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ツゲにツツジを接いだそれ

感想と解釈のブログ

ごきげんよう、柘榴です。

察してください。書いているのは仲真テルマのかわいさを語るのに2.5万字費やした人間なんです。
そんなわけで、アニメ『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話「ミスから強敵(ライバ)る超新星」の感想とゆるい考察、時々小ネタ紹介を書いていきます。前回の感想&考察はこちら
なお、今記事でいう「原作」は主にショートストーリーやドラマCD、公式Twitterなどを指しています。



★考察:アニメにおけるUNICORN Jr.

原作のUNICORN Jr.とアニメのUNICORN Jr.は、作品における立ち位置や役割が大きく異なります。それは、以下のツバサの発言で顕著に表れています。

「あんたは、オレたちの魅力、もう見つけてくれたよな」
(UNICORN Jr.『F.A』発売カウントダウンボイス)
「オレたちがデビューしたら、オマエらのスタクラも一気にUNICORN Jr.ファン・ユニメイトに流れるに決まってるぜ!」
(『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話)


原作のツバサは決定権を聴衆一人ひとりに委ねるスタンスなのに対して、アニメのツバサは明確に他のユニットからファンをこちら側へ取り込む意思を示しています。この決定的な違いは、原作のUNICORN Jr.は「答、無くても 「そのまま」で生きてみるんだ!」という歌詞に象徴されるオントロジカルな過程を経てトップを目指しているのに対して、アニメでは作中のツバサが何度も発した「アトム(=MARGINAL#4)に勝つ」から読み取れる、まず他のユニットを倒すことを第一目標に据えている点が起因しています。
つまり、アニメのUNICORN Jr.は原作とは異なり、他のユニットと戦うこと、ひいては勝つことを目的に生まれた存在です。そんな戦闘マシンのような出自を持つ彼らだからこそ、いつにもまして好戦的な態度をとっていくのです。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

【©2015 Rejet/『MARGINAL#4』ポータルサイトより】

テルマのポーズは原作1stシングル『PANDORA BOX』の踏襲。三人が臨戦態勢をとっている証。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

「びっくりで済む問題じゃねえ!くだらないゴシップ記事で注目を集めるなんて、一番カッコ悪いだろ!?」
それぞれが自分の世界を持っている彼らは、自分の世界が他人に荒らされることを嫌っていく。

アニメのUNICORN Jr.は、丁度原作の彼らが持つ自己肯定感と先輩を越えようとする向上心をミックスしたような描き方がなされています。正直、我が道を行く彼らがアニメのドタバタコメディ調に合うのか一抹の不安を感じていましたが、この落とし込み方ならそれは杞憂だったと言えるでしょう。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

ちなみにアニメの三人の関係性について。基本的にはツバサが引っ張って、ツバサが冷静さを欠いた時はアルトがクールダウンさせ、アルト主体の言動はぶっ飛んだ発言でもテルマが丁寧に拾うバランスとなっている。


★演出:ユニコーンは甘くない

新鮮ピチピチのフレッシュアイドル・ユニコことUNICORN Jr.。ただのかわいい後輩で済むほど、彼らは甘くありません。三人それぞれに、一筋縄ではいかないシークエンスが挿入されていました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

可憐なビジュアルが騒動の一端となったテルマ。まわりは熱愛疑惑だとか女じゃないしとか男子ならスキャンダルにならないとか言うけれど、実はテルマ自身はこのことに関して一切言及をしていない。性別的言及に振り回されるほどテルマは甘くない。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

「丁度チェス漫画にはまっていたので」
アルトは漫画に感動して泣いてしまうほど感受性豊か。ただの天然で終わるほどアルトは甘くない。アルトの駒の色が白なのは、彼のイメージカラーから。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

一声でMARGINAL#4全員を思うがまま「めしあがれ!」させるツバサの王者的な天才性と、唯一「喜んで!」しない意地の強さが顕れた描写。簡単に他者に迎合するほどツバサは甘くない。

今回の騒動の一端どころか発端ですらあるテルマのいわゆる“性別ネタ”が、さらっと流すようなストイックな仕上がりになっていたのが地味ながらよかったです。テルマってそういう子なんですよ。なんでもアリなコメディ路線の本作でも、一定のラインから尊重していることが感じられました。
生意気すぎるツバサ、マイペースすぎるアルト、カッコかわいすぎるテルマが古びた価値観に甘くない自由な生き方から始める点は、原作もアニメも変わらないのではないでしょうか。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

「無理だ……アトムと、間接キスになる……」
ツバサの自分を曲げない性格がかえって敗因となってしまった今回。己に甘くなるのはこれから?


★感想:キスした目の奥、REAL?

今回の週替わりEDはUNICORN Jr.の新曲「REAL?」。歌詞と吐息が艶かしい、三人の大人っぽさ二割増しな一曲です。映像においても、クール前半を締めくくる第6話に相応しい、ぬるぬる動く丁寧で最高なライブでした。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第1話より】

舞台裏を駆け抜けるカットは第1話のMARGINAL#4のライブシーンのオマージュ。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

三人のダンス。正確なのはダンスが得意なアルトで、ツバサは腕の振りが若干ズレるが、全体的には完璧。タイミングのズレはテルマがわずかに目立つか(サビの本編映像をコマ送りで観るとわかりやすい)


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

テルマのスカートルックは原作から続く伝家の宝刀。ボトムスがここまで薄くタイトなのは原作アルバム『UNICORN Jr. THE BEST UNIMATE』の衣装以来。かわいい。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

ピュアで可憐で純情なテルマだが、色気もキスも堂々とやってみせる。テルマってそういう子。かわいい。



そんなわけで、『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話のあれこれでした。
ところで今週は第6話と脚本家の方が同じアニメをもうひとつ観たのですが、そちらでも勝つために結成したフレッシュユニットが主人公たちとライバるというよくわからないミラクルを叩き出しました。今週は個人的に激アツで激闘の週でした。

それでは。(第7話はこちら

ごきげんよう、柘榴です。

ある意味ではクール前半の山場?異質なものを抱えるルイの、小さな前進と馬鹿でかい美しさのお話。
そんなわけで、アニメ『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話「過去から妄想(もそ)るダークマター」の感想とゆるい考察、時々小ネタ紹介を書いていきます。前回の感想&考察はこちら
なお、今記事でいう「原作」は主にショートストーリーやドラマCD、公式Twitterなどを指しています。



★考察:ルイの過去とトモノリ君


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

今回のキーアイテムである、ペンギンのトモノリ君。飛べない鳥のペンギンは停滞・帰巣を表す過去の象徴です。今回はトモノリ君を「ルイの過去」のメタファーとして、トモノリ君に迫ることでルイの過去に触れていきました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

トモノリ君への「ひっそりと始まり、あまり人気も出ないままひっそりと終わった」という評価は、そのまま前ユニット時代のルイにも通じる、彼の過去の暗示。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

自身のトモノリ君を見せようとしないルイ。無意識的に自身の過去に触れられることを避けている。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

自室は心のメタファー。三人に心を開き、片隅に過去(トモノリ君)を残すルイの内心が暗示される。
ここで明かされた「ルイの過去」は、前ユニットの件と、姉についての二つ。原作のルイは姉や母との実家暮らしであったのに対し、アニメでは一人暮らしに変更されているが、これは姉との関わりを前ユニットの件と同じく「ルイの過去」にカテゴライズするため。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

一面に広がるトモノリ君は「無数に存在するルイの過去」の暗示。散乱した画は、ルイが独りで抱え込んでいた過去の発散も示している。
その中から、ルイに己の過去を選択させていく。ルイはそれを「大切なもの」と称して、姉との思い出が詰まったトモノリ君を文字通り抱えていった。

ルイのトモノリ君を介した四人の共感が指し示すことは、すなわち「ルイの過去の共有」です。ルイのユニットを巡る過去の重さをユニット全体で共有することで、実践的にも象徴的にも心の負担をシェア、ひいては心の壁を氷解させることが第5話の意図するところだったのではないでしょうか。
“藍羽”の姓とかけて飛べない鳥が象徴となったルイですが、その飛べない羽を四人で共有することで、ユニットとしての関係性を確かに築き始めていきました。


★演出:ルイと三人の関係性

「ルイの過去の共有」にあたっては、まずルイとの関係描写の積み重ねが基盤となります。そのため、今回は三人それぞれに、現時点でのルイとの関係性が顕著に表れたシークエンスが挿入されています。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

「やっぱ変だよ、このぬいぐるみ!」
「まあ、ルイくんはプライベートを大切にする性格だから」
エルはルイの視点に立てる存在。天才で弟キャラですぐ胸の内を隠すエルは、実はルイと似た者同士。ルイへの違和感を的確に突くのも、ルイの言動にフォローを入れるのもエルであった。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

似た者同士だからこそ、鏡のように対比の役割も担う。メンバーと親密な距離感を築くエルの姿は、メンバーと距離を置きたがるルイと対比する演出。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

「ぼくたち、四人でマジフォーなのに、ルイくんのこと、よく知らないよね。ルイくんの部屋、行ってみたいよ」
アールはルイを繋ぎ止める存在。「ルイの部屋に行きたい」は「ルイの心を知りたい」意思の暗示で、ルイへの願望をもっとも明確に口にしたのも彼。ルイとより親しくなろうと、ルイが独りで抱えるものの共有を図っていった。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

「だって、オレ様たち、仲間じゃねえか!」
アトムはルイとぶつかり合う存在。第1話からルイと向き合い、意見を戦わせようとし、その言葉がルイの心を動かしていく。とはいえルイのスイッチを入れるにはまだムラがあり、よく二人と照応されるキラとシャイのような、阿吽の吐息のバディになるのはもう少し先のこと?


★考察:アイドルと彼らの自室描写

第5話で四人が行った仕事は「アイドルのお部屋紹介」。自室はそれぞれの心のメタファーで、そこへ他者を招くことは、その相手に心を開いていることを意味します。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第1話より】

【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

第1話から描かれたアトムの自室。彼のオープンな性格を反映して、四人のたまり場になっている。
冷蔵庫の中身の写真を持ち出したのは、他者に自身の深い部分まで知ってほしい素直さの顕れ。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第3話より】

【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

第3話から公開されたエルの自室。アールに対しては常に心を開いていることが示唆される。
他方第5話では、四人の中で唯一、明らかにカメラ(他者)を意識した撮し方をしている。エルの本心を演技で隠す性格の顕れであり、彼がルイの自室の違和感を「撮影用のセット」と見なしたのも、彼自身がこのような性格のため。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

第5話でアニメ初公開のアールの自室。エルに比してカメラを意識しておらず、日常風景のひとコマのように撮されている。飾らないアールの人間性が出ている。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第2話より】

【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

第2話時点のルイの自室の暗さは、当時のルイの内面を示唆している。
第5話では灯がともり、そこへ三人を招き入れた。トモノリ君が置いてあることを確認されたのは、ルイが三人に過去を明かす意思があることの再確認。

ちなみに、四人の部屋や私服のデザインはすべてゲーム『MARGINAL#4 IDOL OF SUPERNOVA』準拠のものです。元々あったレイアウトにも関わらず、アニメではその時の演出にガチッとハマっているのが面白いですね。


★感想:ルイから創める単独メイン回

今回から始まったキャラ毎の単独メイン回。初回だけであって、担当キャラに一際スポットがあたる作劇は思わず「おっ」となることの連続でした。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

アールのルイ妄想の元ネタは江戸川乱歩の『人間椅子』。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

鉱物図鑑を熟読するルイ。鉱物好きはゲーム版のミニシナリオ以来の設定。ただし、ゲームから好きな鉱物が変更されている。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

MARGINAL#4初のソロ曲「Mr.StarrySky」。数学を好む一方で数々の別れと出会いを経験したルイらしく、数字(人数)を示唆する演出が印象的。人と人の出会いを表した指と指を合わせる振り付けは、OP映像でもルイが務めている。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

「Mr.StarrySky」の“藍羽”は蝶の羽を指す。飛べない鳥のペンギンが過去と帰巣の象徴ならば、自らの蛹を破って羽ばたく蝶は未来と前進の象徴。どちらも美しい藍の羽。



そんなわけで、『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話のあれこれでした。
来週はいよいよ第1話の感想記事から引っ張りに引っ張ったスーパーピュアピュア美少女自担のご登場です!先週爆ぜたばかりなのにまた爆ぜて参ります。

それでは。(第6話はこちら

ごきげんよう、柘榴です。

ついに藍羽ルイ以外のサムネイルの感想記事にありつけました。なんてったってラグポ回ですもの。
そんなわけで、アニメ『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話「オフから爆ぜるラグランジュ」の感想とゆるい考察、時々小ネタ紹介を書いていきます。前回の感想&考察はこちら
なお、今記事でいう「原作」は主にショートストーリーやドラマCD、公式Twitterなどを指しています。



★感想:緋室キラと牧島シャイの“今”


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

「“今”を楽しもうぜ?」
「──ああ、そうだな」

“今”を全力で生きる貴さを、楽曲を通じて謳うLAGRANGE POINT。彼らがメインを張る第4話のテーマも「今」だと考えます。特別な信頼関係で結ばれたキラとシャイが“今”を過ごしていく中には、二人の強い絆がこれでもかと詰まっていました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

「折角だから、遊びにいこうぜ!オマエはどこに行きたい?シャイ」
積極的に遊びの予定を提案しながらも、行き先についてはまずパートナーに要望を訊くキラ。彼の人間性が垣間見える。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

素っ気ない態度は揺るぎない信頼があってこそ。シャイもなんだかんだでキラとのオフを楽しんでいる。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

薔薇、とりわけ青い薔薇はLAGRANGE POINTの代表シングル『カタフトロフィ』にも採用された、キラとシャイの関係性を顕す意匠。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

LAGRANGE POINTの新曲「革命 XX」(読みは「レボリューション ダブルエックス」)。世界各国を映した背景は、二人がワールドツアーの思い出を共有している証。フランス・旗・夜明けなど「革命」らしいテイストも取り入れられている。

『革命 XX』は『カタフトロフィ』と同じくロミオとジュリエットがモチーフとのことで、いわば二人の原点回帰となっています(ちなみにその公表でシャイから「キラはロミオ、オレはジュリエット」という非常にパワーのある発言も爆誕しました)。このような一種のブラッシュアップも、二人の“今”をより顕著に感じられるシチュエーションと言えますね。


★演出:藍羽ルイの“本気”

第4話のもうひとつのテーマであり、MARGINAL#4サイドの課題としては「本気」が挙げられます。
アニメのルイも原作と同じ問題を抱えているならば、現時点のルイは過去のとある確執により“本気”を出せない状態となっているのですが、今回はきたるルイ回に向けた土台作りともとれる展開が描かれていきました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

「オレ様はいつだって本気だぜ?ルイは本気じゃねーのか?」
アトムの“本気”の言葉が、ルイの心に火をつける。着席は無関心・意見もないことの象徴で、起立は主張・対立など文字通り「受けて立つ」意思の象徴。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

アトムは下方の河川敷、ルイは空に目を向けることで目線の角度が互いを見た際と同様になり、互いが互いへ向き合っていることを演出している。二人の前で真っ赤に燃える夕陽は、火がついた二人の心の暗示。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

「アトム君が本気なので、つい僕も『本気で応えないと』って。おかしいですよね」
本気を出すことを忌諱しているルイは、“本気”の自分を「おかしい」と形容する。この後シャイにルイの“本気”を肯定させたのは、今後のルイにどう響く?


★こじつけ:藍羽ルイと野村エルの交差

ルイまわりの描写でもう一つ注目しておきたいのが、アニメでは初めてクローズアップされたエルとの関係描写です。こじつけた見方をすると、ルイが“本気”と向き合う過程から、ルイとエルの微妙な心境も見えてきます。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

各話の四人の関係性を示していると言える、屋上での配置。後の「焼肉派対クレープ派」の対立構造に照応させ、画面中央を境にアトム・アールとルイ・エルへ二分されるように映されている。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

「ルイ、くん……?」
「ッ、なんでも!……なんでも、ない、です」
二人の心境が如実に現れたシークエンス。表層的にはルイがアトムの想いを感じる「アトムへの感情」、エルがそんなルイの様子に対する「ルイへの感情」だが、内実はルイが自身の心の変容自体に驚く「ルイへの感情」、エルがその変容させた事象に戸惑う「アトムへの感情」でいる。二人の心のバランスが交差する瞬間。

今回でルイが三人全員と一通り関わりを持つようになりました。ルイの“本気”への感情を引き出し最後に肯定する役目はメンバーに委ねられているので、ルイと誰かの密接な関わりはなかんずく重要になっていきます。


★考察:二人の王子、独りの王子

さて、そんなキラ・シャイ・ルイの三人の王子様系アイドル。第1話ではキラとシャイがルイに一目置くことでルイの高い実力が示唆されましたが、今回の三人には対比の関係がはたらいています。すなわち「絶対的なパートナー関係にあるキラとシャイ」と「まだ集団での動きが不安定なルイ」の対比です。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

「“本気”には“本気”で応える」べく、主演というかたちで高校生活への“本気”を示すルイ。しかし依然としてソロプレイに走りがち(他者に協力を求めようとしない)で、常に二人で祭を楽しんだキラとシャイとは対照的に描かれる。
キラとシャイはそんなルイを、アイドルの先輩として、王子の先輩として、そしてパートナーを持つ者の先輩として導いていく。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

王子様ルックのルイを私服姿で制するキラ。たとえ着飾っていようと、独りの王子よりも二人の王子のほうが何枚も上手。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

「今しか経験できないことは必ずある。楽しめ、“今”を」
「俺たちも全力で楽しむから!」
これまで「格上」を示す描写を重ねてきたルイの、さらに上をいく存在として演出されるのは彼ら二人だけ。ルイにおいて「さらに上へいくには誰かと関係性を結ぶことが必要である」ことを示唆している。

従来はサブタイトル「●●から■■る▲▲」の「■■る」に関して直接的な描写があったことに比して、今回「オフから爆ぜるラグランジュ」の「爆ぜる」はかなり曖昧です。これについて、個人的解釈ですが、いわゆる「リア充爆発しろ」の文脈のそれである「キラとシャイの爆ぜそうなほど強固な関係性」を指しているのだと考えています。
ルイが自身の“本気”を出しても赦される場が“今”のMARGINAL#4であることに気付くまでの中途プロセスに、今回のキラとシャイの関係性の呈示は暗に影響をもたらすのではないでしょうか。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

キラとシャイの姿に、ルイはこの表情。二人の王子を見て何を思う。



そんなわけで、『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話のあれこれでした。
いよいよルイ単独メイン回が来週に迫ってきました。これまでかなりルイに焦点を当ててきましたが、果たしてこのブログの解釈と予想は何割方勘違いで終わるのか、それは来週までのお楽しみ(?)です。

それでは。(第5話はこちら