阪神はA.R.Eでもこの国のスポーツ界は | がいちのぶろぐ

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阪神タイガースがA.R.Eの上にA.R.Eをしてから、まだ数日しか日が経っていないのに、すでにして、何か遠い過去に起こった話のように思えて仕方がない。

 

私は特に阪神ファンということはないし、それ以前に野球が好きというわけでもない。日本シリーズのテレビ中継があっても、まったく見ない人間だ。

 

どちらかと言えば、サッカー・ラグビーやアメリカンフットボール・バスケットボールなどの方が好きだ。ただ同じ球技でも、バレーボールにはそんなに関心がない。

 

だからこの間、ラグビーのワールドカップのテレビ中継があったときは、時差が残念だったけれどそれでも楽しかった。また、沖縄で行われたバスケットボールもずっと見ていた。

 

でも日本シリーズのテレビ中継は、見ることもなかった。ただ今年のオフシーズンは、阪神の選手たちがけっこうテレビに出ることだろう。でも、私は顔も名前も知らない。

 

ということで私はつい数日前の、サッカーの「ルバンカップ」決勝で、アビスパ福岡がチーム結成以来初となるタイトルを取った試合の、テレビ中継を興奮しながら見ていた。

 

アビスパ福岡が初タイトルを獲得した後で、福岡のキャプテンの涙が止まらないシーンを見て、どれほど嬉しかったのだろうと思うと、なんだか私までジーンと来ていた。

 

これから、今月はサッカーの日本代表がワールドカップのアジア予選を戦って行くし、ラグビーやアメリカンフットボールもシーズンが深まって行く。

 

そう言えば関西の大学ラグビーで、かつては〝絶対王者〟だった同志社大が、今シーズンはここまで白星なしの5連敗で、次の京都産大戦に負ければ入れ替え戦行きが確定する。

 

私の学生時代を思い返せば、同志社だけが関東の明治や早稲田と対抗できるチームだった。それからしばらくして、大阪体育大や京都産大、天理大も強くなった。

 

とは言え関東の大学と対戦すれば、どうしても歯が立たない時代が長かった。今も、関東は帝京大や早稲田、明治などが相変わらず強いし、関西の大学は苦戦を強いられている。

 

しかし、今年の同志社大はどうしたことだろうか。大学のチームは卒業があるから、毎年メンバーが入れ替わるのは仕方がない。それでも、勝ち続けることは大変なことだと思う。

 

だから、年によって強弱にムラがあっても仕方ないが、大学スポーツ全般に言えることだが、最近はどんな競技でも関東の大学が圧倒的に強くなっているような気がする。

 

こうしたことも、首都圏への一極集中という現象の表れの一環ではないか、と私には思える。そんな中で発生したのが、日本大学アメリカンフットボール部の薬物事件である。

 

この先、どんな展開が待ち受けているのかなど、私にはわからない。けれど、この間の大学側の対応を見ている限り、もはや組織として無茶苦茶になっているとしか思えない。

 

単なる一運動部が起こした不祥事だが、それがあぶり出したのは、この大学の組織的な体質が、旧態依然とした昭和の精神状態から変わっていないことだと思う。

 

日本大学では運動部がどういう位置付けにあるのか、はしなくも露呈したような気がする。こんな状態では他の運動部の部員だけでなく、一般学生も嫌になってしまうだろう。

 

阪神タイガースから書き始めたのに、話が全く違う方向になってしまった。でも見る楽しみとしてのスポーツは、これから徹底したプロ化が進まないと成り立たない時代だろう。

 

そして、スポーツと取り組んでいる子どもたちの行く先には、最高峰の目標としてプロの世界があるということでなければ、これからの裾野の取り組みは下火になってしまう。

 

その一方で、この国の少子化はこれからも深刻化するから、競技人口が減少することで、世界の中で一定以上のレベルが保てなくなる競技が増えて来るだろう。

 

そうなれば、その競技は一気に人気を失って悪循環が起こる。とはいえ、様々なスポーツ種目が、どれもみな世界と戦うレベルを維持するのは、この先いっそう困難になる。

 

その表れとして、高校ラグビーでは、単独で人数が確保できないから、何校かが合同してチームを結成して試合に参加する、というシステムがすでに起こっている。

 

しかも今年はとうとう、そうした合同チームが予選を勝ち抜いて全国大会に出るという。個人競技ならともかく、団体競技は学校単位という状況を再考する時代になったのだろう。

 

阪神がA.R.Eになっても、裾野となる高校野球の部員数の減少は止まらない。さて、この先のこの国の競技スポーツは、どうした未来像が描けるのだろうか。