建仁寺で〝里帰り展〟が | がいちのぶろぐ

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観光のハイ・シーズンを迎えて、京都では10月から11月に、多くの寺社で特別拝観や特別公開、イベントなどが数多く行われている。

 

 

 

例えば寺院では、あの空海が開いた東寺で、「真言宗立教開宗1200年記念特別拝観」として、「東寺のすべて」という特別公開が、宝物館で今月いっぱい行われている。

 

 

 

なにしろ1200年の歴史があって、国宝の美術品や歴史的史料が山のようにあるお寺だけに、この特別公開は2,000円という拝観料になっている。

 

 

 

私にすれば、行こうかどうしようか、若干悩ましいところだ。今月はすでに、「東福寺展」で京都国立博物館に出掛けたところだし、それ以外にも行きたいところがかなりあるから。

 

 

 

考えてみれば、1カ所500~600円の拝観料でも、5,6カ所行けば3,000円くらいはすぐに出て行く。諸物価高騰の折りに〝無駄遣い〟だと、家人から怒られるかも知れない。

 

それにしても、手に入れた観光案内パンフレットをチェックしても、4ページにわたってびっしりと行事予定が掲載されている。

 

 

 

そんな中で、昨日は、京都最古の禅寺・建仁寺で行われている、「スミソニアン国立アジア美術館の名宝」という展覧会に出掛けていた。

 

 

 

これは「米国・スミソニアン国立アジア美術館の開館100周年イベントと連動した」企画だと紹介されていた。「高精細複製品」となったものが、多数公開されているらしい。

 

 

(建仁寺/大雄庭)

 

建仁寺は京都で最古の禅寺であり、栄西が宋から茶を持ち帰って、日本に茶の文化を広めたことでも知られている。さらに、あの「俵屋宗達」の「風神雷神図」も有名だ。

 

 

 

この建仁寺は、その有名な「風神雷神図」を高精細の複製にして一般公開しており、他のお寺のように『撮影禁止』などと言う七面倒くさいことは言わない。

 

さらに海北友松の「雲龍図」や「竹林七賢図」なども見られるし、葉室麟さんの「洛中洛外をゆく」(角川文庫、2022)でも、1章をさいて建仁寺と海北友松を取り上げておられる。

 

 

(海北友松/竹林七賢図襖絵)

 

このような下地があるお寺だけに、スミソニアン国立アジア美術館に流出していた、俵屋宗達・尾形光琳・葛飾北斎などの絵画の複製品が、今回は、展覧に供されている。

 

 

(尾形光琳/群鶴図屏風)

 

今月13日から始まって11月3日までの会期だというが、早速、14日の朝刊に京都新聞が取り上げていたので、私も〝それなら〟とばかりに駆け付けた次第だった。

 

しかも、通常の建仁寺の拝観料の600円だけで良いというのも、年金暮らしの私には助かる。ということで、昨日はそれでも1時間半近くかけて、この絵画展を見て回った。

 

 

(葛飾北斎/遊女図など)

 

入口を入ったところは、いつもなら「風神雷神図」が置かれているのだが、今回は同じ俵屋宗達の、里帰りした「扇面散図屏風」という、扇子を屏風一面に貼ったものがあった。

 

 

 

「扇子はファッション・アイテムとして江戸時代に大流行した」と、解説に書かれていたが、俵屋宗達自身が芸術家として立つ前は、扇面を描いたりする絵師だったそうだ。

 

というようなことで、その他にも葛飾北斎の「遊女図」など多くの作品、尾形光琳の「群鶴図屏風」、狩野元信の「山水図押絵貼屏風」などが展示されていた。

 

(狩野元信/四季花木草花下絵山水図押絵貼屏風)

 

現物はいずれもアメリカに行かないとみられない上に、今回展示された複製品でも、各地の美術館やお寺などに分かれて納められるから、一度に見られる機会もそんなにはない。

 

もちろん、通常の建仁寺の拝観もできるから、建仁寺が所蔵している襖絵や屏風も見られるし、法堂の天井に描かれた、小泉淳作画伯の巨大な「双龍図」もしっかりと見てきた。

 

 

 

さて、この先紅葉のシーズンまでにも、まだまだ行っておきたい寺社がある。パンフレットを見ているだけでも、時間との勝負のように思えて来る。

 

しかも、私が関わっている「やさしい日本語」のNPO団体が、今年度に助成金を受けて行っている、「薬局・ドラッグストア向け」の教材作成も急がれている。

 

いやこれはどうにも後期高齢者にとっては、やや厳しいスケジュールになって来たような気がする。