今回また学生の頃のお話です
美大に行ってた時(タマグラ)
1年は基礎、基礎、基礎とほとんど予備校のような事を
やってたんですが
2年になってから
『写真
僕の学校では写真の授業はそれなりに
時間をかけてやっていて
色の構造から現像のやり方まで
ほとんど写真学校のように丁寧にカリキュラムをこなした
ものでした
そして写真の授業の
クライマックス(と僕が勝手に呼んでただけですが)として
テーマを自分で決めて自分が納得する写真を撮って
自ら現像して台紙に張って発表するという課題が
ありました。
僕らはバイトして買った一眼レフの
カメラを片手に街へ飛び出しました
僕の決めたテーマは『子供』でした
とにかく人を撮りたいな、、と漠然と思ってた僕は
子供が一番撮りやすいだろう、、という安易な理由で
決めたテーマでした
しかし、これが本当に撮りにくかったです
子供は実はかなりカメラを意識します
カメラを向けるというのは、銃を向けるのと
同じで敏感な人には凄く嫌われたりします
また戦場カメラマンがカメラを向けただけで
警戒されて撃たれたりすると聞いたこともあります。
良い写真を撮りたい、と
鼻息も荒かった僕は、一番子供としては警戒すべきやつで
とにかく子供がレンズを意識してしまうので
一枚も撮れずに一日が過ぎる。。
そんな感じでなかなか上手く行きませんでした
そんなある日、
八王子の高尾山の道中で子供を撮ろうと
頑張ってた僕は、やはり子供に逃げられてばかりで
さすがに疲れ果て、お土産やの横のベンチに
へたり込んで座ってました
いや~もう自分には写真は無理だ。。
あ~あ。。という感じでぼんやりとしていたんですね。
そこへ、まるで撮ってくれ。。と言わんばかりに
小さい女の子がすーっと近づいて来ます
本当に僕のすぐ側まで来ましたが
僕が持ってるカメラを全く見ていません、、
と言うか、僕の事を意識していません
何とかカメラを向けると、
まるでシャッターチャンスを待ってるかのように
その女の子はしばらく動きを止めるのです
僕は夢中でシャッターを一回だけ押しました
そして女の子はそれをはかったように
振り返ると、静かに親と一緒に帰って行きました
種明かしをすると
彼女の見ていたのはお土産屋さんに
置いてあった『風車』でした
多分その風車の事で頭が一杯だったんでしょう。。
それから僕は自分が撮ろう、撮ろうとするのを
やめて、とりあえず子供たちの世界にいさせてもらうように
心がけました。
具体的にはどこかに腰掛けて
いるだけです。
すると、大体、子供たちの方から
さっきの女の子のように僕の方に寄って来て写真を
撮らせてくれます。。
アイスを顔面いっぱいにほおばりながら
わざわざ僕の前で止まってくれた男の子もいました。
、、もちろん撮らせてくれる訳ないんですけど
もう、そうとしか考えられないケースが
何度も続いたのです
結果、僕の子供をテーマにした写真は
課題提出したところ、
仲間や教授の評判も良く、自分としても
かなり好きな作品になりました。
(もちろんプロの写真家とは比べるまでもないですが)
写真自体、まあ自分にとって収穫だったんですけど、、
その『体験自体』が個人的にとても大きかったので
僕は教授に聞いてみました。
『写真を撮らされてる感覚を感じた事がありますか?』
と、、教授はプロのカメラマンですが
少し驚いて話してくれました。
『それはもう、究極、写真は出会いであるから
作り手(撮り手)だけで作れる物ではない。。良い写真の裏には
被写体と撮る人間の幸せな出会いがあるだけだ。。』
そしてまたこうも言ってくれました。。
『変な言い方かもしれないけど、、
本当に良いクリエイティブって向こうからやってくるんだ
シャッターチャンスを自分で作るなんて、、もしかしたら
とってもおこがましい事かもしれないね』
抽象的な言葉なんでしょうけど、
僕はそれを聞いてとても感動したと同時に
深く納得してしまったんですね。。
何だか人生論みたいになってしまいましたが
その時の女の子の写真を見るたびに
その事を思い出します
そしてまたそういう出会いは、本当に出会いたいと思い、
出来るだけの事をやり尽くしても出会えない。。そういう時に
起こったりします。。
思ってもいなかった方角からの風みたいに
吹いてくれるのです
ちなみにその時の
女の子、その他の写真はブログにのせてみました
大したものでないですが
よろしければご覧下さい(女の子の写真は一枚目のやつです)
http://
この女の子は何を見ているんだろう
と撮った僕も思ってしまいます。
妙な話、結果自分が選んでしまった写真全て、
自分から撮りに行った写真は一枚もなく、
先生の言う通り、
向こうからやってきたものですね。。
もちろん何日も自分なりにじたばたした時にしか
そういう瞬間は訪れてくれませんけど
最後まで読んでもらってありがとうございました