大阪国際女子マラソンで日本新記録 | がいちのぶろぐ

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今日の午後は、結局、ズーっと大阪国際女子マラソンを見ていた。

 

このところ、どの女子マラソンレースでも後半失速してしまって、日本記録を破れていなかった。それが今日、とうとう19年ぶりの日本記録達成になった。

 

天満屋の前田穂南選手が2時間18分59秒で走り抜き、野口みずき選手が持つ日本記録を13秒破って、19年ぶりの更新となった。ホントに素晴らしいレースだった。

 

 

 

しかも、これまで2間20分を切った4人は、すべて海外のレースでの記録だった。海外には、ベルリンマラソンなど高速マラソンとして知られているコースもある。

 

今回は20分を切って日本新記録だったので、当然のことだけど、一山麻緒選手が持っていたこれまでの国内最高記録も、同時に更新したことになる。

 

それにしても前田選手は、パリ五輪代表決定戦だったMGCでは7位に沈んでしまい、不完全燃焼となって、今日のレースで最後の一人の代表になれるように練習をしてきた。

 

そして、事前のインタビューでは「アレを目指す」と言っていたように、「アレ=日本新記録」を達成して、代表候補に大きく前進した。

 

この後は、名古屋ウィメンズで、もし前田選手の今日の記録を破る選手が現れなかったら、パリ五輪代表の残る1枠が前田選手に決まる。

 

高校時代には、彼女がいた大阪薫英女学院高校は、当時凄いメンバーが揃っていて、彼女は全国高校女子駅伝で、3年間とも補欠だったというエピソードがある。

 

高校卒業後は天満屋で競技を続け、東京五輪の代表が掛った2019年のMGCレースで優勝して代表となったが、1年延期になった東京五輪で33位に沈んでしまった。

 

このように浮き沈みがありながらも、ここまで頑張って来た精神力には頭が下がる。しかし女子マラソンでも、今、世界では2時間15分台がトップクラスのレベルになっている。

 

昨年9月には、高速マラソンコースのベルリンマラソンで、エチオピアのアセファ選手が今までの記録を2分以上縮めて、2時間11分53秒という世界記録を打ち立てている。

 

そう考えれば、今日の日本記録ではまだまだ世界レベルに届いていない。だから、今日の前田選手や、すでに代表が確定している2人の選手にも、さらに頑張ってほしい。

 

しかし陸上競技や競泳などのようにタイムを争う競技や、球技のように得点を争う競技は、採点競技が持っている〝何となく釈然としない〟ケースはうんと少なくなる。

 

もちろん陸上や競泳でも、細かく言えばいろんなことは起こり得るけれど、それでも審判員の採点に委ねられる競技よりは、随分と公平性が保たれていると思う。

 

なにしろ陸上競技の中でもトラック種目は、一言で言えば〝早い者勝ち〟というわかりやすい判定基準だし、それだけに身体能力の高低が問われてしまう。

 

ただ短距離種目と違って、マラソンや、トラックでも長距離の種目であれば、日本人はそこに勝手に〝長い人生〟を投影してしまい、強い思い入れを持つような気がする。

 

私は、どうもそうした考え方は好きになれない。レースの中に〝人生が投影される〟こともなければ、「艱難(かんなん)汝を玉にす」ということでもないと、私は思っている。

 

ただただ、選手の日ごろの練習の成果と、その日の体調・コンディション、そして相手となるメンバーの状況などによって決まる問題だと思う。

 

とにかく今日の前田選手は、中間点の辺りからペースメーカーを追い越し、それ以後は31km地点でエチオピアのエデサ選手に追い越されるまで先頭を走っていた。

 

つまり、〝引っ張ってもらった〟から出せた記録というのではなく、自分が仕掛けて、最後までそれを押し切った結果の記録、という点には価値があると思う。

 

ただ、今日、前田選手に勝ったエデサ選手は、世界のランキングでは20位の選手だと、放送で紹介されていた。エチオピアやケニヤには、このクラスの選手がまだもっといるのだ。

 

さらに他のアフリカの国々や、ヨーロッパにもこのレベルの選手がいるのだから、パリ五輪だけでなく、今後、日本の選手も今日の記録が今後の通過点となってほしいと思う。