住めば都じゃないんだけど | がいちのぶろぐ

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昼間は陽射しがあって暖かだから、我が部屋の窓を開けている。だけど、夕方になり太陽が西に回ると、一気に肌寒くなってきてあわてて窓を閉める。

 

ほんの半月前までは、陽射しが部屋の奥の方までは届いていなかったが、もう私の背中を越えて中まで入り込むようになった。それだけ、日に日に太陽が低くなっている。

 

二十四節気で言えば、今週初めの8日が「寒露」で、半月後の24日は「霜降」となっている。朝早く、草の葉に水滴が露となって乗るから「寒露」だろうか。

 

そして、あと10日もすれば「霜降」となって、朝早くには草の葉に霜が降りる季節、ということになる。先日書店で見た月刊の京都本も、早々と紅葉特集を打ち出していた。

 

さて私も、今年はどこへ「紅葉狩り」に行こうかしら。今まで行ったことがない紅葉スポットで、なるべく人が少ない穴場のようなところが良いのだが。

 

 

 

いつも書いているけれど、最近の旅の情報誌は、遠慮会釈なく「穴場紹介」合戦を繰り広げているから、私の乏しい情報では穴場などまったく無くなってしまう、ということになる。

 

桜・紅葉の名所が多い京都は、春・秋の観光シーズンには外国人観光客を含めて、それこそブームになってしまう。だから、穴場発掘こそが情報誌にとっての生命線なのだろう。

 

ただ今年は、こっそりと2,3カ所は穴場の候補を心の中で決めている。と言っても抗がん剤治療を受けてからは、さすがに体力がガタ落ちになったから、きつい坂道などは無理だ。

 

そういうことも加味した上で、あそことあそこならきっとそれほど混み合わないだろう、というところを選び出している。今から言ってしまうと、ちょっともったいないかなぁ。

 

そういえば、数日前の新聞紙上で「町の魅力度(非居住者)京都1位」という見出しの記事を見つけた。

 

 

 

これは大東建託という不動産会社が、全国の18万人を対象に実施したアンケート調査の結果を「街の魅力度ランキング」として発表したものらしい。

 

それを居住者と非居住者に分けて集計し、それぞれのランキングも発表されていた。京都府は総合順位こそ3位だが、居住者では10位、非居住者は1位とアンバランスだった。

 

まったく正反対だったのが兵庫県で、総合4位だが、居住者なら1位、非居住者は10位になっていた。〝住めば都〟というけれど、なかなか〝京の都〟にはならないのだ。

 

新聞記事では、京都府の居住者の評価が低い理由として、「物価・家賃」や「静かさ・治安」の満足度が低かった、と書かれていた。納得するというか、わかる気がする結果だ。

 

 

 

つまり京都府というよりも、きっと京都市の話になってしまうと思うが、京都市の交通至便な場所のマンションは、少し広ければもはや億ションが当たり前になっている。

 

すでに東京の〝エグゼクティブ〟のセカンドハウスか、中国の富裕層の海外資産という状態になってしまっている。これでは、若い子育て世帯は手も足も出ない。

 

だから、京都市は政令指定都市の中で人口減少が最も激しい、という結果を生んでいる。市外在住の富裕層は、ホテルを確保する必要が無くなるから〝一応買っておこう〟となる。

 

それにしても、観光シーズンには市内の交通がマヒするし、家賃はほぼ東京の都心部並みだし、観光客が再び増加して、町全体が少し落ち着きの無い状態に戻っている。

 

だから、居住者の満足度は低くなってしまうが、非居住者にすれば、やはり訪れて損はない町の一つということで、このようなアンケート結果になったのだと思う。

 

その点、兵庫県は神戸市や阪神間の各都市など、住環境の良いところが多く、その上、仕事の場所も大阪市・神戸市という大経済圏があるから、生活には好適な場所になる。

 

ということで、こんな結果になったと思うが、これを見せられたからと言って、住んでいる側からすれば、〝では、引っ越すか〟とはならないわけで、〝そうですか〟と言うしかない。

 

私の場合は、たまたま先祖が残してくれた土地が、京都市内でも比較的中心部に近い下町だったということで、あまり苦労なしに住み続けていられたのだけれど。