今日は雪の日になった。夜中に目が覚めた時には、いつもなら真っ暗なはずの障子が薄白く浮かんでいた。きっと小庭に雪が積もっていて、雪明りで白くなっていたのだろう。
朝起きた時には、一面に積雪があった。見たところ積雪量は10cm前後だろうか。こういう日は、朝一番に、雪をかぶった金閣寺の景色でも写真に撮りに行きたいところだ。
しかし思うだけで、あまりの寒さにまた布団に潜り込む。現役時代であれば、渋々起き出して、震えながらも出掛ける用意をした。それが今では、即座に布団の中へと逃げ込む。
無理をしたって何も良いことはない。しばらく経って、改めて布団から這い出すと、雪は小やみになりサーっと陽光が射す時もある。
今日は午前10時から、私が関わっているNPO団体のオンラインミーティングがあるので、朝食を食べて用意をする。その頃には、小庭の雪も徐々に溶け始めている。
ミーティングの最中には、陽射しと小雪が交互に訪れていた。それで、時には真っ青な空になることもある。しばらくするとまた真っ暗になる、という繰り返しだった。
午前のミーティングが終わり昼食後には、東京大学大学院情報学環の安斎勇樹氏が、新たに刊行された本を買い求めに本屋さんに出掛けた。
安斎氏のグループから定期的に送られてくるメール・マガジンによって、出版されたことは知っていたし、それをどうしても読みたいと思っていたので。
この間マイナ・ポイントに釣られてマイナンバーカードを作り、それによって最大5千円という特典をPayPayの中にゲットしていたので、これを使って購入することにした。
政府さまさまである。本のタイトルは「問いかけの作法」。前著の「問いのデザイン」に続いて、ミーティングの活性化を目指すための考え方が書かれている。
今回の出だしでは、「誰も意見を述べないお通夜ミーティング」を、「魅力的な場に変えるために『問いかけ』の質を変える」という話でスタートしている。
ミーティングで「何か意見はありませんか」とか、「自由に話し合いましょう」などと呼びかけても、その場がずっと凍り付いたようにシーンとしている。
こんな経験は、誰しもが一度は味わったことがあるはずだ。こんな漠然とした呼びかけでは誰も反応しないが、では、どういう持って行き方をすれば口を開いてくれるのだろうか。
こうしたことから、「見立てる → 組み立てる → 投げかける」という手順で、ミーティングの場を活性化させ、「チームの魅力と才能を引き出す技術」を教えてくれる。
私が、なぜこうした本を読もうとするのか。それは私たちの団体が、ワークショップを行おうと考えていて、その場での議論のリーダー役=ファシリテーターを務めるから。
ワークショップでグループになった場合、とりあえず初対面の人同士が何かを話し合うことが普通だ。そんなときには、誰もが、その場で出会った人たちと〝手探り〟で話を始める。
だから極端な場合、グループによっては全く会話すら始まらない、ということが起こり得る。ここから、チームを起動させてゆくのも主催者側の役割となる。
そこでファシリテーターから適切な質問を投げかけて、議論の輪を作り出すことが求められる。そのための技法として、「問いかけ」があるというわけだ。
安斎氏の前著「問いのデザイン」では、ミーティングの活性化について、「問いかけ」の技法というよりも、「問いかけ」を作り上げる考え方が中心になっていたと思った。
だから今回、「技法」を中心に据えた著書だということで、期待を持って購入した。明日からはこれをしっかりと読み込んで行かないといけない。
それ以上に、読み込んだ結果得られた内容を、私の仲間にフィードバックをする必要もある。少しでも〝良い〟ワークショップが開催できるように。
それがひいては、定住外国人の日常生活に少しでも還元されれば、これに越したことはないのだから。