中国からの抗議電話に思うことなど | がいちのぶろぐ

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この数日間、福島原発の処理水排出を巡って、中国から嫌がらせの電話が架かるとか、中国に在住する日本人に対して、日本政府が注意喚起をするといった騒動が起きている。

 

そもそも、今回の処理水排出に関しては、地元の漁連を中心に、政府の説明不十分というか、政府の対応のまずさを指摘する意見が多い。

 

それとともに、中国はこれを千載一遇のチャンスとして、政治的プロパガンダ(宣伝活動)の〝美味しいネタ〟に使いまくっている。

 

一見というか、一聞すると中国政府の言い分は、〝科学的な説明をしている〟風に聞こえるが、実は〝トンデモ話〟を垂れ流しているに過ぎない。

 

しかし中国国内の経済的な停滞と、それに連動する若者の就職難・失業率の高さ(6月には20%を超えていた)などを覆い隠すために、国の外に敵を作るという常套手段だろう。

 

こうしたことに便乗して、日本のまったく無関係な飲食店などに電話を掛けまくる行為は、自分たちが置かれている状況に対する単なる〝うっぷん晴らし〟でしかない。

 

日本国内でもよくあることだが、ちょっとしたことをキッカケに、無責任に誰かをSNSで叩きまくるという精神構造と、瓜二つと言っても良いだろう。

 

ただ、これが単なる憂さ晴らし程度で済んでいるうちは、困ったことだと言っていればいいが、仕事が手につかないほどの電話の本数となれば、捨ててはおけない問題だろう。

 

何より厄介なのは、電話の向こうで、書かれたものを読み上げているような電話がある、という点だ。そうであれば、これは組織的な嫌がらせ行為ということになる。

 

組織的というのは、組織する誰かがいるということだ。そうすることで得する誰かが〝そそのかす〟か、もしくはメリットを得ることができるような組織作りをする。

 

日本国内でも〝迷惑ユーチューバー〟が、突撃と称して有名人などに無理矢理インタビューして、その動画を流すことで収入を得ようとすることがある。

 

そうしたことと似た現象が、中国国内で起こっているらしい、という報道もあった。要するに今回の件を利用して、〝視聴数稼ぎ〟を狙う輩がいるというのだ。知らんけど。

 

ただ、困ってばかりもいられない。電話をジャンジャン掛けられた方は仕事に差し障るし、中国で暮らす日本人は、何かしらの暴力におびえなければならなくなる。

 

政府は、こうした中国発の出来事に対して、〝厳重に抗議〟するだけでは〝屁のツッパリ〟にもならない。こうした動きは、威力業務妨害や偽計業務妨害に当たる犯罪行為だ。

 

だから〝処理水排出の是非〟とは切り離して、国外からの〝意図した迷惑行為〟には明確な対抗措置を取る、と警告しなければ〝やったもの勝ち〟になってしまう。

 

私は自分のことを、決して右翼的な人間だとは思わないし、ネトウヨの方から見ればパヨク(頭がパーな左翼)に分類される側の人間だと思う。

 

だけど、今この時の起きている迷惑行為という現象は、中国の一部の人たちの鬱憤晴らしであったり、この出来事を利用した視聴数稼ぎの金儲けだったりする可能性がある。

 

いくら何でも、それに対してまで〝へいこら〟する必要はない。ましてや中国では、人々が〝塩の買いだめ〟に走って品薄になっているという。

 

日本でも、オイルショックや東日本大震災の後などに、トイレットペーパーが品薄になったこともあった。だが、中国の塩の買いだめは、海水塩の汚染を恐れてのことだという。

 

何ということだろう。中国は、どちらかというと〝岩塩〟や〝湖塩〟が塩の供給の中心になっている国なのだ。そんな単純な事実すら、情報として与えられていないということだ。

 

とにかく、自分の国の経済的失敗(?)を、外部の敵を作って目をそらすという、こんな国が隣国だということが、つくづく情けなくなってしまう。

 

それにつけても今日の新聞の朝刊に、川村妙慶さんという女性僧侶が書いておられた、次のような言葉が身に沁みる。

 

「『思い通りになる=当たり前』。『思い通りにならない=不幸』とおもうからつらい。そうではなく『思い通りになる=有り難い』。『思い通りにならない=当たり前』と思えば、思い通りになったときの喜びは味わい深く」なると。

 

この言葉を、ゆっくり嚙みしめてみようと思う。