今日の紅葉の穴場は南禅寺方面! | がいちのぶろぐ

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今日も紅葉ポイントへ散歩に。出掛けた先は、我が家からもそれほど遠くない「南禅寺」。それの〝どこが穴場スポット?〟と思わないで続きを読んで。

 

まずは地下鉄東西線「蹴上」駅へ。改札を出ると、「←南禅寺・永観堂」という案内にしたがって長いエスカレータを上り、地上に出れば三条通を右へ。

 

ほんの少し坂を下ると「ねじりマンポ」がある。トンネルの耐荷重性を上げるため、トンネルのレンガの積み方を、〝ねじった〟形にしてあるからこんな名前で呼ばれる。

 

 

 

これをくぐり抜けて進んで行くと、南禅寺の塔頭「金地院」の入口を通る。このあたりは、さすがに観光客が多い。それも、外国人観光客の団体などが目立つ。

 

「金地院」のすぐ先を右折して進むと、「南禅寺」の大きな「三門」の横に出る。歌舞伎では、大泥棒の石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」という場面が有名。

 

 

 

この山門を再建して、寄進したのは徳川の武将・藤堂高虎。このあたりは、わんさか観光客がいる。さらに本堂の横を、ダラダラとした坂を方丈の方に向かって上る。

 

 

 

方丈の手前を右に折れると、疏水の水を京都市の北部へ運ぶ〝疏水分線〟の「水路閣」が見える。ここを進むと、「水路閣」を通り抜けた前方の石段の上に見えるのが「南禅院」。

 

 

 

今日のお目当てはこの「南禅院」。「水路閣」の周辺から、「南禅院」の前あたりまでは、まだ観光客が多い。

 

そもそも、「南禅寺」の塔頭の名前が「南禅院」って、〝いったい何なの〟と思いがち。実は「南禅寺」ができる前に、初めにできたお寺が「南禅院」。

 

 

 

亀山上皇の離宮「禅林寺殿上宮」だったのがこの「南禅院」で、「南禅寺」はここから出発している。それで「南禅院」の庭園も、その離宮の頃に作られたという。

 

 

 

では「南禅寺」はというと、亀山上皇が開山に「無関普門(大明国師)」を迎えて、1292年から伽藍の整備が始まり、15年もかけて大きな禅寺が作られていった。

 

その後足利義満によって、「五山の上」と位置付けられるに至って隆盛を極めた。その原点と言えるのが、この「南禅院」ということになる。

 

 

 

「南禅院」の庭園は心字池を中心に、さして広くはないけれど、木々に囲まれた美しい庭園で国の名勝に指定されている。ここへ来ると、観光客はぐっと少なくなる。

 

 

 

そして、池の水面に映り込む紅葉と、その紅葉した木の根元の、ビロードのような苔のコントラストが美しい。

 

 

 

本堂の脇を通って池をぐるっと一周するだけだから、拝観時間も短いけれど、庭の奥には今も激しく流れ落ちる小滝もあって、全体的にホッとする景色を見せてくれる。

 

 

 

 

この「南禅院」を出たら、すぐに石段を下って「南禅寺」方面へ向かうのではなく、すぐに左へ道を取り、「水路閣」を上から眺められる方に向かう。

 

あとは疏水の流れを遡るように、疏水脇に作られた細い遊歩道を歩いて行く。遊歩道をものの10分余りも歩けば、終点が見えて来る。

 

この終点は、実は「インクライン」のテッペンになっていて、広場には若くして琵琶湖疏水の大工事を成し遂げた「田辺朔郎」の銅像が建っている。

 

 

 

このあたりも、紅葉している木々があり、ベンチに腰掛けて一服しながら、周りを見ているのも気持ちが良い。

 

 

 

広場の先には、「インクライン」を船が上り下りした様子を示す、台車に船が載せられた状態の展示がされている。

 

 

そのすぐ先には、「蹴上」という地名の元となった、源義経が奥州を目指して街道を通った時のエピソードにまつわる、「義経地蔵」が祀られている。

 

 

 

何とその時義経は、通り掛った武士が乗った馬が蹴上げた水をかぶったのだそうだ。だから「蹴上」なんだけど、怒った義経は武士を何人も斬り倒したという。

 

馬とともに走っている武士を、水を掛けられたからといって、どうして斬り倒せたのだろう。〝待て~〟と言っても、もうその頃には武士の一団は走り去っているだろう。

 

 

 

しかも何人も斬り殺したりすれば、その後はきっと追手が掛かると思う。それが、いわば英雄のエピソード風に残っていることも、世の人々の「義経贔屓」のなせる業だと思う。

 

 

 

あとは、「インクライン」の横を通って、少し急な坂道を下れば、元の「ねじりマンポ」のところに出るから、また地下鉄で移動すればいい。

 

このコースは観光客が多そうに思えるが、「南禅院」に入ったあたりからは、人も少なくなり、その後も、のんびりとした散歩コースになる。だから、やっぱり穴場だと思う。