「京都の祭り行事」のパネル展 | がいちのぶろぐ

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今日は一気に寒くなり、京都の空は鉛色の雲に覆われていた。今日の雲行きでは、まだ雨が降る心配はないけれど、冬の京都の通り雨〝北山時雨〟がやって来る季節が近づいた。

 

 

(我が家のご近所の今日の空/柿の木には渋柿の実が着いたまま)

 

昨日はこのブログに、京都市左京区役所が、区内の伝統行事の保存に向けて記録動画を作成している、という話題に触れた。

 

 

 

そうしたところ、左京区役所の活動は、実は市役所を上げて伝統行事を盛り上げ、振興の一助にしようという取り組みの、一環らしいということが、今日突然に理解できた。

 

京都市役所の前を走る広い御池通は、地下に「ゼスト御池」という名の地下街が作られている。その地下街では、何ヵ所かに広場を設けて、そこでイベントなどを開催している。

 

今日は、午前中に少しだけ散歩を兼ねて本屋へ出掛けた。ゼスト御池に、それなりの本屋さんがあるので、ついでに近くのビルで行われているイベントも覗いてみようと思った。

 

そちらは、「西陣フェス」という小さなイベントで、〝まあ、こういうものだろう〟という想像の範囲内だった。ビルのフロアに5、6店の〝西陣がらみ〟の店が出展していた。

 

イベントはザッと見ただけで、そのビルの近くから御池通の地下街へ下りて行くと、着いたすぐの広場で、顔見知りの方が主催する、これまた小さなイベントが行われていた。

 

それで、主催者の方とほんの立ち話程度の挨拶をして、地下街の本屋へ向かったところ、次の地下広場では、市役所が主催する「京都の祭り行事」というパネル展が行われていた。

 

 

 

この時期になれば、京都の郊外ではあちこちで紅葉が始まっているから、そういうスポットに行けば、今日あたりはきっと大勢の観光客で混み合っていることだろう。

 

ところが都心の地下街は週末と言えども、それこそガランとしたもので、パネル展示などを見ている人は誰もいない。ところが、私にとってはこれがなかなか興味深いものだった。

 

 

 

昨日、左京区内の伝統行事のことをあれこれ読んだ後だった。そこへ今日はその続きとして、「京都の大念仏狂言」というパネル展を見ることになった。

 

京都には、壬生寺の〝炮烙割り〟で有名な「壬生大念仏狂言」をはじめ、三大念仏狂言と言われる『仮面劇』が伝わっている。

 

 

 

他の二つは、千本ゑんま堂引接寺の「千本大念仏狂言」と、嵯峨釈迦堂清凉寺の「嵯峨大念仏狂言」である。つまり、いずれも〝お寺の境内〟で行われる仮面劇ということになる。

 

念仏狂言というタイトルであり、お寺で行われるくらいだから〝抹香臭い〟催しのように思われるが、出演者が仮面をつけて演じる、能・狂言に通じる演劇である。

 

 

 

というよりもこの念仏狂言が、後に能・狂言へと発展していった、という方が正解だろう。いずれにしても、最初はもちろん僧侶が仏の教えを説くための催しだったと思う。

 

だが、徐々に演目や中味が芸能寄りへ移って行き、今では出演者全員が仮面をつけて演じるようになり、むしろ舞台で演じられる狂言などとそれほど変わらなくなっている。

 

 

 

こうした「念仏狂言」の歴史や変遷、そこで用いられる仮面や衣装、小道具などについても、パネルで詳しく解説されていた。だから、一人だけでじっくりと読ませてもらった。

 

 

 

 

その場に置かれていたチラシでは、この先12月になれば、京都学・歴彩館で「京都の祭り行事展」という、いわばこの企画の集大成のような展示も行われるようだ。

 

 

 

つまり昨日に書いた左京区役所の動画作成という話も、この「京都の祭り行事」という市役所全体の取り組みの一部を構成している、ということだと思う。それが分かったのだ。

 

こうなれば、12月には京都学・歴彩館にも行かなければ、という気分になっている。それにしても、まあ何ともいろんなことが行われているものだ。