”ここから出して”と 小さな叫びが
一番近いところに響いてる
声を拾えるのは私だけだと
わかってるでしょう?


見渡してみれば知らない顔だらけ
目眩がするほどの圧倒的なスピードで
あらわれる きえていく 繰り返す
笑ってる 泣いてる わからない


私はどこにいるの?


”ここを開けて” 懇願の叫びが
鎖の音でかき消されてしまうの
本当は出してあげたいと祈るの
羽ばたいていって


このまま何もせず時間が過ぎたなら
苦しさも楽しさもちょうどこのくらいだろう
さざ波に揺られて流れてく
いままでも ずっと これからも


私はどこに行くの?


”飛んでみたい”と 叫んでる小鳥の
その足に付いた枷の重さ
鉛のようにも羽根のようにも
感じられるの


溢れた不安の波の中
必死でその声を聴いている


もっと叫んで


ずっと心に住み着いた小鳥は
外に出たいと扉を叩いてる
一縷の望み 一筋の期待と
無限大の不安を連れて
西の空白んで 明星がひとつ
静かに現れて 夜を連れてくる

頬が切れるほどの 氷の風の中
自転車めいっぱい漕いで 景色と涙捨てた

愛した人はいたけど 愛した街なんてない
何処にだって空がある 生きていけるはず


東の空白んで 明星がひとつ
静かに現れて 朝を告げている

瞳が眩むほどの 陽の光の中
掌に力込めて 景色を掴みにいった

愛した人に出会えたのは この街があったから
この空が繋がってても 生きてなどいけない


人は人を愛してる そして街に息を込める
街に人がいて初めて 人は街を愛せるの
あなたのいない街を私は愛せるの?
この空にあなたの影はあるの?
忘れずにいたい あの日の星を
忘れずにいたい あの日の音を


あの時はどこを探しても見つからなかった
あなたの言葉の意味をあらわすページは
探して探して 涙を流して
だけど笑おうとして虚勢を張ってた

不安の種はたくさんあった
初めての事だらけの世界
だからそばにいたかったんだ
不器用なりに甘えたかった


歩いた坂道 通った公園 腰掛けたベンチ
いろんな話をしたんだ 他愛も無いこと
いつもいつも 考えていた
どうしたらうまく伝えられるのか

あなたに借りた一冊の本
返す前に離れてしまった
”ありがとう”さえうまく言えずに
いつまで持っているのだろう


いつの間にか過ぎていった季節
いつの間にか泣かなくなっていたよ
大丈夫 どうってことない
ここでちゃんと生きてるから


変わってく街 薄れる記憶
人はこうして日々を過ごしてく
だけど変わらぬこの星空
見上げるたびに蘇る音

私の頬を優しく撫でる
風がページをめくっていく
開いた場所に載ってる意味は
あの日探した答えなのかな