私が関わっている「やさしい日本語」を広めるNPO団体は、今度の日曜日の29日に、京都市上京区総合庁舎で、今年度2回目のワークショップを実施する。
この前15日に行った時と同様に、保育・幼児教育施設で働く方々が、外国人保護者と上手くコミュニケーションが取れるように、実践的な経験をしてもらおうという趣旨で行う。
だから「やさしい日本語」とは何か、どんなことを心掛けてコミュニケーションをとれば良いかという講義と、与えられた「お題」の内容を、参加者から外国人ゲストに伝えてもらう。
こうすることで、実際にどんな「やさしい日本語」の表現を用いると伝わるのか、なんと説明すればよいかといった、それこそ日常の業務で出会うような場面を経験してもらう。
保育園や幼稚園では、日常的に保護者と会話したり、連絡帳で意思疎通を図ったりすることが必要になる。その際どうすればよいかは、園の側にとってもストレスになり兼ねない。
そこを実践的に克服してもらうことが、このワークショップの一番の狙いである。だから使用するスライド類を、15日に実施した結果によって細部まで見直しをかけている。
今日も午後からの定例ミーティングで、先週金曜日に引き続いて、後半部分を細部まで見直しを行った。それこそ、実践的な「お題」に導くための、「例題」の作り直しも行った。
こういうことも、『三人寄れば文殊の知恵』ではないけれど、みんなでワイワイガヤガヤと意見を出し合っているうちに、自然に収れんする方向が定まって来るものだ。
とにかく、参加者の方に〝見えやすくて、理解しやすいスライド〟にしたい、というこちらの熱意の問題だと思う。前回までも随分叩いてきたものを、さらに叩き直している感じだ。
こうして、一つの職種としての保育・幼児教育施設向けのワークショップ素材は、大体出来上がったと考えられる。しかしこれは、他の業種業態では使い物にならない可能性が高い。
そんなものだと思っている。現在、次に助成金を受けている業種は「薬局」である。薬局を訪れる外国人客にどのように接客するかは、また全く異なった問題点があるだろう。
だから、その業界にヒアリングを行って問題点を洗い出し、そこから現実に存在する課題を整理して、「やさしい日本語」を用いた課題解決の方法を考えることになる。
「やさしい日本語」とは何かといった基本的なことは、どの業種であっても同様に扱うことが可能だが、その先にある現実的な対応方法などは、業界ごとに特化させる必要がある。
これからも、我々なりに外国人と接する機会の多い業種に向けて、こうした個別課題と向き合った対応方法での、実践的なワークショップを行っていきたいと思う。
言い換えれば、「言葉のユニバーサルデザイン化」ということもできるだろう。誰にとっても〝わかりやすく、使いやすい日本語〟とは何かという観点から、活動を続けて行きたい。
言葉を共有することは、この〝くに〟で暮らす全ての人を、排除することも、差別することも無く暮らしを続けて行くための、必要最低限の努力だと考えている。
今日は結局、午後いっぱいを議論に充てていた。これで今度の日曜日には、安心して2回目のワークショップと取り組むことができるだろう。