ゆうきまさみ原作のドラマ、『白暮のクロニクル』を続けて観ている。
昨日のが11回目だったかな。
ドラマがすっかり刑事ドラマになっているのはともかくとして、
原作は真犯人が二人いる構造で、どんでん返しがあったのだが、
その分、唐突な気がしないでもなかった。
残念ながら(?)犯人&真犯人&どんでん返しの真犯人を覚えているので、
ドラマの方で驚かされるとは思えないが、
ドラマではラストのための布石が作られ、
ミステリーとしての精度を高くしているんだろうな、と、思う。
次回は最終回のようだ。
――原作を覚えてなければ、「え!?」と思うだろうな、残念(^^;
原作はきちんとしたラストだったし、冒頭とループする漫画だし、
ドラマの冒頭もそれに従っていたから、たぶん変えようがないだろう。
ドラマの方、村上(吸血鬼同好会サイトを主宰している長髪のオキナガ)や
薫子さん(按察使文庫の経営者でオキナガ)、実藤さん(按察使文庫の執事)は
原作の絵に合わせて選んだと思われる当たり役(あたり顔)なのだが、
主要人物の雪村と茜丸がなあ……
前にも書いたが、ゆうきまさみの漫画は、
可愛らしい、毒のない、中高校生みたいな顔のキャラクターが、
その顔でニコッと笑って、人間とは思えない悪事を働く。
それが良いのに、実写の限界とはいえ、凄みのある表情をしたら台無しだ。
当初は今一つだったドラマの伏木が、なかなか似合ってきているのも
漫画の中で極端な(大げさな)動きをしないキャラクターだったからだろう。
漫画原作、アニメ原作を実写化するときは、動きや表情などを調整――
ちょうど翻訳作業を行うような演出作業が必要になると思うのだが、
『白暮のクロニクル』は、その翻訳に失敗したのだろう。
もともとの漫画にもよると思う。
例えば『テセウスの船』は元々が写実的な絵なミステリーだったから、
原作の通りの画面と演出で(鈴木亮平もうまいと思うが)成立したのだと思う。
ゆうき作品の良さは、ドラマにするのは大変だろうな。
そうそう、最近また放送しているようだが、
「無理だろっ」と思っていた『岸辺露伴は動かない』は、
漫画のドラマ翻訳がとてもうまくいっている例だろう。
高橋一生が上手いのかなあ、適度なポージングも含めて、
漫画の世界をそのままに、違和感のないドラマにしてくれているように思います。