れたのはあの壮大なイントロ!1分30秒というマジフォーシリーズ恒例のあまりに長い前奏は、その分だけ客席中のスタクラへ歓喜と驚愕の声、四色のペンライトの光をあげさせる。そこから一気にライトが灯り、勇ましいロックサウンドと共に現れたのはMARGINAL#4の四人!衣装はもちろん始まりの『愛革命』のリニューアル版衣装です。
ステージ中央のモニターにアニメ第一話の『愛革命』の映像が映りながら、MARGINAL#4の四人がリアルで振付を完全再現。アトム・ルイパートからエル・アールパートに移行するフォーメーション、そこからのジェミニの視線や手の動作まで再現されており、その上ボーカルもまったくブレないときてまさに四人が今そこにいました。
ライブ特有の更なる点と言えばフルで歌って踊られること!なかでも印象的だったのは大サビ前のラップ。「X-dayにX 新欲 Wanna Cry' in」と切り込むアトムの勢いとパワフルな歌声で一気に落ちサビまでのテンションを高めます。更に、「絶対に守るよ セカイが壊れても オマエだけは」のルイの静かな力強さを秘めた歌唱力、紫のライトをぎらぎらと浴びたソロパートは、まさに王子的存在感を放っていて早くも圧倒されました。そのままラストまで突き進めば、最高の一曲でのフェス開幕と相成りました!

★M02:MARGINAL#4『Bingo!!!!』
『愛革命』から会場を休ませる暇も与えず、次に披露したのは『Rejet Fes.2016-ONLY ONE-』ぶりの『Bingo!!!!』。個人的にはリジェフェス当時はマジフォービギナーだったため完全にノリきれていなかったので、今回はリベンジとばかりに楽しんできました。
「Oh Oh Oh Oh…」に合わせマジフォーの四人が大きく腕を振り、客席もそれに合わせてペンライトを振る。曲調も激しい『愛革命』から一転してポップでハートフル、圧倒するようなパフォーマンスで魅せる『愛革命』とは違い、今度は会場一体となって楽しむ一曲に。「一緒に!」と客席を煽ってくるのもまたいい。
サビ「愛したい(Bingo!!!!Bingo!!!!)」では笑顔でリズムにノるエルとアールが印象的。客席もリズムと彼らに合わせてペンライトを刻んでいきます。ロックなど尖った歌声での曲を担当しやすいアトムやルイもこのときは柔和な声音でボーカルを務め、マジフォーの魅力のひとつであるキラキラな愛らしさで会場を包み込みました。

★M03:UNICORN Jr.『REAL?』
MARGINAL#4が捌けると、次に舞い立ったのはUNICORN Jr.。アニメ世界線での彼らのデビュー曲『REAL?』で、同曲の衣装を纏い舞い立ちました。
「喉に絡む 台詞の色は ヤケに深い ラズベリィ」のBメロを妖艶に歌うテルマは、テルマ役染谷俊之さんのテルマスカートルックも相まって国宝級の美しさ。ここの三人が腰を回す振付で客席からは悲鳴にも似た歓声があがりました。デジタルポップの多いユニコにとって挑戦的なセクシーさを放つこの曲は、どこで切っても色っぽさが散りばめられていて非常に新鮮。
くわえて、今フェスでは従来のイベントよりもビジュアル面にも力が入っており、ツバサ役蒼井翔太さんに至っては金髪+ツバサのアイカラーである赤をアイメイクに取り入れた100%ツバサスタイル。蒼井さんが現在金髪だったのを存じていなかったのでモニターに金髪の蒼井さんがアップで映った瞬間「蒼井さん金髪なの!?本当にツバサじゃん!!」と驚き、次に画面に抜かれた染谷さんの演じるテルマで「今年も染様はテルマじゃん!!!」と更に目を奪われ、唯一髪型をキャラに寄せていないアルト役沢城千春さんが最後に抜かれ「沢城さんは沢城さんじゃねーか!!!」と三段落ちみたくなりながらも、
そのアルトの低くセクシーで『REAL?』にぴったりな歌声により一瞬で完全降伏しました。ユニコ、最高の登場。


★M04:UNICORN Jr.『アフターバーナー』
幻惑的な『REAL?』の後は、『アフターバーナー』に続けて一気に会場をアゲる!銃が楽曲モチーフのひとつであるこの曲の振付はもちろん客席をバキュンバキュン指差しで撃っていくアクション過多、ユニメイトを一人残らず撃ち抜いていきます。
連発銃のごときアッパーサウンドの中「Go!!」の度にジャンプするテルマがエネルギッシュでキュート。両脚で高く跳躍する様は兎か鳥か天使のよう。そしてかわいい。しかも後ろでは「GO!!」の度にセットが火を吹く文字通り熱い演出が。今フェス初の炎演出シーンだったので驚きましたし、そんな中跳躍するテルマを見て誰もがボルテージが引き上げられます。 そんなテルマは二番サビではセンター!染谷さんが各所のインタビューで『アフターバーナー』への好意的な回答をしていたことや、テルマが元気いっぱいパフォーマンスできるアイドルということを加味するとより感慨深いです。
Bメロで三人が全体へ指差しを視線を向けた際は、二階席から俯瞰で見ると、特にツバサのキレと百発百中具合が凄まじい。ギラギラと響く歌声と「GO!!」を一緒に叫ぶことを煽られる心地よさに、終始熱が高まりっぱなしの時間でした。

★M05:LAGRANGE POINT『革命(Revolution)XX』
マジフォー、ユニコとくれば最後にその姿を現すのは我らがトップアイドル・LAGRANGE POINT!こちらもアニメからの新規曲『革命XX』を、“キラはロミオ・オレはジュリエット(byシャイ)(公式表現)”な同曲の衣装に身を包み、今フェスではメッシュ(※正しくはエクステ)まで完全装備で華麗に魅せます。
これまでも数々のリアルイベントで踊りまくってきたラグポは、今回も想像以上にダンサブル!アニメ映像のダンスとの再現率やシンクロもピカイチで、月と太陽の対照性や“X”にちなんでかシンメトリーなダンスから目が離せませんでした。
彼らが実際に歌って踊るというのはもちろん、アニメ映像では止め絵だった振付がライブでしっかりと一連の動きとして顕れ、「あの映像の振付がこう繋がるんだ」という発見も多い。なかでも、「革命の歌よ、高らかに」ではシャイが滑り込むように流麗にキラの前に現れキラが客席へ手を伸ばす(落ちサビではパートが変わるためシャイが手を差し伸べキラが屈む)振付の繋がりを見た時は「そうやって二人が交差するんだ!」と感動しました。楽曲サビの盛り上がってから一気に静まるサウンドとベストマッチした緩急のあるダンスに思わず見入るしかない。
締めの「涙 隠し オレを 見つめ 今は 誇り 高く X」でキラとシャイの腕も“X”に交差!会場中の誰もがラグポの二人へペンライトの光をくべて、眩しい閃光と轟く歓声の中彼らは最高の登場を飾りました。

★M06:LAGRANGE POINT『レッドブザービート』
『革命XX』で圧巻のパフォーマンスを披露した二人は、続いてジャズ調の艶やかなナンバー『レッドブザービート』でラグジュリエットを骨抜きにしてくる。ラグポキャストの豊永利行さん・大河元気さんが満場一致でライブで行いたい曲として決めた一曲です。
イントロでサイレンが聞こえれば会場中のラグジュリエットが『レッドブザービート』がくると覚り、既に期待とこれからより魅了される緊張感が最高潮に。全編通して艶めかしい歌声・振付・台詞すべてに客席からは終始大小の声があがり、まさに「獲られる恐怖」。このナンバーがきたら最早全人類がキラとシャイの色香から逃れられない。「もっと弾けて匂わせて オトコのfragrance Umm…クラクラしちゃうヤツ」と歌うシャイはCDのそれよりも色気がパワーアップしており、聴いたこちらは歌詞通りクラクラでした。
Bメロでは「ヌルヌル」「ガクガク」など扇情的な擬音の歌詞に合わせ二人の腕や腰を動かす振付が多く、サビ前の台詞パートではわかっていてもセクシーさに客席は叫ばざるを得なくなる。マジフォーともユニコとも違う魅力を駆使し、ラグポは早くもフェスの空気を掌握しました。 この後、シャイが「次はマジフォーメドレーだ」と言い残して去り、大きな期待感を与えて再びマジフォーへバトンを繋ぎます。

★M07:マジフォーメドレー
☆ⅰ(07):野村エル&野村アール『燃えよ!LOVE★MUSCLE』
メドレー一曲目はデビューシングルにもある『燃えよ!LOVE★MUSCLE』。エルとアールのデュオ枠は最近のメディアミックスだと何かと『恋せよ乙女!』が採用されがちだったため、そこをあえて『LOVE★MUSCLE』で攻めてこられたのは嬉しい誤算。衣装も公式パンフレット内でそれぞれが着用しているオリジナルな着こなしのものに改め、ジェミニが客席を双子色の光に染めます。
言葉遊びや洒落が多い歌詞なこともあり、エルとアールの歌い方の“遊び”が多く非常に楽しい。「アーメンで素麺」なラップはアールが(!)語尾を上げるなどノリノリで次はどうくるかとワクワクしてしまう。変幻自在なエルはもちろん、アールもトリッキーに魅せてくるのがデビューから五年という月日によるパワーアップを感じます。
サビ「軟弱な男にKick!虚勢い男にPunch!」ではエルがキックにアールがパンチ!恐らく一回席のどなたかがバキュンファンサならぬキックにパンチファンサを食らっていたことでしょう。メドレー用のショートバージョンの『LOVE★MUSCLE』に、エルとアールの弾けたラブマッスルがぎゅっと詰まっていました。

☆ⅱ(08):野村エル『コ・コ・ロ・ヒ・ト・ツ』
『LOVE★MUSCLE』の歓声の直後「それじゃあ、エル。がんばってね!」とアールが捌け、エルが舞台上に一人。エルのソロと言えばこの曲しかない、『コ・コ・ロ・ヒ・ト・ツ』!
メドレー用のショートバージョンのためイントロ→一番サビ→落ちサビ→アウトロという少し変わった構成ですが、だからこそここでしか見られないエルの姿が毎秒迫ってくる。サビ「今宵 月の淵に 潜んでる 魅惑に」ではアニメでのダンスと同じく脚をあげる振付があり一気に心をひとつに掴まされたのが印象的か。「謎めかすよ 愛を」の「を」のエル独特のポイントは、生歌でもバッチリ健在。
エスニックなシルエットの衣装から祈り捧げるようなミステリアスな振付まで『コ・コ・ロ・ヒ・ト・ツ』の曲調に見事マッチしており、他の曲とはまた一味違ったエルを目に焼き付けられました。これぞ野村エル役KENNさん、そして野村エルの圧倒的ポテンシャル!

☆ⅲ(09):野村アール『カラフル』
エルのソロの後はアールのソロ。朗らかに奏でられるイントロは『カラフル』のもので、続くアールの歌声に心が温まっていく。
モニターに流れるポップなイメージ映像の前を歩いて歌うアールの様は、まるでアニメEDのあの映像のよう。アールの心情、暖かさ、一歩進んでいく軌跡に、スタクラはあの日“リアルで”触れ合ったのです。
「涙 ぬぐってみよう 心カラフルに満たそうよ」「きみが いない世界 ありえないんだ」とアールが届けた先の客席は、スタクラが暖かなオレンジのペンライトを返していて、その光景すら美しい。二階席から見ていると、本当にアールの優しい歌声に乗せた気持ちとスタクラの応援が通じ合っているようなカラフルさで、アールがMARGINAL#4としての五年を過ごした先のソロステージとして相応しいひと時でした。
 
☆ⅳ(10):藍羽ルイ『Mr.StarrySky』
暗転後、まずステージに灯るのはきらめくイントロに、吊り下げの小さなライトによる静かな青い光。一面が青にライトアップされると、ジェミニと同じくパンフレット撮影の衣装のルイが現れ、スタクラは彼から紡がれる『Mr.StarrySky』を静聴します。
歌もダンスも固めのロックも柔らかいバラードも何でもござれなルイのソロ曲が、シリーズ中でもっともソロやユニット経験の文脈が複雑に絡み合ったルイのソロ曲が、「ぼく」と「きみ」を謳うバラードなのがまたいい。「ひとつのズレもない微笑み 見つめあえば百年先も」「二度ときみを迷わない」と己の言葉のように歌うルイが眩しく、サビ中はあえてアニメのバレエ調のダンスにはせず、とにかく今夜のルイは歌唱で魅せていく。いい意味でショートバージョンなのが惜しいくらい、フルで全ての歌詞を生の藍羽ルイの声で紡いでほしい瞬間でした。
「EveryNight 星に願いかければ In The Peace 蒼い海が拡がり With Delight 愛のままに溢れる きみだけの、Mr.StarrySky」。囁くように唱えるルイのバラードに誰もが心打たれ、アウトロが終われば、会場中に拍手の海が溢れました。あの青い星の海を創った美しさは他のどの曲にもないもので、青の照明・ペンライト・そして拍手で煌めく藍羽ルイの姿が今も網膜に焼き付いて離れません。

☆ⅴ(11):桐原アトム&藍羽ルイ『HOT★SCRAMBLE』
そしてまたもやウーウーと唸るサイレン!ルイのデュオでサイレンと言えば『HOT★SCRAMBLE』!他のメンバー同様パンフレット衣装にチェンジしたアトムが駆けつけ、客席にはクールな青の中に苛烈な赤のペンライトが燃え始めます。
『MSS』とは打って変わって軽快なダンスナンバーであるこの曲では、ルイもアトムも先程までの楽曲とはまた違った一面を覗かせる。ダンスも対照のようでどこか違う“ルイとアトムならではの面白さ”が組み込まれており、ラグポの完璧なシンメトリー振付との違いがそのままそれぞれのコンビの関係性を示しているようで注目してしまう。
サビ「HOT!! SCRAMBLE 向かう先で 振り向きざまNice Shoot」ではもちろん客席をバキュンと狙い撃ち!ルイのクールさとアトムの熱血をチャーミングに融合したようなステージは、エル・アールデュオが原作楽曲『LOVE★MUSCLE』だっただけにノーマークであったのも相まって、一種の新鮮さすら感じられました。
 
☆ⅵ(12):桐原アトム『魂のノンストップラヴァー』
「メドレーのトリはオレ様だ!」とアトムが高らかに叫ぶと、会場中に轟く熱いロックビート。アトムが持つオレ様な格好よさを全面に出したソロ曲『魂のノンストップラヴァー』がメドレーを締めくくります。
マイクスタンドを用いたステージは、今フェスではアトムだけのもの!アニメ映像以上のマイクスタンドでのパフォーマンスは当然とばかりに、ぐりぐりとマイクスタンドを振り回してアトムは謳う。「噴き出す 汗に 濡れた瞳 手にした 言葉 アザとく」と歌う声音も、ゴリゴリのロックにぴったりな力強さが増していました。
ルイソロの柔らかな光から一転、ギラリとしたライトを浴びモニターに映ったアトムのアップは、影を落とす前髪の下から覗く視線があまりにも格好いい!アトムもアトムを演じる増田俊樹さんもトークでは溌剌とした姿が印象的なだけに、『魂』ではルイのクールとも違う唯一無二の誇り高さを露にするギャップに心を鷲掴みにされる。
客席のペンライトの星そして舞台照明は危険信号のごとく真っ赤に燃え盛る。その中でマジフォーを経てソロとして君臨するアトムの目は射抜かんとばかりの強さに満ちていて、捌け際に「サンキュー!」と言い残せば会場中からメドレーラストに相応しい盛り上がりが巻き起こりました!

★M08(13):UNICORN Jr.『ワガハイはネコである!!!』
「ちょーっともう……」「いい加減に」「構ってくれませんー!?」「ご主人様!」と開幕からインパクト抜群の台詞を引っ提げやってきたのはユニコの三人!デジタルなイントロとこの口上を聴けば『ワガハイはネコである!!!』がくるのは一目瞭然!衣装はマーチングアレンジな『PANDORA BOX』と同様のもの。
タイトルの時点で「ダンスがついたら絶対かわいいだろ……」と安易に思ってしまうこの曲、その安易さに応えてやるとばかりにかわいい全振りのダンスを披露してきました。ネコがモチーフの楽曲だけあってネコのポーズを取り入れた振付が多い多い!「にゃー!!!」で手をネコの構えにしてくるのはもちろん、サビでもふんだんにそれを採用してくる。「ほら!!! 尻尾FreeFreeして」で尻尾を振るようなダンスをされた時なんて客席は叫びまくりで、ユニコはどこまでも「ご主人様」といるネコのごとく客席を惑わしてきます。
歌唱中の振付以外にもソロパートの際の“歌っていない二人”の掛け合いも小気味よく、アルトパートで横でネコのごとくじゃれているツバサとテルマが愛らしい。しかも基本的にツバサがけしかける側でした。
そんなツバサ、『ワガネコ』の歌唱自体はCD音源と結構歌声を変えてきて少し高く甘めでハイテンションな雰囲気となっており、しかもそれがばっちりツバサの歌声で、この辺りのツバサのバランスはさすが蒼井さんのパフォーマンスと言うべきか。ありがとう新堂ツバサ。
それとはそれとして「届いたスカートが、何時しか遠い」でテルマのスカートルックめくろうとしたのは絶対許さないからな新堂ツバサ(限界テルマメイトの感想)

☆キャストMC-UNICORN Jr.編—
『ワガネコ』終曲後、「ユニメイトの皆!」とツバサが高らかに客席へ呼びかけ、ユニコのMCが開始。「○○役の●●です」と自己紹介した通り、キャラではなくキャストとしてのトークでした。
蒼「千春くんと染様、この二人……滅っ茶苦茶緊張してます」
染「はいっ!さっきからすごくドキドキしてて」
と染谷さんの誠実トークでテルマの役柄との相乗効果もあり会場中が温かい空気に。その後、ユニコのセンターを務める蒼井さん中心の進行で、この日次のMCを振ったのはアルト役沢城千春さんへ。
沢「僕、ギターが趣味なんですけど、この一ヶ月は全然弾いてないんですよ」
\\ええ~~~!?//
沢「はい、それくらいダンス練習してました」
蒼「千春くんホント頑張ってたよね」
沢「鏡買って(腕で姿見の輪郭のジェスチャー)、こういっぱい練習してましたから」
蒼「いや、そんな振付ある!?」
沢城さんを中心としたフリーダムなやり取りはユニコというかピタドル恒例か。練習話と笑顔を客席へ提供した後は、
蒼「まだ話す時間あるみたいだし、会場の端から端まで行く?みんな~ユニコーンジュニアです」
沢「ユニコーンジュニアで~す」
染「ユニコーンジュニアでーす」
そんな和やかムードでMCを締め(後のMCでの豊永さん曰く「『端まで行く?』とか後輩の手際じゃない」)、蒼井さんが次の曲へいくキューを。蒼井さんのしっとりとした口調と甘い声に客席は息を呑み、次の言葉を傾聴します。
「聴いてください──『Lonely Silence Monster』」

★M09(14):UNICORN Jr.『Lonely Silence Monster』
MC明け一発目はなんとバラード、ユニコの1stアルバム一曲目に収録された名曲『Lonely Silence Monster』。雑誌インタビュー等でキャストの方々も度々「難しい」と口にする高難易度な『LSM』をまさか生で聴けると は。
アルバム収録順や歌詞の世界観から鑑みて、この曲は幾度となくアイドルとしての矜持で「セカイ」を語るユニコにおける、エピソードゼロ的な文脈が非常に強いです。今フェスではスローテンポで流れるこの世界を、歌声で耳から、そしてモニターで目から楽しめる。ふとした瞬間アルトとテルマがすれ違いざまに視線を交えていることがわかったり、ユニコが歌いながら世界と関係性を構築していることがわかってゾクゾクとさえしてしまいます。
Bメロツバサソロ「怖いから、この目と耳を潰そう」でモニターに抜かれたのは、片目を手で覆い伏し目がちに歌うツバサの姿。とてつもなく美しかった。ツバサ演じる蒼井さんが前述通り完璧なビジュアルであること、照明により絶妙に影がかかること、何より聴いた人間を絶対的に歌の世界へ引き込ませる、圧倒的な“新堂ツバサとしての歌唱力”が連なった瞬間が切り取られていて、それだけでひとつの作品にも思えました。
「ねぇ、 Simpleな嘘がひとつ欲しい――……」「これからも、 よろしく だれよりも、 あいして」。ゆったりと流麗に壮大さを増す落ちサビを歌い上げ、ラストのフォーメーションとしてツバサが一人舞い立ち、アルトとテルマはその再度でしゃがみこむ。まさか、このポージングは……!

★M10(15):UNICORN Jr.『PANDORA BOX』
そしてかかったのはリジェフェス'16以来の『PANDORA BOX』のデジタルサウンド!そう、『LSM』の最後のポージングは『パンボ』最初のフォーメーション。『LSM』を経て『パンボ』へ進む流れは一定の文脈が大好きなユニメイトにとって誰しもが望むだろう構成で、それを実現した今フェスは天才的。
また、『REAL?』はアニメ世界線でのデビュー曲であって、原作のユニコのデビュー曲はこちら『パンボ』です。ユニコの楽曲の世界観は何度でも死んでは新たな世界に生きての転生的概念があるので、“デビューの瞬間が二度来る”というのも実にユニコイズム全開で痺れました。
イントロでツバサがマリオネットの糸を引くかのごとく両腕をあげアルトとテルマがゆっくり立ち上がるのは、まさに三人の見えない糸の繋がりが顕された振付。しかしライトを浴びてからはアルトもテルマも自己の意思で踊り、歌う。ユニコはツバサのリーダーシップが大きくありながら三人が自由に自己コーディネートするユニットであることを鑑みるとかなり示唆的な動作です。
なんて小賢しいことを考えて油断していると、Aメロ一発目「いつかは白馬の王子様なんて夢」とツバサの歌声に心を仕留められる。Bメロの縦一列になって代わる代わる歌うようなフォーメーションもユニコの個性の共存が顕されているようで、その中でアルトの低音がより光るのも心地いい。「Miss.悩みまくリーノ?」と歌うテルマもリジェフェスより安定感とかわいさが抜群にアップ。かわいい。
フルバージョンとなり落ちサビ前の複雑なダンスも追加され、その勢いとボルテージのまま落ちサビへ。「さあ360℃ 全方位でNavigationしてあげる」と会場全体へ腕を伸ばされたら、ユニコがどんな世界へもナビゲーションしてくれるという希望に満ち溢れていく。締めで「密着点は“イマ”」と己を指すような振付で宣言されれば、もうユニコの虜になるしかない!二年振りの生『パンボ』は、『LSM』との続け様となるセットリスト含め、ユニコを世界を象徴するに完璧なフルバージョンとなってきたのでした。

★M11(16):LAGRANGE POINT『愛、独裁―SAMURAI―』
黒と赤の和装アレンジ衣装を目に、低く響くイントロを耳にした瞬間、会場はまた一層沸き立ちます。リジェフェス'16の円盤で摩り切れるほど見た『愛、独裁-SAMURAI-』が、今宵フルバージョンに進化して目の前で繰り広げられようとする!蛇足ですが、こう書いていてリジェフェス'16で披露した楽曲がすべて今フェスでも採用されていることに気付きました。
リジェフェスとは違い殺陣パートはなく終始キレのあるダンスがステージを支配。また、『レッドブザービート』でもそうでしたが、ラグポは今回の階段のあるステージでの魅せ方が非常に巧妙。「お月様の兎笑って」と歌いながら“月の王子”牧島シャイが階段手摺に片腕を置きながらもう片手を客席へひらひらと振る様はまさに歌詞通りの月のような微笑で印象的。サビのダンスの激しさとの緩急もあり、多面的にシャイの魅力を浴びれます。
サビと言えば『愛、独裁』フルで語るに欠かせない歌詞「夕餉の味噌汁 暖め直しておくれ」に、ついに振付がつきました!まるでワイングラスを持つかのように片手でぐいと味噌汁(※エアー)を飲み干す、からの上手側にスパーンッ!と放り投げるような動作でまさか歌詞そのままな振付とは恐れ入った。
落ちサビ前のラップはずっとキラとシャイのターン!誰一人寄せ付けない言葉のぶつけ合いは、お姫様の歓声すら割り込ませる隙のない二人の世界!「凹と凸に」という対照的な言葉が入った歌詞で互いを見合うのがラグポの対照的な人物像にマッチしていてなおのこと最高。リジェフェス以来の名デュオは、ラグポの確固たる世界とお姫様への求心力が見事両立した姿で帰ってきたのだ!

☆キャストMC-LAGRANGE POINT編—
華麗なラグポから一転、アウトロが止むと舞台上には、腰を曲げ大仰に疲れたリアクションをする“中の人”が水を飲みながらぬるりとMCに移行されました(ご本人曰く「俺達だけ漫才」)。
豊「ってわけで『愛、独裁』でしたが……いや長くない?」
大「長い!」
豊「6分って!!(※『愛、独裁』のフルは6分弱)」
と、初っ端からぶっちゃけトーク全開な豊永さんと大河さん。『愛、独裁』を完璧にこなし日頃のイベントトークからラグポ愛溢れるお二方だからこそ可能なぶっ飛んだノリからは、「はじめは別の曲をやる予定だったんですが、『リジェフェスで一度やったポッキリでいいの?折角衣装もあるんだし』と、また『愛、独裁』をやらせていただけることになりました」という貴重な裏話も豊永さんから出てきました。
豊「そしてついに~……『夕餉の味噌汁』に振付がつきました」
大「こんなカッコよく味噌汁飲む奴いる!?こうクイってやったら(振付再現)、絶対ココ(首筋)からダーッて流れますよね!」
恐らく会場中のラグジュリエットが思ったことをとうとう口に出す大河さん。いやそれご本人が言う!?と心の中でツッコんでしまうような大胆トークは続行され、
大「あと俺、振付的に味噌汁飲んだ後、味噌汁投げるのがこっち(シャイ側)なんすよ!シャイに味噌汁かかってる(笑)」
豊「味噌シャイ様になっちゃうね(笑)」
と、時にユーザー視点かのごときコメントも飛び出すラグポキャストのトークは、だいたいこのようなノリでした。
豊「ああ。これ他の後輩達には出てないと思うけど……俺達、今カンペで『巻いてください』って出てるから」
大「じゃあ、この場で一回回ったら中の人からキャラにバトンタッチしましょう」
豊「ゆっくり回るのはやめて!ふざけたくなる(笑)」
大「絶対ボケなきゃって変顔とか始めますよね(笑)」
豊「ドゥータドゥータッ(※ライ●ップのBGM真似)って回るからな」
そんなこんなを経て、一回転し“中の人”から“牧島シャイ”にバトンタッチされた後、彼の囁くような「Crystal Switch」というタイトルコールが静かに響きました。

★M12(17):LAGRANGE POINT『Crystal Switch』
というわけでMC明け一発目はユニコと同じくバラード。あえて同じ系統の曲構成となると、排他的な魅力を持つユニコのそれとは違ったラグポならではの気高い希望のメロディが感じられ、それぞれの個性が際立つのが面白い。『愛、独裁』衣装のまま煌めくバラードというのも新鮮でした。
離別を歌ったバラードも、シャイの優しい歌声に乗せればじんわりと聴いた者の心に染み渡る。「だれかは、だれかなのだろう? 冷めてるお月様、言葉を喪うね」とひと度歌われれば、『愛、独裁』の興奮やキャストMCの爆笑も一旦置いて楽曲の世界へ引き込まれていく。力強くも儚いシャイの歌声に、透き通るようで芯のあるキラの歌声が重なる瞬間にはその度に心が動かされます。
ピタドルメンバーの中では最年長の“大人”であり、それでいて19歳という“子ども”であり、長年芸能界を牽引してきた“大人”であり、すんなり“大人”になるにはあまりに凄惨な半生を過ごした“子ども”であるキラとシャイ。彼らが歌う「大人になればなるほど、見えなくなる」の切なさ、奇跡的な出会いを果たした二人が歌う「いつでも見えていたのは、穢れていない (Crystal) Switch」「ふたりなら、押せるから──……」の重みが一語一句に顕れます。二人が奏でる透明感のあるスローバラードに、終曲後は胸いっぱいの拍手が会場を包みました。

★M13(18):LAGRANGE POINT『Nan-Boo-No-Mon-Ja-E』
けれど決してしっとりとなんて終わらせない、お姫様にはおしとやかより暴れさせるのがLAGRANGE POINT最大の魅力!ラグポデュオ最後の曲は切ない拍手を許さない、ライブ映え間違いなしのアッパーソング『Nan-Boo-No-Mon-Ja-E』でした。
パーティーチューンさながらのリズミカルな一曲でありながら、冒頭「One、Two、Three、For!!!」の直後から客席へ叫ぶことを煽るのはさすがのLAGRANGE POINTのステージか。「ボクが臨終んでく刻まで(数限りなく)」と掛け合うキラとシャイの歌声も生歌となれば高揚感もひとしお。続くサビ前台詞「だから出会えた奇跡に」「乾杯」ではCD音源に負けじとばかりの大歓声をラグジュリエットから引き出します。なお、ここまで書いてきませんでしたが、今フェスもリジェフェス等と同様台詞後の無音時間が長くなり客席に叫ばせる猶予を与えています。
「表彰されなくても、掠れるわけなんかないって!!」「きっと、ふたり承認め合えば、いつか 史上初の愛になる」はあらゆる権力から反旗を翻した末に出会ったキラとシャイが歌うとなれば、歌声に乗ったその重みが軽々に量れると思うなかれ!彼らはギター轟く間奏を経て落ちサビへ一直線に駆け抜ける。そうして数々の激動を聴いてきたラグジュリエットは、ラスト「(Say,)Nan-Bo-No-Mon-Ja-E!!!!!」でテンションが強制的にぶち上げられる!一瞬たりとも客席の揺さぶられる心を休ませないのはLAGRANGE POINTの真骨頂だ!

★M14(19):MARGINAL#4『WeMe!!!!』
そして再びやってきたマジフォーのターンでは、皆お待ちかねアニメ主題歌『WeMe!!!!』。衣装は原作の同曲を衣装を元にして、ライブ映えするアレンジが素敵。ルイのジャケットとボトムスの配色が逆でジャケットにパステルブルーがきていたり、エルのボトムスは原作が白なところを黒にしていたりと、とにかく「四人それぞれのパステルカラーを目立たせてかわいくしよう」という気概がバシバシ感じられます。
公式媒体で製作陣から「マジフォーのかわいい部分を押し出した曲」な旨で語られたように、『WeMe!!!!』のライブは超絶キュート!なおかつ「Shidoro-Modoroでキッス(そのまま見つめたら♥) 」でアニメ映像通りメンバーと見つめ合う振付の再現率に大興奮。アトムとエルに至っては「そのまま」で見合うタイミングも完全一致な点に脱帽した(アトムエル二推しスタクラ)
サビ後の間奏では毎回コールを煽ってくれるのこちらも楽しくえいえいと歓声をあげていくと、二番前の間奏では「みんな~!」とエルが客席とメンバーに呼びかける。下手側では上手側を先頭にアール・アトム・ルイが肩に手を置いた電車ごっこスタイルをしていて、しかもそれでエルソロの二番Aメロを過ごしており、客席の歓声は一瞬にしてかわいさへの悲鳴に変わりました。人間はあまりにもかわいい事象を見ると悲鳴をあげるのだ。
続くルイ・アトムのデュオパート「虫歯(よりMore)痛むよ(胸が………)」ではルイの背後ではアールが、アトムの背後ではエルがわちゃわちゃと腕や顔を出す遊ぶようなパフォーマンスが更に可愛らしさにブーストをかける。ルイとアトムにちょっかいをかけるジェミニはアニメ映像のサビのノリを思い出し、もしかするとそのオマージュ?
サビ「ハジらう(Yeah!)音符が(Yeah!)」は歌詞に合わせて客席がYeah!とコールするコールポイント!マジフォーは適度にコールを煽ってくるのでこちらも気兼ねなくやれるし、それで会場が一体となり星を降らせるペンライトにも一層力が入る。まさにマジフォーの「スタクラが星を降らせてステージが完成する」という会場一体の理念を体現したような時間が『WeMe!!!!』によって創られました。

☆キャストMC-MARGINAL#4編—
歓声止まぬ中、マジフォーもMCへ。「MARGINAL#4・桐原アトムだ!」「リーダーの、野村アールです!」等彼らだけはキャスト名を名乗らないスタイルだったため、こちらのコールも\アトムー!!/\ルイくーん!!/\エルくーん!!/\アールー!!/とキャラ名で叫べたので大満足。その後のトークはキャストとしてでした。
増「さっき『WeMe!!!!』を歌いましたが、最初は、Big Bang Fes一発目の曲に『WeMe!!!!』を持ってこうって案もあったんですよ。アニメのイベントだし『WeMe!!!!』で始めようと。けれど、MARGINAL#4は『100万回の愛革命!』から創まったから、一発目は絶対『100万回』でいきたい!ということで『100万回』から始まりました」
と、アトム役増田俊樹さんがマジフォーメンバーが自ら『100万回の愛革命!』をリクエストしたエピソードなど、フェスの裏話や結成当初の思い出話など貴重なトークが盛り沢山。作品のキャラナンバー最初のキャラを務めるだけあって、増田さんの発言はどれも聞き入ってしまう格好よさ。そんな中、
K「アトムくんカッコいい~♪」
増「今はアトムじゃない、増田俊樹です!ますだ!!としき!!(空中に文字を繰るジェスチャー)」
とエル役KENNさんとわちゃわちゃとした軽快な掛け合いをされた時は会場も爆笑。このフランクな空気のまま話題は始動当初の思い出話から「やべえよ、最年長の直純さんに挨拶しに行こうぜ」(大体こんなニュアンスの発言)となり、
K「よろしくお願いしゃーす!!(高橋さんへ勢いよく深々頭を下げる)」
増・鈴「よろしくお願いしゃーす!!(頭を下げる)」
高「フッ、苦しゅうない」
増「直純さん!(ルイ役は)クールどころ!シャープな感じでいて!!」
K「実際はこんな感じじゃなくて、『よろしくー』って言ってくれましたー」
そんな他ユニットに負けず劣らずのぶっ飛びトークもそこそこに、フェス終盤ということを惜しまれつつ次のナンバーへ。アール役鈴木裕斗さんが「これは、ぼくたちにとって大切な曲です」とアールの気持ちも乗せたような声音で語り、タイトルコール。
「聴いてください。『OVER THE RAINBOW』」

★M15(20):MARGINAL#4『OVER THE RAINBOW』
オルゴールのような繊細な旋律が早々に涙を誘う、マジフォーの目映いバラード『OVER THE RAINBOW』。『Rejet Fes.2014 DISCOVERY』以来の同曲は、その夜もマジフォーとスタクラを繋ぎました。
アトムとアール・ルイとエルがペアになるようなパート分けはライブを飽きさせないエッセンスになることはもちろん、“ウマが合いそうで合わなそうなペアが歌う”というマジフォーのユニットとしての基本理念にハマっているからこそ、『オバレ』の手を取り合うような歌詞に深みが増す。「「これからどうなるのかな?」なんて、ボクもキミも同じだけど ただ信じてる」と歌う彼らの声は優しく、そして星以上の明るさを確かに持っている。
「Over the Rainbow 七色の虹を渡っていく ふたりで描いて、継ぎ足して」。後にルイ役高橋さんが「七色の光のように思い出が蘇ってくる」と語ったように、会場中にそれぞれのマジフォーを追いかけた思い出をゆっくり駆け巡らせるようでした。同時に、二階席から見るとマジフォーの四色+単色ペンライトの光の「色んな色が混ざりあう」光景が目に入り、本当に四人が虹を渡って歌うステージが広がっていました。

★M16(21):ピタゴラス★オールスター 『KISSから創造るBig Bang』
モニターにはアニメ最終話の作中のフェス直前シーン(ヘリから落ちてくるあの場面)が流れ、客席がカウントダウン。すると、ゼロでアニメと同じくステージに九人の姿が!今フェスのそれぞれのキービジュアルのジャケットに袖を通して歌うラストナンバーは、『KISSから創造るBig Bang』!
ダンス、フォーメーションどれをとってもアニメ最終話と同じなのにまず感動。それと衝撃的過ぎて誰かかは失念してしまったのですが、誰かがリップ音を飛ばした瞬間、ステージが爆発しました(『アフターバーナー』と同様の炎演出)。これぞKISSから創造るBig Bang……!
サビ「KISSから創造りあげるよ Big Bang!!!!」で九人が歌い踊る様はまさに圧巻!一糸乱れぬフォーメーションからの、九人それぞれが客席へ目線を飛ばす狙い撃ちの瞬間はまさに「キミのために歌唱うんだ」。
個人的に、自分はユニコが既にいるタイミングでピタドルを知り比喩的にユニコと一緒に育ち最終的にテルマメイトで落ち着いたユニコネイティヴ世代なので、“四人から九人まで増えてここまできた”というリアルタイムの感覚は知ることもできません。きっとそのリアルタイムを知る人とは九人ライブで受けた印象は大きく変わってくると思います。だからこそ、もっとも応援しているピタドルが歌う「産まれた 鼓動 掴み」の生歌は深々と突き刺さりました。ありがとう九人ライブ。産まれてきてくれてありがとう。

★En01(22):ピタゴラス★オールスター 『奇跡の星座-sign-』
アンコールを経て、ピタドル一同が今フェスのオリジナルTシャツをジャケットの下に着て再登場!増田さんから「全員で歌える曲は『KISSから創造るBig Bang』だけじゃないですよね!」と呼びかけられると、即座に気付きを得た客席は際限なく盛り上がる。導き出される答はひとつ、九人曲の元祖『奇跡の星座-sign-』!
リジェフェス'16でフルバージョン初お披露目だったこの曲は、Bメロ「バラバラに(輝いてた)」等ラグポの一線を画すデュオパートや、二番AメロでWONDER CORONA!・NEBULAS・MY♥MILKY♥WAYの三組に分かれる(※リジェフェス当時はこの呼称もなかった上、実は当時の組分けは微妙に違った)フォーメーションも懐かしく新しい。
落ちサビ前「誰もが愛を」でがなるキラにより最高潮に達した熱気の中、『星座』もクライマックスへ!二年の時を経てより洗練された『星座』は落ちサビの最後まで見逃せないステージでした。

★En02(23):ピタゴラス★オールスター 『WeMe!!!!』
「最後はここにいる皆で、『WeMe!!!!』を歌おうと思います!」と増田さんの宣言を轟かせ、なんと今フェス限定のスペシャルバージョン・九人での『WeMe!!!!』がラストに!マジフォーの笑顔で憶える期待感やユニコがマジフォー楽曲をカバーする特別感と、「ラグポがかわいい歌……!?」という一抹の緊張感。そして、実際に彼らはやってくれましたよ。
一番はAメロ前半マジフォー→後半ラグポ→Bメロユニコ、二番はAメロユニコマジフォー→Bメロラグポ……という構成。二番Bメロ「虫歯(よりMore)痛むよ(胸が………)」ではラグポの二人がしゃがみこみ最前列のカメラへかぶり付きで歌っていて、緋室ォ!シャイ様ァ!モニターにもばっちりドアップで抜かれたラグポワールドで、「Oh,No!?」の際に歌声がはっちゃけるシャイ。シャイ様ァ!というかトッシー!!けれどきちんとシャイの範疇で弾けている辺りのバランス感はやはりさすがLAGRANGE POINTか。彼らが楽しそうで何よりです。
サビ「ハジらう(Yeah!)音符が(Yeah!)」はもちろんスタクラ、ラグジュリエット、ユニメイトが一体となってYeah!とコール!フェスでもらった感動やパワーをすべてピタドル九人へのコールにして盛り上がるのは、楽しいことこの上ない。フェスは終わるのに、フェス自体も作品としてもまだまだ希望が続く。そんな期待に満ちた九人の歌唱は、溢れだしそうなペンライトの光と大歓声を降らせ、ピタドル初のリアル単独フェスは最高潮のボルテージで締め括られました!



こんな感じです。
字数制限ギリギリなので多くは語りません。本当に最っっっっっ高でした。

それでは。