迷い猫 幸せになって良かった
その猫との出会いは突然でした。猫だまりに餌やりに行った時の事です。私たちよりも先行していた餌やりさんに、猫だまりで追いつきました。すると見慣れない猫をモフっています。近づいた私たちに「今、出て来た猫だけど、飼われていたんじゃないかなぁ」と言うのです。
すごく人懐っこく、私たちもすぐに触れました。確かに、撫でられるのに慣れています。野良猫でいきなりこんなに懐く猫はまずいません。
しかし、長毛の毛は全く手入れがされておらず、毛は絡まっています。すると「指先に鳥もちみたいな物が付いている」と言うのです。
何かは分かりませんが、確かに何かがこびりついていました。
とりあえず、名前を付けなくてはいけません。「何がいいだろう」と聞かれ、”降りて来た”名前が、キジロン(仮)でした。特徴ある長い毛と毛色をもじった名前です。ボランティア仲間で、「それいいね」と即決定。
しばらく餌やりをしたのち、保護をして病院で初期治療を行いました。
その際にマイクロチップが入っているのが確認されました。
データを読み取り登録者に連絡すると、飼う気があるのか、ないのかはっきり分かりません。
飼い主の家を訪ねると、家の雰囲気、飼い主の態度からネグレストである事が判明しました。法律上は動物は拾得物扱いです、所有者不明で一定期間が過ぎるか、飼い主が所有権放棄(正しい表現かは分かりませんが)をすれば、法的に引き取る権利があります。
ボランティアとして「飼い主に戻してはいけない案件」という判断をし、所有者である飼い主との交渉に入りました。ところが、電話連絡をしても繋がらなかったり、家を訪ねても意志がはっきりしなかったり、到底飼い主がまともになるとは思えなかったそうです。それでも、あと2匹猫がいたそうです。
交渉の末、法的手続きによってキジロンを引き取る事が出来ました。
とりあえずはひと段落。
その後、キジロンは夢の階段を上っていったのです。
内容は”その2”に続きます。