ツゲにツツジを接いだそれ -11ページ目

ツゲにツツジを接いだそれ

感想と解釈のブログ

ごきげんよう、柘榴です。

 

今年もリジェフェスこと『RejetFes.2018 -FOCUS-』に行って参りました。今年は一日目だけの参加となりましたが、その二公演だけでも思い出がいっぱいです。

ブログで言うのは始めてだと思うのですが(オンリーの告知ブログでバレバレなのは気のせいです)、この一年でディアヴォも本格的な履修を済ませたので個人的にフェスの期待値も倍増でした。まさかリジェフェス2016で「なんだこのクズ過ぎるとっしーキャラ……」と短絡的にドン引きしていた自分がこうなると誰が思ったか。いや前情報なし初見がモモチというのもなかなかに強烈な出会いだったのですが。

 

というわけで、以下からはリジェフェス2018一日目の二公演についてのメモなり感想なりを書いていこうと思います。

記憶が全体的にあやふや、アイドル現場界隈出身なのでノリがそっち寄り、キャラと演者が完全独立した謎の世界観で楽しんでいる性分(素でトッシーMCでシャイ様とモモチ共演とかヤベ~!とか言うタイプ)の人間が書いているので、多少変な言い回しや勘違いしていそうな点がありますがご容赦を。
誰の担当かは読んでいく中で察してください。

 

 

 

【オープニング】

★アンフィシアターの舞台に響く「りじぇじぇ!」

今年の会場はアンフィシアター。すっかりお馴染みとなった小野友樹さん・豊永利行さんのリジェフェスMCペアは、今年はなんとセリから上がってのご登場。

小野「みなさ~ん!りじぇじぇ!」

\りじぇじぇ~~~!!!/

小野「一階席……っぽいところの人ー!(※アンフィシアターの座席はすべて同じ階)りじぇじぇ!」

\りじぇじぇ~~~!!!/

小野「二階席っぽいところの、前のほうの人!りじぇじぇ!」

\りじぇじぇ~~~!!!/

小野「二階席っぽいところの後ろの人!りじぇじぇ!」

\りじぇじぇ~~~!!!/

豊永「なぜ(座席配置が)わかりづらい会場でそういうことやっちゃったのか」

とお馴染みの挨拶、そしてお二人の自己紹介も済ませたところで、

小野「それにしても、僕たちでリジェフェスのMCやるのも……二回目?三回目?」

\三回目~!/

小野「三回目ですって。早いですねー」

豊永「三回目ともなると、ついにセリから上がってくるっていう」

そんな小気味よいトークも聞いたところで、豊永さんの進行により他の出演者の方々も舞台上にご登場。フレッシュなスタレボ声優陣にまじって新人風に挨拶をする皆の大先輩緑川光さん(豊永さん曰く「新人言ってる割にトーク滅茶苦茶慣れてる」)、賑やかダンデビチームに加わろうとする鈴木裕斗さんとあまりの賑々しさに「お前もうマジフォー帰ってくんな笑」と茶化すマジフォーチーム、なんとマイクなしで挨拶を響き渡らせる増田俊樹さんなど、OPから非常に高い盛り上がりをみせました。

 

【朗読劇パート】

★ピタゴラスプロダクション(昼夜:桐原アトム、藍羽ルイ、野村アール、牧島シャイ、緋室キラ、滝丸アルト)

初日トップバッターはピタドル一同!舞台はピタゴラスプロダクションのカウントライブで、三月にプロダクションのフェスも控えた彼らの様子がMCを回します。

キラは「今年は『BigBang Fes』もあるからな。姫さんたちもついてこいよ?」

シャイ「そうだ。なら、『BigBang Fes.』でやりたいことはあるか?」

とキラの呼びかけやシャイの提案から、話題は三月のフェスのことに。するとアトムくんが即座に挙手をし、

アトム「はい、はい!ライブ実況とかどうだ?ライブにきてくれたスタクラが、オレ様たちのライブを見ながらリアルタイムで実況する感じの!」

ルイ「悪くはないと思いますが……それだと、(ジェスチャー交えて)お客さんがペンライトを振りながらスマフォを操作する異様な光景になりますよ?」

一方、キラが提案したものは、

キラ「きてくれた姫さん全員に、俺の手作りカレーを振る舞う!」

シャイ「キラ、キミは一体何を目指しているんだ」

お決まりのラグポ特有の距離感でシャイ様が嘆息。その後、MCの締めは三ユニットのコール&レスポンスを客席と行うことに。

アール「それじゃあ、みんな。いつもの掛け声、いくよ?」

アトム「おっしゃー!じゃあ、い──

アルト「すみません

と、突如アルトくんが挙手して話の出鼻を挫く。何かと思えば、

アルト「ユニコの掛け声の『ピュアな!』(※テルマ声真似)担当と『チェックメイト』(※ツバサ声真似)担当がいません」

アール「あ、確かに!」

ルイ「ツバサ君とテルマ君は、エル君のライブの手伝いをしていますからね」

シャイ「それなら、オレ達が協力しよう。マジフォーが『ピュアな』、アルトはいつも通り『あなたを』、そしてオレ達ラグポが『チェックメイト』を言う」

アルト「なるほど……ありがとうございます」

アール「それじゃあ、いくよ。」

アトム・ルイ・アール「ピュアな!」

アルト「あなたを」

キラ・シャイ「チェックメイト」

\\\めしあがれ~~~!!!///

シャイ「それじゃあ、次はオレ達の番だな──キラ」

キラ「ああ!姫さんたちも準備はいいか?──太陽から!」

シャイ「月まで」

キラ・シャイ「LOVE 2 YOU」

\\\いただきます!!!!///

アール「スタクラのみんな!いくよ?──MARGINAL#4!銀河の果てまでキス一丁──……!」

\\\喜んで!!!!///

と、最後は割れんばかりのコールと歓声の中で朗読劇のスタートを切っていきました。

ちなみに彼らの朗読劇パートの最後に流れていた曲は『奇跡の星座(sign)』です。iTunes他にて絶賛配信中なので気になった方はよろしくお願い致します(ダイレクトマーケティング)

 

★DIABOLIK LOVERS(昼夜:逆巻アヤト)

リジェフェス皆勤賞のアヤトは、この日の公演は単身でディアラバ朗読劇に参戦。正月の食事や行事にうんざりしていることをヒロインへこぼすシークエンスから始まります。

アヤト「だいたい今度は全員で凧揚げをやろう、ってさあ……タコは揚げるものじゃなくて、焼くものだろ!?」

と、日常会話パートは微笑ましく進行。恋愛パートが尖った作品でも、フェスならまずは楽しい空気から入るのは恒例なのか。

そんなこんなで、「たこ焼きの話してたら腹減ってきた。どっか外出て美味いモノでも食いに行こうぜ」と言うアヤトと止めるヒロイン。従わず有無も言わさないかと思いきや、アヤトはあっさり踵を返しました。なぜならそれは、

アヤト「美味いモノなら、ココにあるじゃねえか──ああ、オマエの血だよ。そう言えば正月明けてからまだ一度も吸ってやってなかったよな?オマエもそろそろ……オレに牙を立ててほしくて、うずうずしてるんじゃねえか?」

そう語りかけてきたアヤトに、客席からは歓喜の悲鳴が!今年の吸血吸愛も、赤いサイリウムを捧げる会場のユーザーたちへ彼らの気のゆくままにぶつけられました。

 

★ディア♥ヴォーカリスト(昼:レオード・モモチ、夜:〃・ジュダ)

昨年はパンダ社長のムチャブリによりバンドマン以外の職業を演じざるを得なかったヴォーカリストたち。今年は「CR特別企画・ナマで演じてヴォーカリスト」とレオ様が宣言してステージ開始。昼公演では「CR警察♡」とモモチがキュートに、夜公演は「CR警察・パート2」とジュダが気だるげに続いてタイトルコール。

レオ「今日はパンダのMBで、警察をするコトになった。オレはLUMIEREのVo.レオードだ。コードネームは“野良猫刑事(デカ)”──よろしく」

と、まずはレオ様がご発言。それに続いて、「ボクは、VeronicaのVo.のモモチですっ!」とモモチ。彼の甘い声で自己紹介をされれば、それだけで客席からは黄色い声が湧きたちます。しかしその後に続く、

モモ「コードネームは、“ガムテープ刑事”──ハ? ちょっと……ナニこの台本……ッ!?」

で黄色い声は爆笑に塗り替えられました。モモチの声もどんどん低くなり震えていく豊永さんの演技が余計に笑いを誘う。

それにしても何故ガムテープ?と思ったあなた、詳しくはモモチのCDを参照(ダイレクトマーケティング)↓

 

【©2015 Rejet】

 

閑話休題。そんなわけでモモチの自己紹介は、

モモ「えっと、じゃなくて……ファンサ刑事っ!(食い気味)です!今日はみんなのコト、タイホしちゃうぞ♡」

\キャ~~~~ッ!!!/

と軌道修正した後再び会場をメロメロにして着地。今回は台本に沿ってオーディエンスを盛り上げる段取りの模様。ところが、

レオ「ところで、今日楽屋でマジであった事件を聞いてくれ」

モモ「えっ、急にどうしたのレオくん」

レオ「オレが今朝、会場入りした時、オレ宛のケーキの箱が潰れてたんだ……。搬入の時は無事だった。スタッフが撮った証拠写真もある(スクリーンにスタッフ撮影のケーキの写真投影)。そして、オレが見つけた時のケーキが──コレだ(レオ撮影の写真投影)」

モモ「いやすっごいブレてるね!?」

レオ様の写真センスは相変わらずで、優しいミネットの頷きとそこはかとない笑いが入り混じる会場。とにかく箱もケーキも潰れてしまっていたのは確かなようで、

モモ「ねえレオくん。その箱って、何か特徴とかある?」

レオ「特徴?そうだな……コレくらいの箱(ジェスチャーで大きな箱のサイズを表現)に入ってて、ルミエ色のリボンがかかってたんだ」

モモ「ルミエ色って……ピンク、のコト?大きな箱で、ピンクの……あ」

レオ「! モモチ!ナニか気付いたコトがあるのか!?」

モモ「いや~なーんにも知らないな~!ただー……そんな大きな箱が細い通路に置いてあったら、誰だって通行の邪魔だと思うじゃないかってー」

ここですべてを察した会場は、最早笑って彼らを見るしかありませんでした。

夜公演はジュダも加えてCR警察・パート2!

ジュダ「篝火Vo.ジュダ。オレの曲聴け。じゃ☆」

けれどジュダは案の定マイペース。この時にジュダがTwitterでよく使用する手の絵文字よろしく、演じる斉藤壮馬さんも軽く片手を挙げながら朗読されていたのが印象的。こういうちょっとした演出も声優イベントならではか。

レオ「オイ、『じゃ☆』じゃないだろ……」

モモ「ジュダくんってば……。ちなみに、ジュダくんのコードネームは‟とちおとめ刑事”ですっ」

そんなモモチの軌道修正もはさみつつ、話題は昼夜公演間に発表されたCRの新展開の話にも。

ジュダ「おい。こんなトコにいるヒマあんなら、篝火ニューシングル、もう予約したんだろうな?」

\……!?/

\これからするよ~~~!!/

ジュダ「ハ?まだ予約してないとかなめてんの?ねーわ」

と、ここでも自由全開のジュダ大先生。この手の振る舞いは彼にとって通常運転、それは客席のディアヴォユーザーも知り尽くしているところ。しかし、この日の客席は焦りの声でレスポンスします。それもそのはずで、

レオ「おいジュダ。大体、まだ予約始まってないからな……」

モモ「あはは、ジュダくん……。みんな、予約は明日七日からですっ!」

と、まさかのジュダから客席へのムチャブリだったのでした。そんなジュダのペースに振り回されつつ、『客席を逮捕する』という段取りをさっさと済ませるべくジュダが早速お縄を頂戴。ヒュンッ、と文字通り縄で捕り物したようなSEの後、

ジュダ「そのままブタ箱行きたくなかったら、篝火の曲、ソッコーで予約しろ」

唯我独尊なジュダのカリスマ性に客席は大歓声で応じる。レオ様も同様にヒュンッ、とミネットを全員逮捕!同じく黄色い声援が会場を包んだ次は、

モモ「ボクもみんなのコト……タイホしちゃうぞ? えいっ!」

と、モモチがチャーミーにお縄を頂戴。

SE:キラキラキラ……(かわいい魔法少女的SE)

\キャ~~~♡/

SE:ドゴォォォォォォン……ッ(重厚な爆発SE)

\……!?(大爆笑)/

と、トリにして不意打ちで笑わせにかかってきました。

モモ「え、ナニコレ。ボクのだけ、音違わない……?」

ジュダ「ハ、全員やられたんじゃねーの? 笑う」

この部、ジュダとモモチのやり取りがいちいちよかったです。よくモモチ今回キレなかったなーとニマニマしながらサイリウム光らせてました。

また、ヴォーカリストとしての彼らを堪能した後は、場面も変わりカノジョに接するカレのパートへ。そこでそれぞれ、

レオ「ゴメン。折角オマエが手作りしてくれたケーキ、こんなに台無しにしちゃって……」

モモ「謝りに行く?なんでオレ以外の奴に会おうとするわけ?大体、すぐ転ぶのにそんな靴履いて……誰を助けたせいでオレが箱潰したと思ってるの?」

と、ケーキ事件の隠された真相も露になっていきました。

 

★スタレボ☆彡 88星座のアイドル革命(昼夜:鳳慧・久白純・狐塚鈴・雀千秋・英瑞樹・橋爪ルドルフ・獅童ハヤテ)

新人アイドルであるPURA.netとグロリアス両ユニットは、リジェフェスを見学しに会場へきたという設定での朗読劇。それぞれが舞台へ想いを馳せる中、スタレボメンバーは全員舞台上にいるのに更にこちらへ向かう足音が。現れたのは──ルイくん!?それに昼公演ではアールくん、夜公演はアルトくん!?

そんなわけで今年のピタドル特別出演枠はスタレボで。状況説明のために二ユニットの間に入ると、まずはルドルフことルディの顔を「どこかで会いませんでした?」と覗き込むのは声優ネタ的にお約束(※ルディの声優はピタドルにも出演する大河元気さん)。この時、恐らくアドリブ台詞でルイくんが「勘違いかな?」と一瞬敬語が外れていたのに高まりました。

ルイ「実は、出演する予定だったユニットが一組来られなくなって……急遽ステージに立てる人を探しているんです」

ハヤテ「それって、要は今この場ですぐに歌える奴が欲しいってことだろ?それなら俺達はどうだ?」

瑞樹「俺達、駆け出しのバンドやってるんです」

ルディ「歌のクオリティは……保証する」

グロリアスが名乗りを上げると、PURA.netも俺達も歌えます!と台頭、からのわちゃわちゃと言い合いに発展するスタレボ勢。そこで文字通り手を打ったのはアールくんまたはアルトくん。ユニット同士対決をして勝ったほうを空枠で出演させることになり、対決方法は……

アールorアルト「かくれんぼで決めよう!/決めましょう」

という流れで、突然のかくれんぼ対決。ここで鬼と応援役以外のスタレボチームが全員客降り!そこなのですが、いや具体的に書くとDVD映像から顔バレするので曖昧に書きますが、自 分 の 目 の 前 に 橋 爪 ル ド ル フ 。

マジです。というのも、カメラマンのふりをして隠れようとしたルディは、隠れ場所として自分の席のすぐ近くにあったカメラに張り付いていました。警戒するように、舞台上と台本を交互に見比べるルディを一分以上見た結果、「橋爪ルドルフって実在するんだ……」以外の感情を失いました。皆さん、台本と舞台上を交互に確認する橋爪ルドルフは現実です。お納めください。現場からは以上です。

 

★Corpse†Heart(昼夜:ヴァレリー・クー・アロン)

復活祭(=リジェフェス)に赴いたアロンは誰かを探して舞台上へ。どうやら復活祭を共に回るためヒロインを探しているよう。

アロン「この中に妹がいるはずだけど……どこかな~?」

\\\ここだよ~~~~!!!!///

アロン「うーん、なんだかたくさん妹がいた気がするな~笑」

と、小粋なレスポンスで客席を笑わせつつ進行。そこへヴァレリーとクーも合流し、三人でヒロインを探すことに。大広間に出てヒロインの心臓の音は感じ取ったものの、復活祭の賑わいでは心臓の音だけで居場所を特定するのも難しい。そこで「これの出番だ!」とアロンが取り出したものは──ペンライトでした。

アロン「これも魔術のひとつだ。これを掲げると……相手に間接的に感情を伝えられ、なんだか楽しい気分になっていくんだ!」

クー「ナニソレ」

ヴァレリー「アハハハッ!なにコレ、楽しい~~~~ッ!(マイクから離れまくる+勢いで捌けかける)」

クー「もうやだ。誰か助けてくださーい」

クーも匙を投げてきた頃、「二人の分もあるぞ」とアロンから手渡されたのは、ヴァレリーはピンクの、クーは紫のペンライト。ん?二人のキャラカラーってそれだっけ?と思いつつ劇を見ていくと、

アロン「これから俺達が出す問題に、答だと思う色を振ってくれ。では──『お前の兄の名前は何だ?』一番、『アロン』だと思う人は緑を振ってくれ」

ヴァレリー「二番~!二番は~……『レオード』?あははははレオードって誰~~~~~ッ!」

クー「三番は『モモチ』……誰だよ、モモチって……。モモチって桃なの?餅なの?ていうか、世界観くらい統一してよ……」

まさかの声優ネタをぶっこんきました(※ヴァレリーとレオードは増田さん、クーとモモチは豊永さんが共通で担当)。いやピンクと紫ってそういう意味か!正しく答えられた人はまさしくアロンたちが探しているその人、という算段だったようですが、いざ回答時間に入ると、

アロン「(それなりにあるピンクと紫の光を見て)誰だ他の色振ってるのーーーッ!」

とリジェフェスの自由過ぎる空気にハチャメチャな復活祭となっていきました。

 

★Danae with Devils(昼:南那城メィジ・ジェキ、夜:〃・鉤貫レム・立華リンド)

OPで賑やかな空気を存分に見せたダンデビチームは、朗読劇でも大盛り上がり!

昼公演は堂々とした態度でヒロインに接するメィジに「そんなんだから」とジェキ様が駄目出し。話題が転がった末、なぜか乙女向けキャラの傾向についての話に発展。演じている鈴木裕斗さん自身が乙女向け作品ユーザーなのを踏まえると説得力も倍増でした。

ジェキ「今は、かわいいアイドルの子たちが狙い目ね。特に──名字が『野村』っ!(※ここだけ野村アールボイス)だと完璧ね」

というちゃっかり声優ネタから、

ジェキ「特に最近の乙女向け作品で一番許せないのは――攻略できないイケメンのサブキャラクター!!」

\\\わかる~~~~!!!!///

これが朗読劇中ジェキ様が自ら仰った「だからダンデビのパートはギャグだって言われるのよ!」の一因です。

夜公演はメインヒーロー二人も加え、大喜利形式でコメントすることに。この手のイベントだとレム様はどうもぶっ飛んだキャラクターになるようで、

リンド「お前はどうしてイベントだとキャラが崩壊するんだ!“闇さえひれ伏す The prince of despair”なお前はどこに行ったんだ!」

レム「そんなもの、アニメ第二話でしいたけ嫌いが知られてからなくなった!」

と、あまりに堂々と客席に向かい言い切りました。

ジェキ「しいたけがなんだって言うのよ。私なんて、第一話から『ブラ仮面』って呼ばれてるわよ!」

リンド「俺だって、『お兄ちゃんソーセージ』『玄関に聖水』──挙げるとキリがないぞ!」

メィジ「お前たち……なんだか、大変なんだな」

今年もダンデビの朗読劇は色々と全力でした。

 

★新撰組暁風録 勿忘草(昼夜:斎藤一・山南敬助)

昼夜共に朗読劇パートのトリ。パラレル設定での朗読劇は今年も同様で、この日の公演ではホストに扮した斉藤さんと山南さんの掛け合いが繰り広げられます。

山南「ここでは時間がないので数点しか紹介できないが……、今日の当店限定グッズを今から紹介しよう」

というわけで突然始まったコーナーこそ『ワスレナショッピング』。Rejetで緑川さんがグッズ紹介をするのはインターネット生放送等では恒例なのですが、誰が山南さんの状態で実行すると思ったか。

山南「まず紹介するのはこれだ。『DIABOLIK LOVERS ビッグ缶バッジ』――」

斎藤「こんな奴らが描かれた缶バッジなど、本当に売れるのですか……?」

山南(CV:緑川光)「ああ、それは俺も思っていた――しかし!俺はこの赤髪の男(スクリーンに映されるアヤト)が気になって仕方ないんだ!」

しかも声優ネタもしっかり組み込む突き抜けっぷり。それは斉藤さんも同様で、

斎藤「私が紹介するのは、この『ピタゴラスプロダクション キラキラアクリルストラップ』です。初めて聞いたのですが、売れるのでしょうか?しかし……」

と進められながら、スクリーンには件のピタドルグッズがずらり。けれどそこには一人、CV:高橋直純の彼が足りない……まさか……

斎藤(CV:高橋直純)「なかでも──(スクリーンが藍羽ルイのみの画像に切り換わり)私はどうも、このクールな面立ちで青い髪の少年が気になって仕方ないのです!」

案の定の天丼でした。そして、

山南(CV:緑川光)「なんとこちら、4個入り一セットでお値段2000円!──せーのっ!」

\え!?適正価格~~~~!!!!/

一部ではお決まりの決まり文句も経てワスレナショッピング終了。このくだり、まさかの夜公演でも採用されており、

斎藤「私から紹介するのは『ピタゴラスプロダクション お年玉缶バッジ』。彼らはピタゴラスプロダクションに所属するアイドルグループで――」

山南「おい。昼までは存在も知らなかったのに、随分と詳しくなっているじゃないか」

斎藤「はい。私も不思議なのですが、どうも青い髪の彼が気になって仕方がなく、入店の合間に調べました!」

と、天丼に天丼を重ねる斎藤さん。藍羽ルイのことを滅茶苦茶調べる斎藤一ってどういう概念だ……。

山南「次に紹介するのは『ディア♥ヴォーカリスト アクリルフィギュアスタンド』だ。彼らはクライマックスレコードという事務所に所属するバンドマンだが、全員がクズらしい」

斎藤「全員がクズ……?そんなクズバンドマンのグッズが、本当に売れるのでしょうか……?」

山南「ああ、それは俺も思っていた。しかしどうも、気になって仕方ないんだ!」

今回もパターンに入ったものの、しかし今度は声優ネタにはならない。ディアヴォには高橋さんも緑川さんも出ていないし、キャラクターデザインだって新選組とバンドじゃ全然……キャラクターデザイン……

斎藤(原画:スオウ)「だが、何故かシンパシーを感じる!」

山南(原画:スオウ)「ああ、まるで同じ手から生み出されたように──!」

なるほどそうくるか(※ディアヴォのキャラデザ・原画も勿忘草と同じくスオウ先生)。初めは頭にハテナなざわめきが立った客席も、この瞬間にまた笑ってしまう。清々しいまでにメタ要素満載の掛け合いで、朗読劇パートは締め括られました。

 

【バラエティーコーナー】

★世界にFOCUS!世界の遊び対決

声優陣がキャラでなく本人として登場するチーム対決。今年はイベントテーマ“FOCUS”にちなんで、世界各国の遊びに焦点を当ててみるとのこと。この日は「水と木と土」というイギリスの遊びをリジェフェス用にアレンジした連想ゲームに挑戦。

スクリーンにランダム表示されるお題から咄嗟に連想をする瞬発力を競うこのゲームでは、沢城千春さんがお題「12星座」や「12ヶ月の英語」をわかっていないことが発覚。獲得ポイントはさておき、その上で会場を楽しく盛り上げていたので客席としては無問題!

また、夜公演ではチームの人数を均すために進行の豊永さんも大河さんのいるチームに参加。ゲーム後に元いた席へチームが戻った際、ちゃっかりひとつ一緒の椅子に座る豊永さんと大河さん。ラグランジュポイントさあ!!

小野さんにも「二人はまたいちゃいちゃして~!」と言われていました。ラグランジュポイントさあ!!!!

 

 

というわけで、ライブパートはすべて後編記事でがっつり書いていきます。というか文字数オーバーで投稿できませんでした。

後編記事へ続く→

ごきげんよう、柘榴です。

先週よりアイドルステージシリーズ第四弾『アンプラネット』より『アンプラネット―ボクの名は―』の公演が始まりました。
自分も早速、9日金曜ソワレと10日土曜マチネ、14日マチネへ足を運んできましたが、いやはや、楽しさもここまできたか!というくらい本当に楽しいです。
18日日曜まで公演中で、DVD発売も決定されております。詳しくは公式ブログや公演ページを随時参照。

『CHaCK-UP』アイドルステージによる性規範の攪乱~ミミタという攪乱者に至るまで~
以前『E.T.L extra~Volume上げてRising★ハイ!スペーストリップに出発だ!~』の際も書きましたが、アイドルステージシリーズはユニットリーダーに恋する茅嶋暁の描写やクィアなパフォーマンスを採用する水星人★ミミタのライブ演出など、セクシュアリティやジェンダーに関して非常に独特かつフラットな描かれ方が実践されています。
そんな中、今作ではついに「ポミィの身体に女性の別人格が!」という明示的なクィア要素が銘打たれており、今日日観劇しても、それに関して非常にアイドルステージらしい扱い方をしていると感じました。
そこで、今記事では(でも?)性転換・性別越境・異性装などの文脈から、アイドルステージの当公演に迫っていきたいと思います。全体的に感想と推論の多い記事なので、こんなビジューもいるんだな程度に読んでいただければ幸いです。
ネタバレばかりですがあくまでジェンダー考的視点からのみの注目なため、ストーリーやライブについて詳細には書きません。「どういう展開でそうなった!?」と思った方はぜひ劇場へ足を運んでみてくださいませ。

なお、今記事では劇中の衣装について多く触れるので、予め公式レポート記事やゲネプロ動画をご覧になっておくとわかりやすいかと思います(ネタバレ注意)↓
これは完全に沼案件! ミュージカライブ『アンプラネット―ボクの名は―』ゲネプロレポート
ミュージカライブ『アンプラネット―ボクの名は―』ゲネプロレポート
ミュージカライブ『アンプラネット―ボクの名は―』開幕!!
ミュージカライブ『アンプラネット―ボクの名は―』公演レポート&コメントが到着!
【オフィシャルレポート】ミュージカライブ『アンプラネット―ボクの名は―』


【公式ゲネプロ動画】


それらを踏まえて、今作『アンプラネット―ボクの名は―』の公式あらすじがこちら。

【 あらすじ 】
闇の便利屋 ポミィへの新しい依頼は、宝石をあるところへ届けるというもの。
道中、宝石の美しさに惹かれ、戯れに身につけてみたポミィ。
途端に意識が遠ざかり・・・目を覚ますと、別の人格になってしまっていた!
「わたしのカラダが、オトコのコになってる!?」

そんなポミィを狙う4人の影と、
再び立ちはだかる、小さすぎるハットをかぶるあのオトコ―――

それぞれの目的とは?
宝石の真の力とは?
ポミィは元の人格を取り戻すことができるのか!?

準惑星アイドル アンプラネットが舞台に挑戦!
―――欲しいものは、ヒトツだけ―――
(『アンプラネット―ボクの名は―』公演ページより)


……とはありますが、まず大前提として、ポミィは驚いていません
あらすじで驚いている人が実際の公演では驚かせる側、というのはアイドルステージではよくあることです。気にしてはいけません。テンパるアマミヤなんていなかった。
それでは本公演はどのような内容で、ポミィや周囲の人々はどのような反応を示していたのでしょうか。

本作品『アンプラネット―ボクの名は―』は、他人の身体に自身の意識を入り込ませる特性(いわゆる憑依能力)を持つエリィ、セシィ、マーニィの三人が、散り散りになった姉・ポムリアの意識を探して「銀河アイドル選手権」の会場までたどり着いたところから物語が始まります。
姉の意識を探知していく中、銀河アイドル選手権のステージ上から「ポムリア」という聞きなれたワードが三人の耳に入ります。振り返ると、三人と同じ特性を持つポムリアが既に他人の身体に憑依して、その身体でラブリーなアイドル衣装を纏い大会に出場していたのです。
それを見たエリィが、驚きを隠せない表情で一言。

「おい……アレ、男だろ!?男の身体だろ!?」

そう、ポムリアが憑依した相手は闇の便利屋を謳う青年・ポミィだったのです。それで舞台に上がる様を見た三人は全員あんぐりとしますし、エリィに至っては「姉さんが男だなんて、オレ絶対イヤだからな!」と断固拒否という風でした。
ところが、そんなエリィのシークエンスより先を観ていくと、三人が示した現在のポムリアへの否定的感情を、エリィの「姉さんが男だなんて」以外の視点からも解釈できるようになります。
まず、マーニィはエリィ同様「姉さんがアイドル……しかも男だよ?」と現在ポムリアが“男の姉さん”であることに触れますが、発言の文法上では彼における主題は「ポムリアがアイドルをすること」であり、身体が男性であることはオマケ程度に過ぎません。
その上、セシィについては姉が身体的に男性になっていること自体には、最早殊更に触れません。彼は「女の姉さんが男に憑依するのは魂への負担が大きい」という理由からポムリアを心配していました。これは観客に向けた「なぜ三人があそこまで焦っていたか」についての合理的な理由づけを果たしているとも言えます。
つまり、三人はポムリアの「“男の姉さん”が魂に負担をかけてアイドルをする」ことへ一様に驚いたり否定したりしたように見えますが、その内実は「“男の姉さん”が嫌なエリィ」「アイドルをしていることに頭を抱えるマーニィ」「ポムリアの負担を心配するセシィ」と、まったくの三者三様なのです。(若干蛇足すると、シリーズ全体を通してポミィ/ポムリアに対してもっとも強いアプローチをするセシィはあくまで特性上の負担に触れるのみで“男の姉さん”であることには言及しない、この辺りの描写のバランスもアイドルステージの手腕だと言えますね)
このように、ポムリアに対する反応を一元化せず様々な理由を呈示することで、必ずしもどれもが「男の身体だからイヤ」と捉えれるような描き方は巧妙に避けられていきました。
さて、そんな周囲とりわけセシィが心配をしていく中、当のポムリアはどう出たかというと、

「セシィ、ウザい」

と、一蹴なのでした。
つまるところ、いくらセシィが気にかけようと、エリィが嫌がろうと、マーニィが頭を抱えようと、当の本人は「手頃な身体が近くにあったら、入ってみるものでしょ?」とむしろノリノリだったのです。
周囲がどう見なそうが最後に決めるのは自分で、本人の自己選択・自己決定でアイドルをしている――自分の在りようを形成している一連のシークエンスは、ポミィ/ポムリアの性転換・性別越境要素の取り入れ方としても、シリーズテーマであるアイドルの在りようとしても評価されるべき演出だと考えます。
前公演まで「アイドルをすること」はあくまで目的を果たす手段に過ぎなかった『アンプラネット』シリーズ。だからこそ、自発的・主体的に「アイドルをすること」を選択し、溢れる自己肯定感からステージに立つポムリアの姿は、アイドルステージユーザーの心にはより響くものがあるでしょう。

ここまでくると「じゃあ勝手に憑依されて勝手にフリフリ衣装にされたポミィの気持ちはどうなるんだ?」と更に突っ込んだ疑問も憶えるユーザーもいるかと思いますが、そこはアイドルステージ、抜かりはありません。
物語の途中でポムリアの衣装の状態でポミィの意識が覚醒するシークエンスがあります。が、目覚めたポミィはポムリアの衣装に特に驚いたり嫌がったりすることもなく、そのステージを以前より憧れていたダンサーの夢を叶える場として、そのままパフォーマンスを楽しみます。
ポムリアもポミィも、各々の状態・状況から自己肯定と自己プロデュースにより「アイドルをすること」を選んでいます。あらすじにはインパクト重視ゆえかポミィ/ポムリアが驚く文言が載りましたが、内実はもとより自身は驚くまでもない、そのアイドル自身が納得できるかたちでのアイドル像を実現していました。
先輩アイドルのCHaCK-UPが“宇宙人アイドル”を全員ポジティブに全うしているように、アイドルステージでは、驚くような自分自身が想定外・受容し難い姿で「アイドルをすること」はまずないのです。


次に、今回ポミィ/ポムリアのパートナー的存在を務めた掃除屋ヴィーについてです。
掃除屋ヴィーを演じるCHaCK-UPの金星人★ヴィーは普段はファンへ笑顔を振りまく愛らしいアイドルですが、劇中劇では冷酷かつハードボイルドな人物像でいます。衣装も、劇中劇系統での前作『CHaCK-UP-Episode.0-』ではいかにも暗殺者といった風のダークなものでした。一方、今作ではひょんなことから「銀河アイドル選手権」にポムリアとデュオユニットを組んで出場することになります。

よって、こうなりました(リンク先画像ネタバレ)

リボン・レース・フリル・スカートルック・ホットパンツにニーハイソックスといわゆる女性ジェンダー記号を過剰演出した、土星人もびっくりのこの衣装。なんとこれでほぼ全編を過ごしました。
ヴィーのこの姿について、ポムリアは「初めは嫌がってたくせに」と発言しますが、本編ではその過程は一切カットされています。どころか、劇中歌で「なんだか楽しいこの選手権」とヴィーが歌うように、演出は徹頭徹尾ヴィー本人が自らアイドル衣装に袖を通すことが主軸となっています。そして、劇中人物は(大会やポムリアのことがあってそれどころではないにせよ)ヴィーの在りようについてはまったく言及していませんでした。
更に面白いことに、公演初週では驚くような黄色い声が飛び交っていた客席までも、二週目(一昨日)の公演ではいい意味で必要以上の歓声がなく当たり前に観劇するようになっていました。すなわち、ヴィーの恰好はすぐにサプライズではなく「まあヴィーちゃんだから、今日もカワイイね」くらいの感覚による普遍的なものと化したのだと捉えられるのではないでしょうか。
ヴィーはポムリアに比して、金星人★ヴィー/美野アカネとして登場してきたこれまでのアイドルステージにおける描写の積み重ねも含め、本編の恰好やライブ演出において女性ジェンダー記号や女性ジェンダーパターンを付与されることに対して誰も否定や過度な言及をしません。
このような「ヴィーへ殊更に言及しない」を一貫するその姿勢は、時に作品外の現実世界の人間が持つヴィーへの認識をも少なからず揺さぶるものがあり、それはフィクションを越えてリアルにも影響を与える効力であると考えられます。


なお、これらのヴィーの衣装と描写をより掘り下げるにあたって、一度マーニィの衣装にも触れていきます。
今回のヴィーの劇中衣装は、ある意味ではマーニィの劇中衣装と対比関係であると考えます。
マーニィはモチーフがイースターエッグなためか、今作ではトップスにはパフスリーブをはじめとするたまごの丸みのようにふんわりとしたシルエットが採用され、飾りたまごの模様を思わせる裾のギザギザ、イースターバニーに似たウサミミ風ヘアバンドなど、大変かわいらしいコーデになっていました。しかも劇中唯一の半袖ハーフパンツ。かわいい。
この劇中劇マーニィの姿、ただかわいいだけでなく、「かわいい」を追求するために非常に秀逸な衣装になっていると考えられます。
生で皆と動いている姿を見てより実感できるのですが、先に挙げた要素ひとつひとつの愛らしさはもちろん、盛られた髪やゆったりとしたシルエットが頭身を数値上よりも低く見せており、同時に成人男性(1)特有の骨張った骨格も十分にカバーしていたと言えるでしょう。
すなわち、今回マーニィが体現しているものは「少年性」であると考えられ、それは同じく「かわいい」黄色担当アイドルでありながらリボンやレースなどを纏ったヴィーが、一方で「少女性」を体現していることを意味します。


以上のようにヴィーとマーニィの衣装を比較すると、同じ黄色担当の「かわいい」アイドルでありながら、前者には「少女性」、後者は「少年性」へ差異化・細分化されていったことが読み取れますが、ここで重要なのは、ヴィーの「少女性」はあくまで女性ジェンダー記号の集合体というだけであって、シリーズでは決して「異性装」とは定義していないスタンスです。
今作『アンプラネット―ボクの名は―』のファンコミュニティ内のネタバレ感想で「ヴィーが女装!」という速報を見かけ、私事ですが自分もそれを見て「マジかよ!」と当時所持していた分よりも早い公演のチケットを増やしたものですが、シリーズにおいてはどう描かれているのでしょうか。それを読み解くにあたっては、ふたつの点がポイントとなります。 ひとつ目は、何をもって「異性装」と見ているかという点です。


【美野アカネの制服(0:33~、0:44~頃)】


【美野アカネの私服(0:22~、1:57~頃)】

金星人★ヴィーの地球人の姿である美野アカネは、高校生時代の制服(2)や現在の私服にスカートルックが採用されました。今作ではもっと踏み込んで、前述の通り女性ジェンダー記号の強化された衣装となっています。
その一方、これらの恰好はユーザーからは「女装」やそれに類する表現を受けることが時折ありながら、公式サイドからは今作衣装を含め「女装」と定義されることも、また「男装」と定義されることもありませんでした。

ふたつ目は、そもそもヴィーの性別設定が不安定な点です。
ヴィーが本格登場した最初の公演『CHaCK-UP』では、美野アカネを見た際に「女?」「いや、男でしょ」という会話が発生したり、前述のあらすじでも掃除屋ヴィーは「オトコ」と称されているため、便宜上ヴィーは「“男性アイドルユニット”の“男性アイドル”」なのでしょう。ですが、実はこのことに関して、明確性はほとんどありません。
今作『アンプラネット-ボクの名は-』でも、大会で他のユニットが「男性四人組」などと紹介されたことに比して、ヴィーとポムリアのデュオユニットは「闇の世界より現れた天使」と性別的言及は避けられています。
また、掃除屋ヴィーは劇中でポムリアに思慕を寄せているのですが、それすらもポミィの身体・二人ともトランスジェンダルなアイドル衣装の状態で展開されており、二人が「異性愛なのかそれ以外なのか」を巧みに攪乱するような関係描写となっていました。

これらを踏まえて、結局ヴィーの性別設定って公式としてはどうなっていて、どういう服装定義になっているの?という問題ですが、あくまで推論の粋を出ないものの、それは公式サイドの立場にいらっしゃる“お友達”の俳優集団CUF(3)やアンプラネット調査倶楽部(4)の方々の言動からある程度予想することができます。

素直に考えて、実はあまり深く設定されていないのでは?

CUFやアンプラネット調査倶楽部の方々は、場合によっては俳優本人名義でアイドルステージの派生イベントを盛り上げる役割を果たすことがあります。
そんな公式イベントの場でジョークか本気か「ヴィーちゃんってメスなの?」という発言が当たり前のように出たり(本当に出ました)、儚げな演技をするポミィに対しても「女の子だと思ってた」「どっちも」と解釈されていたり(本当に仰っていました)、しかもその発言を聞いた際も「いや男だから!」といった類のツッコミは誰も入れません。「まあそういうことがあってもアリだね」くらいの感覚でさらりと発言されるのです。
アイドルたちへもっとも直接的にかかわる立場である“お友達”が臆面もなくそのような発言をするということは、公式サイドで性別設定そこまで明確に位置づけられていない、あるいは設定が強固であってもアイドルたちのプロデュースに深くかかわる“お友達”が過度に固執せず柔軟に受け取っていると考えられるのではないでしょうか。

このように、アイドルステージのヴィーにまつわる描写はあえて「異性装か否か」を明確にしないことで「異性装」ととってもよいしとらなくてもよい(「女装」「男装」と定義することは別に否定される概念ではありません)環境をユーザーへ呈示し、一応設定されている性別設定でさえフレキシブルな解釈が許されるようになっています。このシリーズ全体に流れるジェンダーに関しての大らかさが、今作のポムリアの憑依描写や衣装演出の実現へも連なっていったのではないでしょうか。
ヴィーはファンやCUFの間では「ヴィーちゃん」と呼ばれて親しまれ、『アンプラネット―ボクの名は―』ではその呼称が逆輸入のようなかたちで公式でも採用されました。
自己選択したアイドル衣装を貫き通すポムリア然り、「ヴィーちゃん」という愛称と共に(衣装どころか宇宙人か地球人かの曖昧さも包括して)どんなスタイルでも承認され続けるヴィー然り、アイドル自身がそのアイドル姿を楽しむ、コメディでありながらいわゆる「自身の衣装や姿かたちを嫌がるギャグ描写」は徹底的に挿入しないアイドルステージは、まさにあまねくアイドル像を肯定していると捉えられます。

「アイドルはみんなの憧れ 憧れられたら嬉しい」
(『アンプラネット―ボクの名は―』劇中歌より)


『アンプラネット-ボクの名は-』劇中でポミィ/ポムリアは、マーニィは、ヴィーはこう謳います。アイドルステージは観客のみならず、アイドル本人もその姿を憧れられて嬉しくなることを約束された、それぞれのアイドル像を無条件で承認していく世界観なのでしょう。
今作も明後日にはいよいよ千秋楽となります。最後まで「キラキラ女子」の二人を目に焼き付けて、ヴィーちゃんたちと魅惑のランデヴーに洒落こみたいと思います。

それでは。



(1)マーニィが地球でいうと何歳くらいなのかは不明ですが、マーニィにそっくりな俳優の松田将希さんが成人男性なことを考慮して、成人男性と同等の体格であると仮定しています。
(2)美野アカネは芸能学校のSOJ学院出身。制服をそれぞれ自由にアレンジできる校風がある。
(3)CHaCK-UP Friends。CHaCK-UPにそっくりな“お友達”の俳優七名で構成された、CHaCK-UPの公式サポーターみたいなものです。
(4)アンプラネットにそっくりな俳優で構成された、アンプラネットの様子を伝える公式調査団みたいなものです。

ごきげんよう、柘榴です。

小雪ちらつく季節も気が付けば春を呼び、1クールアニメも放送枠をバトンタッチし終えた頃でしょうか。
1月から放送開始されたアニメ『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』も先日、最終回を迎えました。
そんなわけで、遅ればせながらこのブログでも全話完走したまとめとして、最後に全体を通しての感想等をゆるゆる書いていこうと思います。
なお、今記事でいう「原作」は主にショートストーリーやドラマCD、公式Twitterなどを指しています。

各話の感想&考察記事はこちら↓
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第1話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第2話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第3話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第7話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第8話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第9話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第10話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第11話 感想&考察もどき
『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第12話(最終話)感想&考察もどき




【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』公式サイトより】

さて、この『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』。事前に「高校生活描写メインのコメディ路線」なことが告知されており、実際オンエアされた本編もそれに違わないものでした。
アイドル四人がそれぞれの主体性と関係性を基盤としながら、彼らの日常をじっくりと描き、劇的な展開や感情の爆発よりもゆったりとした心情の変化を主とすることで作風に統一感を持たせた、要所に丁寧さが光る作品だったと言えるでしょう。

最大の特徴はなんといっても、「原作とはまったく違うプロセスから同じ結末を迎える展開」と「描写の一貫性」にあります。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

もっとも顕著なのは、MARGINAL#4のひとりである藍羽ルイについてです。
このブログでも「とりわけ潤沢な設定を持つルイの描き方を見れば全体像が見えるだろう」と思いルイに注目して感想を書いてきました(感想記事のサムネイルの三分の二がルイなのはそのためです)が、その予想は的中したと言えるでしょう。

ルイはユニットに関する確執・それの発端となる過去を抱えており、どの作品においても物語初期はメンバーとの交流に消極的……という、コメディ作品にしてはやや重たい設定を有しています。
この設定に対して、原作では「メンバーとの不干渉をアトムに指摘されたことがルイの逆鱗に触れ」「ルイがアトムへ感情を爆発させ」「それがきっかけで四人に過去を明かすことに繋がる」という流れが基本フォーマットとなっており、従来のメディアミックスでもそれが踏襲されてきました。
対して、アニメ第5話ではルイの過去について「詳しい過去は伏せた状態」「かつルイも終始諦念ぎみであり」「それでもメンバーたちは『四人でMARGINAL#4』だとルイを受け容れる」という、原作に比して隠匿性の高い、劇的な情報開示のない状態での過去の氷解となりました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第9話より】

そして第9話。この回はユニットリーダー・野村アールの担当回でありながら、ルイの過去がついに詳細に語られました。
しかし、ルイはそこでも感情を爆発させることなく、その回ではアールのリーダーとして努力する姿から、ルイが自ら「過去の影響によるユニット不信を解く」という自己浄化を図っていったのです。

このように、アニメは従来とはまったく別の視点から問題解決を行っており、そこにはルイの怒りやアトムとルイのぶつかり合いなど、従来まで存在したわかりやすく派手な記号は一切排除されています
これにより、たとえ重い設定やシリアスシーンでも、本作の骨子であるなだらかなコメディ調とのテンポの一貫性を持たせていました。ゆえに、視覚的には決して派手でないながら得も言われぬ納得感を憶える、十分な説得力がそこにあったのです。
ルイの描写と同じ構造として、第7話(エルとアールが心のすれ違いを起こす回)でも決してエルとアールが大喧嘩することはなく、あくまでゆったりと、二人が自身の気持ちに向き合う作劇が展開されました。

安易な激昂や喧嘩を避け、じっくりと腰を据えてキャラクター自身と視聴者がそのキャラクターの心情を感じ取れる作劇にすることで、キャラクターに奥行きを出しながらコメディとシリアスを高いバランスで成り立たせていたと言えるでしょう。


続いて、我らがメインヒーロー・桐原アトムにおいてはやはり、昨今のアイドルアニメの主人公格にはお決まりの「胃痛展開」を描かれなかった点が特筆的です。
本作は事前に発表されたED発売タイトルの順番から担当回の順番を予測できたので、アトムのソロ曲『魂のノンストップラヴァー』とMARGINAL#4のいかにもシリアスなタイトル『絆-KIZUNA-』が第10話・第11話のEDにあたることは、オンエア以前から容易に想像できました。
自分の観測範囲でも「10話11話でアトム胃痛展開なんだろう」という見解が多く見られたものです。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第10話より】

だが第10話はうどん回だ!!!!

いくらコメディ作品とはいえ、仮にもメインヒーローの担当回を丸々ギャグ回にするのは非常に大胆です。
アトムの担当回は第2話パンツが紛失する回)、第8話ドラマ回)、第10話うどんを作る回)ととにかくギャグやイレギュラーばかり。これが意味するところはすなわち、「アトムはシリアスパートの効果をまったく受けなかった」ということです。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第11話より】

第11話感想記事でも述べましたが、シリアス回には何らかの「心の成長」と呼ばれる心的変化が訪れます。本作では、上述のルイにまつわる演出がまさにそれです。
一方で、アトムはその「心の成長」を受けずに件の第11話まできたので、結果として、同話でもアトムは「自分一人で決め、自分一人で行動し、それが仲間との絆を深める結果を生む」といった初期とまったく変わらない動きをしました。これもまた、本作における一貫性の表出です。


ルイやアトムのように原作とは角度を変えた作劇もあれば、他方で、原作のキャラクター設定をストレートに、かつ上手に活用した描写も多数見受けられます。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第10話より】

たとえばLAGRANGE POINTの緋室キラは、原作公式サイトではそのまま“馬鹿”と紹介されるような少々抜けた面を持つのですが、アニメでは“馬鹿”キャラ要素は鳴りを潜め、パートナーの牧島シャイと共に一貫して“よき先輩役”を務めていました。
「一クールでアイドル九人を十分に描く」という制約がある中、シャイとの強い信頼関係・後輩への兄貴気質・トップアイドルの風格の三本柱に絞ってキラを描ききる造形は、キラのキャラクターを散らかすことのなかった巧妙な選択でしょう。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

UNICORN Jr.のライブシーンでは、滝丸アルトのダンスに秀でた設定を生かすためか、カメラワークが比較的アルト優先の傾向にありました。
今までは文字通りの意味でキャラクターが動くメディアミックス作品がなかったため、アルトのダンス設定は実質上形骸化していましたが、ついに名実共にアルトの才能が開花されたことになります。
心なしか身長も本編より高めに描かれており、とにかく「アルトのダンスを格好よく魅せよう」という気概がビシバシ伝わってきました。これもまた、原作設定のリスペクトの一例と言えます。


『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』は原作の設定をアニメならではのものとして仕上げながらも、本質的には原作設定を歪曲せずにキャラクターや作中世界を描いてみせました。アイドル達の描写ひとつひとつにしっかりと向き合った、とても愛に溢れた作品であったと言えるでしょう。


★「アトム&ルイ」「エル&アール」だけじゃない!複層的関係性の展開

『MARGINAL#4』シリーズにはMARGINAL#4内でのデュエット曲も存在し、アニメ発の新曲からもわかるように、桐原アトムと藍羽ルイ・野村エルと野村アールの組み合わせが基本形態となっています。
アニメ本編でも、アトムとルイのバディ的演出やペア担当回の人選から、同上の組み合わせがメインであることは言うまでもありません。
アニメではそこから更に一歩踏み込んで、他の関係描写も積極的に挿入する試みが見られました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第2話より】

特に藍羽ルイ野村アールの描写は印象的です。心優しくリーダーの資質も備えたアールは、個人主義で孤立しがちなルイに対して初期からすすんで関わっていきました(詳しくは第9話感想記事参照


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第4話より】

初めはアールの意思を拒むことがあったルイも、次第にアールのことを承認していくようになります

それらを経ての第7話。この回では、弟のエルとの関係がうまくいかないアールが、ひょんなことからルイと行動を共にします。そのきっかけが、


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第7話より】

それじゃあ、アール君。僕のほうを手伝ってもらえませんか?
こうなんですよ!ここまでくるんですよ!あのルイが!!
このように、それまではアールがルイを気にかける一方通行だったのが、ルイのほうも積極的にアールへ関わる相互的な関係性へと発展していったのです。ルイとアールの関係描写は、それまでの回で積み重ねてきた分だけの関係性の進展が如実に反映されていく、非常に緻密で鮮やかなつくりとなっていました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第9話より】

【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第11話より】

その後も二人の友情は更に深まり、前述通り第9話(アール担当回)ではルイの重要なシークエンスも挿入され、クール後半の山場である第11話ではルイの異変にアールがいち早く察知し心を痛めるなど、ますますのパートナーぶりを発揮していきました。
「ルイ&アール」の関係描写は、ある意味このアニメを象徴しているとさえ言えるのではないでしょうか。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第5話より】

もうひとつのペアである桐原アトム野村エルですが、二人のフランクな気質がうまく合致してか、彼らは物語開始時点で既に良好な関係性を築いており、揃って豊かな喜怒哀楽を顕す様は作品のコメディテイストに一役買ったものです。
元々仲が良かっただけにルイとアールに比して「これ!」というシークエンスはなかったのですが、その恒常的な仲の良さを、不安を煽る演出として見事に転換したのが第11話です。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第11話より】

第11話は「アトムがハリウッドデビューし、ユニットがバラバラになってしまうのでは」という問題を主軸にした回なのですが、この回のエルの表情の曇りっぷりがえげつないんですよ
初めは聞き間違いだと軽いノリで否定していたエルが、次第に諦めがちな言葉を呟き、じわじわと表情が曇っていく一連の流れは、まさに彼らの日常に根付いた信頼関係を最大限まで逆手にとった演出だと言えます。

アイドルコンテンツに限らず、あまねく作品において固定的なペア分けはキャラクター描写の定石と言えます。そこをあえて一通りのペア一辺倒で終わらせず複層的な関係性へと発展させたことは、『MARGINAL#4』の「誰かと歌って輝きを増す」という基本理念にも通じることでしょう。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第1話より】

思えば、OPのこのカットが既に伏線でしたね……。


★異性愛描写を撤廃した意図とは?

『MARGINAL#4』シリーズの原作はRejet。女性主人公の視点からの恋愛(主に異性愛)を楽しむ、いわゆる「乙女向け作品」の制作会社です。『MARGINAL#4』も例に漏れず乙女向け作品のひとつであり、アイドル達は時にファンに、時にユーザーの視点を担うヒロインに対して恋愛やそれに準ずる行為をします

ところがどっこい。アニメ『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』では、ヒロインとの恋愛描写が一片たりとも存在しません


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第12話より】

シリーズのヒロイン・片岡ユエマネージャー。アニメではこんな風に、顔は映さない程度で登場します。

なぜ従来の作品のように、または他の乙女向けアニメのように、ヒロインとの恋愛を視野に入れなかったのか。それは、アイドル達の関係描写と関連していると考えます。
上述通り、本作はアイドル同士の深い関係性に重点を置いている傾向にあります。それを徹底するために、思い切ってヒロインに関する描写は挿入しなかったのではないでしょうか。
よって、本作で恋愛(異性愛)描写を排除した意図は、アイドル同士の複層的で親密な関係性を十全に描写するための、ひとつの取捨選択であると考えます。


★マジフォーはジェンダーを越える

『MARGINAL#4』の特色を語るにあたって、やはり個性豊かなステージ衣装は外せません。
最後に、アニメでの新衣装、およびそれに連なる描写をいくつか注目していきましょう。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/Rejet2017/TVアニメ『MARGINAL#4』公式Twitterより】

アニメ新衣装第一号の『WeMe!!!!』の野村エル(画像右から二番目)は、公式サイトでも衣装デザインのキリシマソウ先生が語るように、トップスが擬似的にワンピーススカートのような構造になっています。
昨今のアイドルコンテンツではスカートを穿く男性アイドルも珍しくありません。エルにおいて重要なのは、エルは普段はスカートを穿くようなキャラクターではなく、作中ではスカートルックについてまったく言及をされていない点です。
つまり、エルは何の説明もなしにスカートルックでいるのです。
エルはこの衣装を、あまつさえ主題歌のCDジャケットやキービジュアルなど大々的な広告でも、堂々と披露しています。従来ならば異性装にカテゴライズされ、「女装キャラ」などの特別な措置がない限り何らかの説明を要した「男性のスカートルック」を当たり前に着こなす姿勢は、『MARGINAL#4』の自由でジェンダーニュートラルなファッションを確かに象徴しています。



【©Rejet/MARGINAL#4 FC/Rejet2017/TVアニメ『MARGINAL#4』公式Twitterより】

これをもう一歩進めた存在が、第1話で初登場、第4話から本格参戦したLAGRANGE POINTの牧島シャイ(画像左)にあたります。彼はいかにも優男風な正統派王子様ながら、低い歌声にストイックな性格を併せ持つ、軟派さと硬派さが複雑に混在したキャラクターだと言えます。
そんなシャイは、第4話ED『革命(Revolution)XX』公開後、公式Twitterでこのような発言をしました。

今回の「革命(Revolution)XX」はロミオとジュリエットがテーマになっているんだ
曲もそうだが、歌詞にも注目して欲しいな
あと、衣装の方だが、こちらもキラはロミオ、
オレはジュリエットの要素が若干入っている

曲はMUSICページ、衣装はFANCLUBページで見られるよ

>>> キラはロミオ、オレはジュリエット <<<

あまりのパワフルな発言に、当時のラグポファンには少なからず衝撃が走りました。
後日発表されたDVD第2巻の特典イラストにおいても「キラはロミオでシャイはジュリエット」のモチーフが採用されており、アニメやその関連商品では、シャイのジュリエット見立ては確固たるものと言えます。

しかしながら、ここでジュリエット扱いを受けたからといって、シャイが“お姫様扱い”されることは作品内外共に決してなく、また、“正統派王子様”の称号を剥奪されるようなこともありません。
シャイはジュリエットに見立てられながらも王子様然とした振る舞いをし、周囲もそれを“お姫様”ではなく、あくまで“王子様”の言動として支持していきます。
いわば『MARGINAL#4』において“ジュリエット”と“王子様”は共存できる概念であり、“正統派王子様”が「ジュリエットな王子様」でも何も問題ないのです。


そして、シャイの革新的なパフォーマンスから二週間が経った第6話、ついにスカートルックの代名詞とも言える“あの子”の担当回を迎えました。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

第6話では、なんとアトムにラブスキャンダル!視聴者とメンバーの誰もが「相手の女の子は誰だ」と詮索する中、早々に相手が発覚します。その相手とは……


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

後輩アイドルの仲真テルマちゃん!
はい。ご覧の通りこのテルマちゃん、滅茶苦茶かわいいんですよ。


【©2015 Rejet/『MARGINAL#4 』公式サイトより】

滅茶苦茶かわいいんですよ。

そんなかわいいかわいい「男性アイドル」のテルマちゃん。実は、公式メディアでここまで明示的に「かわいいテルマが女の子と認識されるネタ」を取り扱うのは初めてのことです。
予告画像の時点でユーザーから「相手の女の子、テルマでは?」と囁かれていただけに視聴前は色々とかなり心配だったのですが、そこは『MARGINAL#4』、抜かりのない展開がなされていきました。

第6話では、アトムがスキャンダルされたことやその相手が見知った後輩であったことにメンバー達は驚きますが、相手が「男性アイドル」であったことに対して驚いているようには描かれてません
そして、MARGINAL#4が実際にテルマと対面し、ルイが一言。


【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第6話より】

テルマ君だったらスキャンダルではありませんね
これでテルマの「女の子と認識されるネタ」は終わり。物語は桐原アトムと新堂ツバサの勝負へ移行し、このシークエンス以降「性別ネタ」とされるテルマの性別に関する言及は一切ないのです。また、テルマ本人も一貫して自身の性別的言及はせず、女の子だと認識されたことに対して特に否定もしないスタンスとなっていました。

要するに、第6話では騒動の一因でもあったため取り上げられただけで、作中において「男性アイドル」をやっているテルマが「女の子と認識される」ことそう認識される為人であること自体については割とどうでもいいんですよ

その第6話でも、リアクションを向けるのはあくまで「アトムのスキャンダルの相手がテルマだった」という件に関してのみでテルマの容姿や言動自体に何か言うわけでもなく、新堂ツバサがテルマにスキャンダルへの落ち度を指摘する時でさえ「(男女恋愛だとスキャンダルされるような)女の子っぽいことが悪い」などと責め立てることはまったくありません
唯一、アトムとテルマのスキャンダルを否定する根拠のひとつとして「テルマは男子だから」という論法が用いられたのは異性愛主義に帰結されかねない側面も持っていて気になりましたが、これが二義的な理由とされている点を十分に留意し、テルマの「性別ネタ」に深入りすることなく素早く済ますための選択と捉えるべきでしょう。

異性愛作品原作という「性別」が少なからず関わってくるコンテンツであるにも関わらず、テルマのようなトランスジェンダルな為人においても「性別」をさして前景化しない『MARGINAL#4』シリーズは、男性アイドルアニメ・乙女向けコンテンツにおけるトランスジェンダー描写の最先端なのではないでしょうか。



©Rejet/MARGINAL#4 FC/Rejet2017/TVアニメ『MARGINAL#4』公式Twitterより

さて、かわいいビジュアルをそのまま鏡にしたかのように、かわいいものが大好きなテルマ。衣装も当然ながらスカートルックです。むしろ2017年4月現在のCDジャケット衣装全8着中6着がスカートルックです。エルやシャイとは違い、テルマの衣装の場合はスカートルックのほうがデフォルトで、パンツルックのほうが珍しいくらいなのです。
もちろん、原作・アニメ共にスカートルックについて言及を受ける場面はありませんし、アニメ新衣装でもまず徹底的なスカートルックの採用をした点については、テルマの人物像に対して極めて誠実であると言えます。

 

【©Rejet/MARGINAL#4 FC/『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』第11話より】

衣装以外においては、第11話にて“男子制服”姿のテルマがシリーズ初公開となりました。
当時の感想記事でも述べましたが、佐倉智美先生曰く「その根底にまずジェンダーを位置づける強力な文化的装置」たる学校の制服姿のテルマを描くにあたって、本作ではテルマのボトムスを極限まで画面に映さずネクタイはリボンアレンジにすることで、制服の「ジェンダーを位置づける」部分を巧みに隠蔽・攪乱していきました
このパフォーマティヴな“男子制服”描写もまた、本作の新衣装を語る上でのひとつのポイントでしょう。


アイドルアニメ戦国時代と呼ばれる中で意欲的に新たな試みや画期的な演出を取り入れつつ、あまねくアイドル一人ひとりの為人や関係性を尊重に尊重した『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』は、まさに『MARGINAL#4』らしく革命を巻き起こさんとする素敵な作品でした。



そんなわけで、アニメ『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』の全体通してのあれこれでした。
辺境のブログにも関わらず、今まで感想を読んでくださった方々、本当にありがとうございます。お陰様で無事完走するに至りました。
これからもマジフォーシリーズやRejet作品、他コンテンツですが舞台作品について細々と書いていきますので、よろしければ今後ともご愛読していただけると幸いです。

それでは。