これまでの話、Battle Day0-Day135 のあらすじは、以下のリンクをご覧ください、
登場人物は右サイドに紹介があります、
Day136-あらすじ
父は再び脳出血を起こしており、ICU入院となった。コオは、莉子は当てにならない、と見切りをつけ、病院のケースワーカーと、コオは話をし、自分を連絡先の一つに入れてもらった。
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コオはこの時点で、精神的にほぼ限界になっていた。
家族旅行から返った次の日、莉子と決裂してからのこの2ヶ月弱の間にコオは、動き続けた。あの日莉子に投げつけられた言葉は、莉子の背後に母がいて母とともに莉子がコオを罵っているように感じられた。それを、消してしまいたかったのだ、と今は思う。
お姉ちゃんは勝手!お母さんのお金使っていいよね!介護の覚悟のない人に関わってなんてほしくない!お姉ちゃんが人とうまくやっていけないの、わかるわ、ほんとに!!
違う。違う。違う。
違う。違う。違う。
父のために動き、頼まれたものを買い、ケアプログラムをケアマネージャー立石と相談し、自分は表に出ずに、主治医を決めるための調査をし、検査のための手はずを整え…
友達が、たくさん教えてくれた、色んなことを、事情を話したら個人的な資料まで見せてくれて・・・訪問看護の病院も・・・
お姉ちゃんが人とうまくやっていけないの、わかるわ、ほんとに!!
なのに。
ずっと頑張ってきた、と思っていたのに。
私は一人だ。
苦しんでいる私を、遼吾はずっと放置してる。
、助けて、と言っても、救われることはない、と一刀両断された。
夫は、私の味方ではない。誕生日も一人ぼっちだった。
健弥も、私の子供なのに。
いくら、父のために動いても、父は「心配なのは莉子ちゃんだけだ」という。
だったら。私は何をやっているのだろう。
お姉ちゃんが人とうまくやっていけないの、わかるわ、ほんとに!!
夫と名前のついた人と、我が子と名前のついた子供はいても
いや、同じ部屋にいるのに、信じられないくらい遠い。
苦しいと言っても、助けて、そばにいて、と手を伸ばしても。
繰り返し繰り返しこうして放置される。
それは、砂漠の中で幻のオアシスを見せられるように残酷だ。
お姉ちゃんが人とうまくやっていけないの、わかるわ、ほんとに!!
莉子の言葉がこだまする。それは、母の声とだぶる。母が死んでからも莉子だけの味方なのだ。そして私は一人だ。同じ部屋に、遼吾がいても、健弥がいても、彼らは他人よりもとおい。
「部屋を…借りて。そうしてくれなかったら一生恨む。私は…もう、あなたとここで一緒に暮らすのは無理。健弥は…ついてきてくれるなら一緒に来てほしい。」
コオはいった。