好文舎とその周囲は | がいちのぶろぐ

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お盆明けの1週間は、毎日何らかの予定が入っているという、最近の私からすれば考えられないスケジュールで過ごした。

 

そして今日は午後から大阪の息子家族が、息子は海外勤務で不在のままだが、奥さんが孫の顔見せにやって来てくれるという。

 

ホントはお盆前に来る予定だったが、諸般の都合で延期となり、夏休みも明けてしまった今日になった次第。

 

昨日は、なんだかんだで結局ブログを書かなかったが、夕方に家を出て、夜は大学時代の体育会のクラブのOB会に顔を出していた。

 

クラブ創設65年目の、節目の年となる記念会だというので出掛けた。といっても、5年前の60周年は大勢の出席者があったけれど、65年目はやはりなんだか…。

 

私の場合、次の70周年は体調的に行けるかどうかわからないと思ったから、これを最後と思って出掛けた。まあ、多分そうだろうと思っていたが、出席者では私が最長老だった。

 

全体で25人ほどの出席だった。弱小クラブだったとはいえ、登録されているOB・OGは200名ほどいるらしい。だが、65年という中途半端な節目の会だったから。

 

それはそれで良いとして、平成年間に卒業した世代の出席が目立って少なかった。それはそうだと思う。30歳直前くらいから60歳直前という世代だから。

 

まさに現役バリバリ世代。つまり今の世の中は、平成に大学を出た年代が動かしている、ということだ。逆に昭和に卒業した世代は、若くても60歳手前ということになる。

 

だから、すでにリタイアした人間も多いから、こうした集まりには出て来やすいということだろう。まして今の大学生は、私からすれば完全に孫世代になる。

 

ということはさて置き、この一週間のバタバタの中で、一昨日に訪れたカフェが面白い場所だった。それをちょっと書き留めておきたい。〝ステマ〟みたいになるがお許しを。

 

店名は「好文舎」という。カフェ&ギャラリーと銘打っている。京町家と言うべき、趣きが溢れたお家をそのまま使っている。

 

場所は「京都市上京区甲斐守町118」と言っても、京都の人間でもどのあたりにあるか見当がつかない。〝京都流〟に言えば、「油小路中立売下ル東頬(つら)」という場所。

 

建物は通りから奥まったところにあるので、よく見ていないと通り過ぎてしまう。油小路通に面しているところは、暖簾のかかった1.5mほどの門口だけ。

 

 

 

通りから、門口を入って数m先に建物がある。玄関を上ると、そこはギャラリーと受付になっている。奥の間の、坪庭に面した八畳間がカフェスペース。

 

カフェスペースと言っても、畳敷きの部屋に床の間と違い棚があるもろの和室に、坐机が2台置かれているだけ。

 

 

 

一昨日は、ギャラリースペースと和室の床の間に「琉球紅型」が並んで、「阿部遼 紅型展」と銘打たれていた。その名古屋帯用に染められた紅型が、とてもいい感じだった。

 

このお店に行く道中がまた良い。私は市バスを「堀川中立売」で下車したが、目の前にある堀川に架かった小橋は、「堀川第一橋」という明治時代の円い橋脚の石橋。

 

 

 

 

この橋は明治7年に架橋され、「全国的にも数少ない真円の石造アーチ橋」で、土木学会の「土木遺産」にも選定されている〝京都市指定有形文化財〟の橋。

 

 

 

しかもそのすぐ脇には、昭和36年まで「チンチン電車」と呼ばれていた、日本初の電気鉄道である京都市電堀川線(通称・北野線)の「レンガ積みの橋台」も残されている。

 

 

 

真円状の「堀川第一橋」の橋脚も、「レンガ積みの橋台」も、流れが復活されて遊歩道となった堀川沿いから間近に眺められる、というオマケまでが付いている。

 

 

 

 

さらに「堀川第一橋」から中立売通りを東へ行き、油小路通りを右へ曲がって、「好文舎」へ行く角っこには、現在工事中のNTTの建物がある。

 

現在はNPO法人が、京都府、NTT西日本と連携して、「西陣産業創造會舘」として活用しているが、かつては「京都中央電話局西陣分局(京都で3番目の電話局)」だった。

 

「設計者の逓信省技師・岩元祿は、日本近代建築の黎明期」の大正時代に、「建築の芸術性」を追い求めながら、「わずか3点の作品を残しただけで夭折した天才的な建築家」(京都観光ナビ)だった。

 

現在、この建物は「国の重要文化財に指定 2006年(平成18年)」されて、耐震なども含めて外観工事が行われている。

 

 

 

だから、現在は見られないけれど、工事が終われば、またそのステキな建物も見ることができる。

 

 

 

この油小路通りは、中立売通りの北には茶器制作の「楽美術館」もあり、「好文舎」へ行くというだけでも、他にもいっぱい楽しみ方がある場所なのだ。