今日は、「やさしい日本語」を広めるNPO団体が受けている助成金と関連して、「外国人と薬局」に関する、過去に発表された論文の検索のために、京都府立図書館に行っていた。
この京都府立図書館の旧本館は、明治42(1909)年に、当時京都大学の建築学科の教授だった武田五一が設計した、ルネサンス風の趣のある建物。
ただいかにも手狭になり、平成13(2001)年に本館の正面部分を残す形で、新館に建て替えられた。今では、前から見れば、背後の新館が旧本館を抱きかかえているように見える。
それに、情報端末としてパソコンも数多く導入され、利用者は自分が探している書籍や文献を検索して、それがどの図書館にあるか調べたり、コピーを取り寄せたりもできる。
このサービスを利用するために府立図書館に行ったのだが、そこで分かったことは、論文はなかなか検索しにくくて、見つかっても入手が厄介だということだった。
発行された一般書籍とは異なり、専門的な雑誌や学会誌などに掲載された論文相手の検索だから、薬局関連の雑誌を揃えているのは多くが医学・薬学系の大学図書館になる。
ということで、今日の検索で入手できたのは、欲しいと思った論文の抄録や抜粋のようなものだけだった。全体は、コピーを専門的に請け負っているところへ依頼する必要があった。
こんな作業をして、それでも10篇余りの論文を取り寄せることになった。すでにそれぞれの視点から、多くの研究者の方が「外国人と薬局」についての調査・研究をされている。
だからこれらの論文を読んで、私たちなりに現状と問題点を整理した上で、私たちの方向性として「やさしい日本語」を、どのように利・活用できるかを考えないといけない。
一方で、薬局の関係者にヒアリングを行い、さらに外国人にも体験についてヒアリングを行いつつある。こうしてデータを仕込めるだけ仕込んで、その先を考えることになる。
アウトプットとして、薬局で働く方々が外国人客と対応する場合に、実際に役立ててもらえるような、「やさしい日本語」の利用方法を提案しようとしている。
なんだか、表面的には地味な活動が続くけれど、こうして足元を固めてから、初めて先が見えて来るのだと思っている。
それにしても、いかにも大きな海に乗り出してしまったと思う。私たちの手に余る様なことにだけは、ならないように気をつけようと思っている。