３連休の最終日で春分の日。いよいよ桜の季節を迎えようとしている。桜と聞くだけで、心が浮き立つように感じてしまう。桜とは、実は儚いものの例えでもあるのだが。
元々、日本人に好まれていたのは梅花だったそうだけど、武士の心の持ちようとして、潔い桜の散り際がもてはやされたのだろうか。それとも、戦前の軍部と結びついたのだろうか。
とにかく今では桜が日本の春を代表し、いや日本を代表する花という位置を占めるに至っている。それに、私が好きなラグビー日本代表のジャージは〝桜のジャージ〟だ。
もっとも、有名になったサッカー日本女子代表の愛称は〝なでしこジャパン〟だけど。愛称が〝桜ジャパン〟という競技もあって、陸上ホッケーの女子日本代表がそれ。
おもしろいのはバレーボール女子の日本代表の場合は、愛称は公募で選ばれた〝火の鳥ＮＩＰＰＯＮ〟であり、〝○○ジャパン〟という呼称を採用していない。
といったこととは関係なく、今日の午前には、私が関わっている「やさしい日本語」を広める団体も参加している、多文化支援ネットワークの今年度最後のミーティングが行われた。
あと10日で今年度も終了する。だから、今年度の活動の総括という趣旨で開催されたのだが、とにかくこのコロナ禍で、イベントの開催もままならない状態が続いていた。
むしろ、このネットワークが拠点とする「京都市国際交流会館」の建物そのものが、緊急事態宣言の期間中などは閉館されていたから、ミーティングもオンラインが中心だった。
さて、来年度はどうなるのだろうか。その上に会館の所有者である京都市は、財政難だからと、あれもこれも切り捨て・取り止めなどと言い出している。身を切る改革など無しで。
そう言えば、５月15日に行われるはずだった京都三大祭りの一つ、葵祭の「路頭の儀」、つまり市内を練り歩く〝斎王代〟などの行列は、早々と３年連続で中止が決定した。
それで今日も、ミーティングはリアルとオンラインのハイブリッド開催だったけれど、せっかくの春の休日だから、私は国際交流会館のリアルの会議室まで出向いて行った。
すると、入口前の国旗掲揚ポールに、ウクライナの旗だけが掲げられていた。京都市はキエフ市と姉妹都市提携をしているから、〝ウクライナ支援〟に猪突猛進している。
それ自体は良いことなんだけど、京都市が派手にやるのは、自分に都合の悪いこと、つまり財政難への市民の批判をかわす〝ポーズ〟臭いのが、鼻に着いて嫌になってしまう。
ミーティングの終了後は、国際交流会館の前庭のベンチで、コンビニおにぎりをパクついてから、近くの京都市動物園の北側でバスに乗って、真如堂眞正極楽寺まで行った。
白川通の〝真如堂前〟バス停からお寺のある岡の上まで、距離は短いが凄い急坂だから、少し考えて、いったん〝銀閣寺道〟のバス停までバスで行く。ここは、けっこう標高が高い。
そこからは、ダラダラと緩やかな上り下りの道を、散歩を兼ねて真如堂の〝赤門〟と称される山門まで歩く。距離はそこそこあるけれど、私はもう急坂を上るのが辛いから。
帰り道で、その急坂を膝の痛みを気にしつつ下っていた時に、私よりご先輩の男性が上って来られて、少し歩いては立ち止まり、息を整えてはまた歩く、を繰り返しておられた。
その真如堂は、今月いっぱい「大涅槃図」を公開中。これに、さらに方丈の庭の拝観と、「花供曽（はなくそ）」のお土産まで着いて1,000円也。高いんだか、安いんだか。
方丈の庭や襖絵を見て、大涅槃図をじっくりと見て、家に帰ってからは「花供曽」もいただいて、これで1,000円なら、〝マッ、いいか〟ということにしておこう。
いや確かに、方丈の庭園には枯山水の「涅槃の庭」という庭園があり、お釈迦様が北枕で寝ておられる様子を示す石組と、周りの嘆く弟子の石組、借景は大文字という組み合わせ。
なかなか面白くて見応えがあった。さらに、「隨縁の庭」という、ユニークなデザインの庭もあり、「臨許庵」という雰囲気が良い茶室などもあり、総じて良いお寺だと思った。
今日は春分の日で、通りかかった京都市動物園は、外から見る限り子供連れで随分と賑わっているようだった。だけど私が行った国際交流会館も、真如堂もガランとしていた。
そんなものだと思う。この3連休は、天気もなんとかカツカツで雨にはならず、墓参りや子ども連れの行楽には、それなりによかったと思う。明日はまた雨模様の予報だし。