鹿王院は紅葉にはまだ早かった | がいちのぶろぐ

がいちのぶろぐ

環境問題と経営の接点、中小企業の戦略やマーケティング活動,
観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

急に寒くなっている京都。だから、そろそろ紅葉も気になりだしたので、今日は嵐山にも近い「鹿王院」まで〝偵察〟に出掛けて見た。

 

嵐電(京福電鉄)の終点が「嵐山」、その2つ手前の駅が「鹿王院」。そのものずばりの駅名になっている。

 

 

 

今日は、嵐電もなかなかの混み具合。やはり、嵐山へ向かう外国人観光客が多い。そんな中、「鹿王院」で下車したのは実に私一人だけ!!!

 

駅の横を通っている道を南へ200mあまり進んだところで、「鹿王院 右 」と書かれた手作り感満載の表示に従って曲がる。曲がって100mほどで山門の前に着く。

 

山門を入ったところで400円の拝観料をお納めする。脇には、先週の10日から始まった「夜間特別拝観」の立て看板もある。各日150名限定で、2,500円也の事前予約制。

 

 

 

高いんだか安いんだか、私には判断ができかねる。ただし3年振りでもあり、抹茶と和菓子付きであり、平日は〝嵯峨念仏狂言〟もあるらしいから、まあ、そんなものかと。

 

 

 

山門から中門までの150mほどの参道が、モミジの並木になっている。だから、紅葉が進めば、この参道が絶好の鑑賞ポイントということになる。

 

 

 

ところで本日はというと、写真の通りの状況。ほぼ〝2分色付き〟と言えば良いだろうか。それとも〝チラホラ色付き〟と表現するのだろうか。

 

 

 

ということで、今月末の26日からの週が良いように思われる。だからと言うか、今日は拝観客が最初は私一人。途中で若い女性が来られて、私がいた30分余りは合計2人。

 

それでも、客殿前から見る多宝塔は、この間、屋根瓦などの大修理が行われていたのが終わり、今年はきれいな姿を見せている。むしろ、もらったチラシにある写真が気の毒な感じ。

 

 

 

 

この多宝塔の内部には、立派な「舎利殿」が納められており、その中には「源実朝が宋から請来したと伝えられる『仏牙舎利』」が納められている。

 

「舎利殿」の周りには、「四方に仏法護持の四天王」が安置され、多宝塔の内壁には狩野鶴嶺が描いた「羅漢像」が飾られている。残念ながら堂内は撮影が…。

 

ということで、この「舎利殿」は毎年10月15日に一日だけ開帳されると、「舎利殿」の前の説明書きに書いてあった。

 

 

 

この「舎利殿」の上の天井部分には、直径60cmほどの天蓋風の吊り下げがあり、そこには禅寺では珍しく、水墨画ではなく彩色の龍が描かれていた。

 

また入口にかけられた釈迦涅槃図は、横臥した釈迦の衣服に精細な截金(きりがね)の細工が施されていた。これは金箔をごく細く截って、貼り付けることで紋様を作り出した細工。

 

〝ごく細い〟と言っても、1mmの10分の1くらいの幅の金箔で、それが円弧を描いたり波状になっていたりと、釈迦の体を被う布の全面に截金細工が施されていた。

 

涅槃図のサイズとしては2m×1mくらいのものだが、精細に書き込まれているし、これはこれでなかなか見応えのあるものだった。

 

ということで、多宝塔と向かい合う客殿の正面にかけられた扁額は、足利義満筆の「鹿王院」という文字で、脇の署名は「准三后」となっていた。

 

 

 

 

このお寺そのものは、足利義満が春屋妙葩を開山に建てたもので、客殿から多宝塔を見れば嵐山が借景になっていて、リーフレットの図には広い寺域が描かれている。

 

 

 

 

源実朝の名前が出て来たり、足利義満の名前が出てきたりと、この鹿王院は由緒書きだけでも凄いお寺である。今日は、そこをほぼ独り占めできたことが、もっと凄いと思う。