Dear島﨑信長さん:人生の最推しがCV.島﨑信長で本当に救われた | ツゲにツツジを接いだそれ

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ごきげんよう、柘榴です。

本日12月6日は、声優の島﨑信長さんのお誕生日です。おめでとうございます!!!!!

島﨑さんといえば数々のタイトルに出演し活躍なさってる方ですが、当ブログ的には言わずもがな『ディア❤ヴォーカリスト』のヨシュアの担当声優さんです。
先日は同作の初生放送にも出演され、自分は今もアーカイブで繰り返し視聴しています。





これ以上の前置きはしません。この生放送の島﨑さんがあまりにも最高だったという話を今からします。折角のお誕生日なので。

※いつも当ブログにお越しの方はまた同じこと書いてるよと思われそうな記事です。これが自分の人生のサビなのでそういうものだと割り切ってください。



■最高ポイント①そもそも演技のリアリティが凄すぎる

念のため『ディア❤ヴォーカリスト』をご存知ない方へ説明しておくと、本作はヴォーカリストの活動と楽曲、その裏の問題や苦悩を描いたシリーズです。
島﨑さんが声をあてるヨシュアは上記放送で説明された通り、自分を追い詰めやすい性格からある習癖を抱えています。その習癖の演技が島﨑さん滅茶苦茶うますぎる。

演技分野素人の自分が何を根拠に「うまい」と判断しているかというと、自分も同じ習癖を抱えた経験のある人間の一人だという部分です。演技については素人でも習癖についてはプロというかもろに当事者だった自分から聴いて、島﨑さんによる該当シーンが心当たりしかなかった。
そのように、そもそもヨシュアの習癖は現実にもままあるもので、かといって従来のフィクション作品では少なからずスティグマがまとわりついていたものです。このため、同習癖にフィクション内でぶつかる度(しかも大抵極端に異常性や恐怖の演出として使われていて)かなり精神的に削られてきたのですが、島﨑さんの演技はその前例を覆してきました。

島﨑さんが演じているヨシュアは、習癖の衝動が起きた際もフィクション作品の(主に異常性や恐怖を強調する)演出としてわかりやすく暴れ叫ぶのではなく、現実的な範疇で絞り出すような声の荒らげ方をする。やることをやっている最中の苦しみとやった直後の一時的な安寧を得た息遣い、衝動に屈してやらかした後の虚脱感まで異様なリアリティで伝わり、初見時はヨシュアの苦悩に寄り添い半分「ヨシュア、私だった…………」半分に聴いてしまうくらい衝撃でした。
それほどまでに、島﨑さんによる特定の習癖の演技があまりにも頭抜けて「うまい」んですよ。演技のプロだから当然の領域をブチ抜いてうますぎる……。

『ディア❤ヴォーカリスト』シリーズは音声作品のため、習癖のシーンを構成するものはBGMとSE、そして島﨑さんの演技しか存在しません。そのような演技が大部分を担う中で予想だにしなかったリアリティを突き付けられたら、こっちはもう最高になるしかない。
フィクション作品における記号化や盛り上がりとして、現実のアクション以上に衝動の声を“盛る”演技プランもあるいは選択できたかもしれません。しかし、“盛る”行為はすなわち“スティグマ強化”にもつながっていくため、それを選ばずきわめて現実味を帯びた声をヨシュアに吹き込んでいった島﨑さんの演技で、自分は視聴時に当事者として物凄く気持ちが救われていきました。


(なお、どのくらい救われまくったかは下記記事を参照してください。ただしブログタイトルからネタバレしているので注意)
『ディア♥ヴォーカリスト』のヨシュアに救われること
『ディア♥ヴォーカリストXtreme ヨシュア』に救われること
『ディア♥ヴォーカリストEvolve』のヨシュアの新曲が私信だった
『ディア♥ヴォーカリストEvolve ヨシュア』に救われること


■最高ポイント②習癖を生放送で説明する際の配慮が神懸ってる

さて、ここまでヨシュアの習癖についてばかり書いていますが、ところが『ディア❤ヴォーカリスト』は基本的に「ヴォーカリストとオーディエンス」というスタンスを表向きにしているため、悩み抱えるプライベートな部分に関する一切は、公式サイトやTwitter、そして動画サイトではほぼ明かされません。

そんな中、上記放送で島﨑さんがヨシュアを紹介する際「精神的にヨシュアは不安定で」とガッツリ触れてきた瞬間、緊張が走りました。
いやだって……ヨシュアの精神的課題について作品本編以外でここまで明言されたの、シリーズ史上初めてだったんですよ……それが担当声優の口からって、これ以上緊張感のあるシチュエーションがあってたまるか。
それから自分は一気に全身から汗を吹き出し、意を決し続けて島﨑さんによるヨシュア評を聴きました。



…………。(生放送18:51経過)



…………。(生放送20:30経過)



ハ~~~~~~~人格者……?????



何がすごいってこの放送、習癖の名称が一度も出なかったんですよ。
割と近い言い方はされたり一瞬(ヒント:アーカイブ内19:27)だけ伝わる人には一発で伝わるジェスチャーをなさってるものの、島﨑さんがはっきり名称を放送中に口にすることは回避しているんですよ。
先に述べた通り、ヨシュアが持つ習癖は大っぴらに出すにはスティグマが残り続けている。しかも、たとえ聞き手に先入観がなくても、今回の生放送という場で角の立たない最善の対応をするには緊張感が高すぎる。そんな状態で習癖を明示されたら、どういう反応が返ってくるかは想像に難くありません。

そんな中で島﨑さんは「ヨシュアは一人で抱え込む」というファクターやそこからの救済の過程は紹介しつつも、習癖に明示的説明を与えることはされなかった。人格者か????????

もちろん、紹介の大部分は台本によるところが大きいとは思いますし、一番いいのは明言を回避するより、風邪や擦り傷などと同レベルで明かしても同レベルのフラットな目線で対応されることなのはわかっています。ですが、現状で現代社会がそのレベルではないからこそ、生放送内のヨシュアの紹介における配慮は神懸っていると感じてなりません。

正直、生放送開始前は万が一習癖のこと触れてきたら緊張感ありすぎてこっちが耐えられねえ~~~聞きたくねえ~~~と身勝手な思いを募らせていたのですが、いざ直面すれば今回の島﨑さんによる説明で先に述べた圧倒的な演技にも納得がいって聞けてよかったです。

あとこれは完全な蛇足ですが、島﨑さんがヨシュアの習癖について語っている際、似たような行為を作中でしたことのあるキャラ担当の木村良平さんは爆速で相槌連打している一方でそんな習癖とは無縁のキャラ担当の増田俊樹さんは大分説明がされてからようやくボソッと「なるほど」と呟かれた反応の違い、“顧客が求めていたもの”の具現化すぎてサイコーなんですよね……。


■最高ポイント③クリエイター側のモラルが高すぎる

そんな風に、自分が習癖の当事者ながら同習癖のコンテンツ化を行っている『ディア❤ヴォーカリスト』シリーズを愛好できているのは、ひとえに島﨑さんのお陰、ひいては島﨑さんのような方が制作側に回っている安心感に他なりません。

昨今は、女性向け商品会社なのに女性を馬鹿にしたようなマーケティングを打ち出したり児童向け商品会社なのに児童を模した人形で児童への犯罪をネタ化する公式SNS投稿があったりと、とにかくメイン消費者や現実に存在する商品の題材を虐げるニュースが絶え間なく飛び込んでくるような世の中です。
だからこそ、現実でも起こり得る問題や精神的に不安定な性質、センシティブな属性をメインキャラクターで取り扱う際、最大限に配慮をしバランスを調整している『ディア❤ヴォーカリスト』は本当に響いてくるし、響かせ続けてくる声優さん方が該当キャラクターに対し高すぎるモラルを発揮なさってくれるのは際限なく信頼しかない。

今回の生放送はあらすじとキャラクター紹介から入ったように、かなり初見ユーザー向けの作りでもあることが窺えます。そこで習癖のことをぼかさず明言していたら、あるいは強いインパクトを与えられたかもしれません。ですが、前述したような現代社会で明言することに対するリスクがある手前、明言しなかったことがサイコーなのです。
他にも、島﨑さんが放送中実際に仰った「僕はヨシュアほどは病“め”ない」と、発言としては想定し得た「僕はヨシュアほどは病“ま”ない」では、一文字違うで受け取れる意味合いが変わりますよね。そういった細やかな点でユーザーの信頼をガンガン勝ち取っては強固にしてくるんですよ、このシリーズの制作陣。

作品内のキャストトークパート(=生放送とは異なりある程度閉じた空間の媒体)では島﨑さんもヨシュアの習癖の名称を明言されたことがあるため、この辺りのバランスは制作側の意図されたものだと、自分は捉えています。
これからもヨシュアの習癖について作中で焦点が当たった際、こちらは変に身構えずに聴いていいんだなと思えるのは本当に嬉しいです。


■最後に

最後にという堅苦しい項目にしてみたものの、言いたいことはあとひとつです。

歌、うますぎない????????



もちろん歌に関しても素人なので同習癖当事者としての観点になってしまいますが、ヨシュアの為人をあの高解像度で解釈して演技する方によるヨシュアの歌声だと思うと……うますぎるんですよね……すべてが……。
各通販サイトやサブスクリプションで「ヨシュア 島﨑信長」あるいは「ヨシュア 島崎信長」で検索すれば各曲ヒットすると思うので聴いてください(最後の最後でダイマ)



今回の記事は以上です。
ともすれば他人の人格を消費した見ようによってはアレな記事なので、未来の自分がこれはどうなんだと思ったら下げます。
とにもかくにも、島﨑信長さんが文字通り人生の最推しに声をあててくれて本当によかったです。

改めて、島﨑信長さんお誕生日おめでとうございます!!!!!




今度生まれて初めて声優さんにファンレター送ろうと思います。


それでは。