西陣伝統文化祭「千両が辻」のイベント | がいちのぶろぐ

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「西陣」と言えば高級織物の街。その中心が「千両が辻」。今出川大宮の交差点の辺りは、かつて「千両が辻」と呼ばれていた。日に千両のお金が動く場所、という意味だそう。

 

 

この「千両が辻」の大宮通り一帯は、今も「京町家」と言われる建物が多く残り、それがリノベーションされてカフェになっていたり、今もそのまま商家として使われていたりする。

 

 

 

この地域で今日は、「西陣伝統文化祭 『千両が辻』」というイベントが行われていた。西陣らしい和装小物の卸商が、自社の前に商品を並べて小売りをしているところもある。

 

 

 

 

町屋をリノベしたクラフトビールの工房もある。京都の風景を撮り続けた、有名な写真家・水野克比古さんのお家をリノベして、京町家写真館として活用されている建物もある。

 

 

 

友禅染の工房を開いている店では、手摺り型染めの体験を行っている。そして、私がほぼ毎月参加している「上京朝カフェ」関連でも、何ヵ所かで〝店〟を出している。

 

ホントに手作り感が溢れるイベントなんだけれど、それでもこのイベントのおかげで、普段は中に入ることができない歴史的な「京町家」に入り、坪庭を眺めることもできる。

 

 

 

「上京朝カフェ」で、毎月美味しいコーヒーを淹れてくださる〝コーヒー男団〟さんは、今日も小さなテーブルで香り高いコーヒーを淹れておられた。

 

 

 

「チーム上京・手芸部」を名乗るお姉さま方のグループも、小さな屋台に手作りの品を並べておられた。とにかく、みんなが参加することを楽しんでいるのだ。

 

 

 

そして何よりも、このイベントをけん引しておられる、「千両が辻」で長らく仕事をして来られた私と同学年の男性は、天気が良くなってホッとした顔でたたずんでおられた。

 

この数カ月間は、朝カフェに来られて「千両が辻」のイベント告知を、ずっとしておられたが、もし今日雨が降るようなら、私はもう手を引くと悲壮な覚悟をされていた。

 

 

 

昨年もコロナ禍を跳ね返し、規模を縮小して何とか開催できたけれど、当日は残念ながら雨模様だった。もし2年続けて雨模様なら、自分には適格性が無いと言っておられたから。

 

私も、このイベントを一渡り見て回ったけれど、クラフトビールの工房を通り過ぎる時、ここが一番の鬼門だった。何しろドクターストップで、お酒を止めて3年近くになる。

 

だけど、飲みたいという気持ちは、常々無くなることはない。そんな人間が、こんな素敵なビール工房を素通りなんて、残酷を絵にかいたようなシーンだった。

 

 

 

というようなイベントだったけれど、帰りにバスを待っていた「今出川大宮」バス停の前にある「京都市考古資料館」も、午前中に講演会という形でイベントに参加していたらしい。

 

 

 

この建物は、もともと「西陣織物館」として、建築家の本野精吾の設計で1914年にできたという由緒正しい建物。敷地には、「西陣」の大きな石碑が立っている。

 

 

 

そんな場所で、「京都の歴史」にちなんだ講演がされるというのも、なんだか西陣っぽくて良いなぁ、と思ってしまった。