東寺宝物館で風信帖を | がいちのぶろぐ

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連休の最終日も、好天の夏日になった。これでは、紅葉にはまだまだ思いっきり早いと思うが、東北や北海道の山地では、すでにきれいな紅葉が始まっているようだ。

 

私も、昨日出掛けた時に、たった1本だけだったけれど、街路樹のイチョウがきれいに黄葉しているのを見た。しかも、葉の先端部分3分の1ほどがまだ緑色という状態。

 

 

 

 

まったく黄色に染まっているより、かえって可愛く思えてしまう感じがした。それにしてもこの間の気温といったら、まさに「地球沸騰化」と言えそうなほどだ。

 

そんな中、私は今日もまた、秋の特別拝観が行われている「東寺」まで出掛け、宝物館の展示を見てきた。今回の目玉展示は、空海が延暦寺の最澄にあてた国宝の手紙「風信帖」。

 

 

 先月の展示には、「風信帖」の代わりに「両界曼荼羅図」が出展されていたらしい。何しろ東寺には、密教美術や古文書類など、国宝や重要文化財をはじめ膨大な量の文化財がある。

 

その中でも、選りすぐりの貴重品である「風信帖」が展示されているのだから、これは何が何でも見学に行かなくては、ということになってしまう。

 

我が家から東寺へは、市バスを乗り継いで小1時間ほどかかる。とは言っても、宝物館に行くだけで、五重塔や仏像が林立する立体曼荼羅の講堂へは、今日は行かない。

 

 

 

だから午前中にサッと行って、宝物館だけを見学して帰って来ることも不可能ではない。ということで行ってみたのだけれど、さすがに3連休だけあって東寺も人出は凄い。

 

私は、バスを降りたら、境内の北の端にある宝物館へ一直線で向かって行って、「ここだけの拝観です」と告げて拝観料を払う。そうすれば500円也。共通拝観券なら高くなる。

 

ということで、宝物館で空海が最澄に当てた手紙である「風信帖」をはじめ、平安時代に平安京の正門「羅城門」に置かれていた「兜跋毘沙門天像」などを見た。

 

 

 

また彫像の高さが6mほどもあろうかという、巨大な「千手観音像」も展示されていたが、これは外国人観光客の人気を集めていた。やはりこの大きさは目立つからなぁ。

 

そんなことで、実は宝物館にいた時間は40分にも満たないくらい。それほどの点数は展示されていないから、なんだかんだ言っても時間的には短くて済む。

 

なので宝物館を出てから、弘法大師空海を祀る国宝の「御影堂(大師堂)」にもお参りをしてきた。こちらもそこそこの人出だったが、やはり人出のメインは五重塔のようだった。

 

 

 

 

こうして、〝ひとっ走り〟東寺に出掛けて、見たいものだけを見てきたという日になった。でも「風信帖」の空海の書いた文字は、無学な私が見ても〝良い字だなぁ〟と感じた。

 

ほんの短い手紙と言っても、空海が最澄に当てたものだとなれば、なんだか凄いということはわかる。でも、他人宛てに出した手紙が、出した側になぜ残っているのだろう。

 

 

 

これは、以前から気になっていたのだが。本来なら、〝延暦寺の宝物館〟で、〝これって空海から来たんだよね〟という感じで、展示されるものではないのだろうか。

 

それとも、相手に渡したのと同じものを、証拠として手元に残るように、2通作っていたのだろうか。それもなんだかお役所仕事みたいだと思うが、そんなものだったのだろうか。

 

いずれにしても好天の3連休だったし、まだ紅葉には早い時期ということで、こうした文化財の特別公開が人気を集めているようだった。