似ている職場のようでも違いがわかって | がいちのぶろぐ

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私が関わっている「やさしい日本語」を広めるNPO団体では、昨年度、京都市上京区の助成金を受けて、保育・幼児教育施設での外国人保護者との対応に関する研修などを行った。

 

外国人保護者と、子どもの様子を連絡帳などで共有したり、〝園便り〟や〝お知らせ〟の形で保護者に情報を伝えたりする場合の、コミュニケーション方法がテーマだった。

 

こうした直接に外国人と接する職場で、言葉の壁によって情報が共有できなかったり、誤解を生じたりすることがないように、という考えから、私たちが選んだテーマだった。

 

そこで、現場の皆さんがどんな工夫をされていたり、どんな場面で悩んでいたりするのか、アンケートやヒアリングを実施して、まずは現場の実際を知ることに努めた。

 

 

 

こうしたことをまとめて、コミュニケーションのためのヒント集となるような小冊子の作成や、他の園で実施している工夫の紹介、さらに先生方向けのワークショップを行った。

 

昨年度、こうした活動を続けた結果、今年度になってからは、別の職種である公共交通機関で働く方に向けた研修などからも、お声を掛けていただけるようになった。

 

 

 

さらに昨年度の、保育・幼児教育の延長線上にあると言える、「放課後学童クラブ」や「児童館」を運営されている団体からも、お声を掛けていただいた。

 

来月初めには、この団体の皆さんに向けて研修講座を実施するのだが、保育・幼児教育施設とは似ているようで、やはり役割分担があるからこそ異なっているところもある。

 

それで、どういう内容で講座を実施すればよいか組み立てるために、参加されるところに事前アンケートをお願いした。そうしたところ、やはり様々な悩みの種が見えてきた。

 

 

 

保育園や幼稚園は、ある意味、毎日来ることを前提にした組織である。むしろ、来られないことに何らかの対応をする必要が生じる。だから、コミュニケーションの密度が高くなる。

 

一方で、放課後学童クラブや児童館は、その場所へ〝来る・来ない〟の選択などは、利用者の側の意思や、その時の状況に委ねられる部分が大きくなる。

 

だから、毎日積極的にコミュニケーションを図る、というよりも、来た時に子どもたちや保護者とどのように接すればよいか、といったことが主要なテーマとなって来る。

 

つまり、保護者と子どもの様子について連絡を取り合う、というよりは、その施設の利用に関するお知らせや、イベントや行事の情報や通知などといった内容が多くなる。

 

そうなると、日常会話の「やさしい日本語」というよりは、お知らせなど〝書き言葉〟として、保護者や子どもたちに、正確に情報を伝えるといった作業が中心になって来るようだ。

 

だから、「やさしい日本語」を用いた文章表現であったり、具体的には漢字に振り仮名を付けたりする、といった情報伝達の「コツ」を伝えることが中心になる。

 

そこで今日のミーティングでも、研修で参加者にワークをしてもらうことを前提に、〝お知らせ〟などの配布物を、どのような表現にすればよいか、という雛型を考えていた。

 

 

 

それこそ職業の数だけ、外国人とのコミュニケーション・対応内容に相違が出て来るから、簡単に、ワークショップで〝体験型研修をやりましょう〟という具合には行かない。

 

実際に話を聞いてみなければ、すぐお隣同士の関係だと思い込んでいた、保育・幼児教育施設と放課後学童クラブなどでも、今回、微妙だけど本質的な違いがあると知った。

 

だからこそ、私たちも提案をしていて面白いと思うし、そこにやりがいを感じている、と言ってもいいだろう。私たちも、まだまだこれからも勉強を続けなければ、と思った。