敬愛するふみさんや、B級のバイブルである怒りくまさんのところで
レビューを見てから、ずっと気になっていた『コカインベア』
WOWOWプライムでやってたので録画しました。
コカインを食べて凶暴化したクマが巻き起こす騒動を
実在の事件に着想を得て描き、アメリカでSNSを中心に
大きな話題を集めたパニックアドベンチャー。
1985年。運び屋アンドリューはセスナ機に積んだ大量のコカインを
ジョージア州の森に投下するが、自分自身も誤って落下し死んでしまう。
雇い主の麻薬王シドは、信頼するフィクサーのダヴィードにコカインの
回収を命じる。一方、絵を描くことが大好きな13歳の少女ディーディーは
友人と学校をサボって森へ向かうが、
そこで大量のコカインを食べて凶暴になったクマに遭遇。
麻薬王一味、子どもたちとその母、警察、レンジャーら、
それぞれの思惑が絡みあい、事態は思わぬ方向へと転がっていく。
(映画comよりあらすじ)
コカインでトリップし、さらなるコカインを求める熊は怖いんだけど
当たり前だが、悪意はない。
（もちろん、人食い熊だって悪意はないんだけどね）
コカインの運び屋だって、ギャングの通常運転のしてるだけだし、
チンピラの青年たちだって、これもまた通常運転。
レンジャーのオバちゃんや、救急車のスタッフも悪気はない。
子どもたちに至っては、ちょっといたずらっ子なだけだし、
小熊たちもママ熊を追いかけていただけだし。
ただ、そのすべてが、おバカなだけで。
人体破壊や流血量は、十分にスプラッタ映画の需要も満たしているのだが、
出てくる人間がおバカなので、緊張感がない、怖さがない。
誤射で頭打ち抜かれちゃったり、バッグの取っ手で首つり状態になるとか、
車で引きずられて顔削られて死ぬとか、
落ちてきたバケツから頭が転がり出てくるとか、
子熊が腸を引きずり出して引っ張っるとか、
シーンの一つ一つをピックアップすればホラーなのに。
どーしてもラーの怖さがない。人が死んでも「あら、また死んじゃった」的な。
スプラッタコメディ？ 一時期のゾンビ映画って、それだった気がするが。
そういうわけで、とても気に入りました。
と、例によってB級映画には甘いのだな、私は。
これまでに一番怖かった熊漫画（原作は小説)は、これかなあ。
北海道の熊被害の話でした。
