入れ歯エレジーなのだ | がいちのぶろぐ

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無職の年金生活者と言えど、ほぼ毎日のように、何かしらの用事が出来て外出することになる。ということで、今日の午後は歯医者へ出掛けていた。

 

昔からの有名なジョークに、病院で出会った老人同士の会話として、「今日、あの人は病院へ来ていないけれど、どこか具合でも悪いのかしら」というのがある。

 

かつては無職渡世の老人にとって、出掛ける先は病院だけと決まっていたものだった。だが最近の後期高齢者には、病院以外にも出掛ける先はたくさんあるらしい。

 

かく言う私も、昨日は「やさしい日本語」を広めるNPO団体の会合で出掛けていた。もっとも私にとっても、最近は、病院通いがかなりのウェイトを占めるようになったが。

 

 

(昨日は「虎屋菓寮」にお邪魔した)

 

ということで、今日はさすがに病院ではないけれど、歯医者さんに出掛けて、〝入れ歯〟を新しくするための「型取り」をしてもらっていた。

 

現在使っている〝入れ歯〟は、すでに7,8年は使用しているから、その間に細々と修復やら、抜けた歯の部分の追加やらを重ねてきた。

 

それでも、さすがにもうあまりにもガタガタになってきたので、これは改めて新しいものを作らねば、ということで、今日は歯型を取ってもらってきた。

 

週間ほどすれば新しいものが出来るけれど、出来たからすぐに馴染む、というものではない。そこから微調整を繰り返し、さらに使って行くうちにやっと馴染むようになる。

 

特に、〝入れ歯〟というのはデリケートなものだと思う。それが必要な人間にとっては、最も頻繁に使用する身体の一部であり、しかも、合わなければたちまち食事に困ってしまう。

 

合わないと、食事などを噛むたびに歯茎に傷みが出たり、長くはめたままでいると頭痛がして来たりと、かなりわかりやすく被害が現れる。

 

だから、今の若い人たちは歯を大事にするようになった。毎日、食後には必ず歯磨きをしたり、定期的に歯医者さんでクリーニングをしてもらったり、手入れが行き届いている。

 

私などは、日に一回だけ歯を磨くのが精一杯、という育ち方をしてきた。歯医者さんに行くのは、何よりもまず「治療は痛そうだから怖い」という状態だった。

 

もう歯痛が堪え切れなくなって、下手をすればホッペが腫れてきたりしてから、痛みに負けて歯医者さんに駆け込む、というのが子どものころからの常だった。

 

それで、結局は50歳を超えたあたりから影響が如実に表れてきて、奥歯からポロリ、ポロリと抜けてくる。そしてついに、人生で最初の〝入れ歯〟とのご対面となる。

 

それでもしばらくは、〝我が残った歯たち〟もその状態で我慢しているけれど、高齢者という声を聞くころには、ついに前歯も少しずつ〝さよなら〟を告げるようになってしまう。

 

お陰で私は、今ではホントに貴重になってしまった、自分の歯を大事に、大事に扱っているけれど、こうなってしまえば単に〝悪あがき〟でしかない、というのも事実だ。

 

同級生の中には、すべてインプラントの人工の歯と取り替えてしまった、という〝豪の者〟もいるけれど、聞けば数百万円の投資をしたということだった。アナ、恐ろしや。

 

さて、次回に歯医者さんへ行く時には、新しく私の〝友人となる奴〟が顔見せをすることになる。なにとぞ、私の歯茎と相性良くハマってくれますように。