今年度、人事異動に伴い俺の周りでも様々な人の動きがあった。
各営業所の地区代表者会議を総括する立場にあった同期のエースは昇格異動してさらに遠くへ行った。
そして今週今年度の初回の会合があった。
「ショウちゃん、久しぶり」
会社関係で俺のことを下の名前で呼ぶのは、苦楽を共にした同期の同じグループのメンバーしかいない。
採用当時、親しくしていたKちゃんだった。
同期のエースの後任者の総括役として着任したとのこと。
何百人、数千人といるのによりによってまた同期のしかも今度は友人が俺たちの地区の総括担当者になるとは…
何という運命なのだろう。
「ショウちゃん、俺慣れてなくて分からないことばっかりだからよろしくね」
まだお互いに20代だった若手の頃とまるっきり変わらない穏やかな話し方だった。
「Kちゃん、ずいぶん出世したじゃ~ん」
少し茶化して返事したけどこれが正解だったのかは分からない。
前任者のエース同様、Kちゃんも昔から人柄もとても良く、思いやりもあり、優しい話し方はまるで夫カンタロウを彷彿とさせるものだった。
同期が上役になったり部下になったりすることはサラリーマンの宿命。
遠い昔、同時によーいドンと走り出したのに気付くと遥か後ろに取り残されていた。
他人と比べても仕方ない。
頭では分かっていても心がぐらぐら揺れ動くのは止められない。
今まで無意識に自分で認めないようにしてたけど、これが嫉妬心だとはっきり自覚した。
Kちゃんも違う営業所で散々苦労して、努力して乗り越えてきたに違いない。
直属の上司になったわけではないけど、同期の友人という立場ではなくなったので節度ある態度で接していこうと決めた。
就任の挨拶でKちゃんは礼儀正しく挨拶し、
「我が子も大学生と高校生になりました。休日は野球に夢中になっている息子たちのサポートを頑張っています。最近は自分では野球をやる体力はすっかりないのでもっぱら息子たちの応援とプロ野球の観戦です」
と自己紹介をしていた。
その内容に心から驚いた。俺が知っている若者だったKちゃんではなく、1人の夫、父親、そして管理職を担っている立派な男になっていた。
完敗だと思った。
カンちゃんに話すようなことではない。慰めてもらいたいわけでない。
サラリーマン生活は続いていく。
あぁ苦しいなと思う。でも頑張るしかない。
俺のゴールはカンちゃんとの楽しい老後を迎えることだ
前回のブログでプチ昇格に伴うベアの話をさせてもらった。
正直に言う。
支給額は19000円増えていた。税金など引かれて手取りは17000円増だった。
少しだけど実家の両親に毎月渡す額を増やせそうだ。それは良かったなと嬉しく思っている。
よし、頑張ろう❗️