癌で明けコロナで暮れる1年だった | がいちのぶろぐ

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今日午前中は、私が関わっている「やさしい日本語」を広めるNPO団体の、〝今年最後〟となるミーティングがあった。〝1年が早い〟とつくづく思ってしまう。

 

来週の月曜日は12月27日。その週の土曜日はお正月の元日。つまり、今年は明日からの1週間で終わる。

 

今年は、私にとっていろいろあり過ぎた1年だった。昨年の暮れも押し詰まった、ちょうど今頃に、京大病院で「食道がん」という最終診断が下された。

 

 

 

ただ、偶然ながら早期発見だったということで、手術を回避して抗がん剤と放射線治療で頑張ってみる、という選択肢を選ばせてもらえた。

 

その代りというか、今年のお正月からはピッタリと禁酒禁煙という生活になった。不思議なもので、禁煙を苦しむこともなければ、辛いとも思わずにスッと実行できた。

 

禁煙をすれば太るという話はよく聞く。食べ物をおいしく感じるようになり、つい食べ過ぎてしまうから、という説明も聞いたことがある。

 

ところが、1月から4月まで毎月1週間ずつ入院して、抗がん剤の点滴治療を受けた〝おかげ“で、半年余りは美味しく食べ物を食べることができなかった。

 

 

 

抗がん剤治療を受けた大勢の方が言っておられるように、味覚が異常になり、嗅覚が異常になりといった具合で、食欲がまったくなくなる時期があった。

 

今年の正月から4月までの100日余りで、体重が8㎏以上減少した。メタボ体型で、36インチのジーンズが〝キツキツ〟だったのが、その時は〝ぶかぶか〟になっていた。

 

そこから徐々に体調が戻り始めた途端、5月の内視鏡検査で小さな〝再発〟が見られるという診断になった。それで再検査を経て、7月に内視鏡で削る手術を受けることになった。

 

戻りかけていた体重も、この7月の手術入院で再びガックリと減少した。それでも、この手術を終えてからは体調も随分と良くなり、現在では体重が6㎏ほど戻った。

 

最近は体調が戻って来ていると言っても、少し早足で歩けば息切れがひどいし、坂道や階段もこたえる。だからつい運動不足になり、食べた分だけ体重が増えるような気がする。

 

 

 

〝有り難い〟のは、禁酒を続けているのでお酒の分だけは摂取カロリーが減っていることだろう。だから、ダイエットがいかに大変なものかが、とてもよくわかる。

 

何しろお酒のアルコール分が、体内で発がん性のある有毒なアルデヒドに変わり、それが食道がんを誘発したらしいから、禁酒だけは厳しく言い渡されている。

 

何よりも『酒は我が人生でたった一人の親友』だと思ってきた人間だから、こればかりは辛いだろうと最初は覚悟していたが、〝案に相違して〟禁酒が苦にならなくなっている。

 

人間は、なんといい加減なものかと思う。日本で喫煙者が絶滅する最後の日を描いた、筒井康隆先生の小説があった。〝私はその一人だ〟と思っていたのが、あっさり禁煙できた。

 

酒も、〝溺れて死にたい〟という表現があるけれど、こちらも溺死する前に割と簡単に向う岸まで泳ぎ着けた格好だ。

 

 

 

こうして、我が人生で最大の変化の年となった2021年も、残すところあと1週間となっている。現在の状況なら、年末年始には千葉都民の娘一家も帰省できそうだ。

 

ご主人の実家で新年を祝ってから、我が家にも2日間ほど寄って行ってくれる。大阪の息子の家族は、単身赴任の息子が帰国を予定していたのだが、今回、またダメになった。

 

昨年の正月に帰国してからというもの、これでもう2年間も帰国を見合わせている。ただ、お正月に息子のお嫁さんと孫は、娘家族に合わせて京都へ来てくれる。

 

まったくもって、なんともにっくきコロナ・ウィルスである。結果的には、この1年で最もひどい話は、私の〝がん〟発病よりもそちらの方かもしれない。