歌舞伎と落語 | greenjadeのブログ

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生け花を中心に、discover Japan の日々。

五月大歌舞伎、
第三部の話の前に
ちょっとだけ脱線します。
 
二部の
「道行旅路の花婿」で
清本延寿太夫の
美しいお声と
マスクしていていも超!イケメンな
お姿を拝見できて
幸せ~照れ
 
この曲、
出だしの部分が
「落人も
見るかや野辺に若草の」
と始まるので
通称「落人」と呼ばれています。
 
その解説を
イヤホンガイドで聞いていて
ふと思い出した!
「百年目」という落語に
ちらっとですが
この「落人」が出てきます。
 
ところで
「落人」
なんと読みますか?
 
「おちびと」
ではなくて
「おちうど」です!
 
この「百年目」の主役は
ある大店の大番頭。
堅物でとにかく厳しい。
奉公人の顔を見れば
小言ばかり。
本を懐にいれたのを見とがめて
「こっちへお出し!」
 
「なんだい、この『おちびと』てぇのは。」
「へへ、そりゃあの、『おちうど』てんですよ。」
「おちうど?なんだい、このおちうどてぇのは。」
「あのお、お軽・勘平の道行なんでございます。
清元でございますよ。」
「お前か!いつもはばかりで妙な声を出してるのは!」
 
この大番頭、
仕事一筋で遊びなんか知らない、
芸者・たいこもちって何だい?
煮て食うのか焼いて食うのか?
・・・などと言ってますが
実は粋人、
旦那に隠れて
派手に遊んでおります爆  笑
もちろん
清元だって知っていて
わざと「おちびと」なんて言ってるんです爆  笑
 
店での堅物な姿と
遊んでいるときの小粋な感じの
落差がとにかく笑える爆  笑
 
この番頭さん、
遊んでいる最中に
旦那に出くわしてしまった!びっくり
さてどうする?
 
続きが気になる方は・・・
是非
「百年目」
お聴きになってくださいウインク
さんざん笑って
最後にほろっとなる
素敵な噺です。
 
 
こんな感じで
落語の登場人物は
芝居大好きな人とか
清元や義太夫にはまって
人にむりやり聞かせる迷惑な人とか
けっこう出てきます。
(↓このCDも芝居がらみの噺。)
素人芝居をやろうとしたら
みんなが色男の勘平をやりたがって
勘平ばかりずらりと並んじゃった、
すなわちこれが
かんぺい式、というやつで、
なんて冗談も出てきたり。
(観兵式と勘平をかけてます。)
 
仮名手本忠臣蔵は
やはり人気の演目なので
これを題材にした落語もあります。
私は
林家たい平さんが
真打昇進のお披露目で
「七段目」をかけたのを
幸運にも聞くことができました!
 
「幸運にも」
と書いたのは、
歌舞伎がからむ噺、
寄席ではあまりかからないのです。
歌舞伎が分かるお客様が
少なくなっているので
ウケないんですねえーん
 
たい平さんの
十二代目市川團十郎丈の
声真似があまりに秀逸で
涙を流して笑ってたら
周囲のお客様から
「インテリぶりやがって」
という視線を浴びてしまいましたガーン
 
はやりのテレビドラマやCMを
大多数の人が知っていて
話題にしているように
娯楽が限られていた昔は
人気の芝居は
誰もが知っていたし、
それを元にしたパロディも
面白がられたのですが。
現代のテレビ見る感覚と
同じだったはずなんですが、
歌舞伎って
すっかりハードルの高いものに
なってしまいました。
 
歌舞伎ネタの古典落語は、
かなり
存続の危機かも!?
と思ったりします。
 
こんなこと書くと
また
「インテリぶりやがって」
と言われちゃうのかもあせる
庶民の娯楽なんですから
気楽に楽しむ人が
もっと増えるといいなあと思います。
 
もっとも・・・
庶民の娯楽にしては
チケット高くないですか?松竹さん。てへぺろ
 
 
歌舞伎と落語のご縁については
太田博さんの
「歌舞伎と落語 粋な仲」
という本が
非常に面白くておすすめです。
 
ちょっとつぶやいてみましたてへぺろ
明日こそ
第三部のお話を。