SDGsは「お飾りもの」ではないはずだ | がいちのぶろぐ

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昨日から国連では、「2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)」に関する首脳級会議が開かれていて、今日(日本時間では明日)からは岸田総理も出席するそうだ。

 

それで昨日付の新聞紙面には、「SDGs『危機的状況』 国連 政治宣言採択、挽回図る」という記事が掲載されていた。

 

 

 

記事によると、「政治宣言には拘束力はない。宣言は『貧困撲滅が最大の課題だ』」として、途上国に向けた「財政支援が急務」だと書かれていた。

 

最近は、町中や電車・バスの中などでも、スーツの左襟にSDGsのシンボルマークを着けた、サラリーマンらしき人の姿をよく見掛けるようになった。

 

 

 

この人たちは、きちんと意識を持ってシンボルマークを付けておられる、と思いたい。会社から言われたから、社章のバッジと同じ気持ちで着けているだけ、とは思いたくない。

 

では、その人たちに問いたい。SDGsの17項目の「1番目に書かれているのはどんな内容か」と。実は、「1.貧困をなくそう」から始まっているのだが。

 

 

 

「地球温暖化を防止しよう」だの「リサイクルをしよう」などとは、17項目のどこにも書かれていない。それらは、17項目の下部構造となる169の目標の中にある項目だ。

 

きっと、この17項目など読んだこともなければ、その中味なんかは、今まで真剣に考えたこともない、という人たちではないと信じたい。

 

ならば、あなたの企業には経営層に女性は何%いるか、女性管理職は管理職全体の何%を占めているかと問いたい。それが、5番目の「ジェンダー平等を実現しよう」ということだ。

 

国連が発表したSDGsの「進捗状況」によれば、「8.経済成長と雇用」「14.海洋保全」は、「停滞又は悪化」という結果が過半数を占めている。

 

 

「15.陸の生態系」や「6.水と衛生」なども、決してほめられた事態ではない。グローバル・サウスと言われる国々の「貧困解消」や、「安全な水の確保」はまだまだなのだ。

 

日本は「5.ジェンダー平等を実現しよう」という項目では、世界でも最下位グループに位置付けられている。今回の内閣改造も、19人中5人の女性閣僚が〝やっとこさ〟なのだ。

 

そして何よりも企業で働く人たちは、〝会社で命じられたから〟ではなく、自分の信条として、こうしたSDGsのシンボルマークを身に着ける気持ちになれるかどうかを問いたい。

 

国連のグテレス事務総長は、会合の冒頭で「SDGsは単なる目標の羅列ではない。人々の希望と夢、期待が込められている」と述べた、と記事には書かれていた。その通りだと思う。