M-1を見て芸人の世界は厳しいものだとつくづく思う | がいちのぶろぐ

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放火・大量殺人ではないかと思われる、とても嫌なニュースがあったり、人気女性タレントの死亡があったりと、世間は騒がしい週末になった。

 

さらに昨晩はM-1グランプリが放送されたお陰で、私は10時過ぎまでテレビの前に釘付けになっていた。だからブログの投稿までもが、11時を過ぎることになった。

 

 

 

M-1だけは、何があっても見逃すことはできない、私にとっては大事な年中行事だと思っている。ただ今年は、優勝が「錦鯉」という〝おっさんコンビ〟だった。

 

決勝に残った3組では、私は〝オズワルド推し〟。しかも第1ラウンドはトップ通過だったから、〝これはいけるかも〟と内心の期待も大だった。

 

 

(オズワルド/左・畠中、右・伊藤)

 

しかし、最後の決勝での〝ネタ〟は確かに弱かった。他の2組と比較すれば、私には遜色ないように思えたけれど、それでも第1ラウンドほど引き離していたとは思えなかった。

 

その結果、審査員の評価はオール巨人さんがオズワルド、上沼恵美子さんがインディアンス、残る5人が錦鯉ということで、ある意味「錦鯉」の圧勝という結果に終わった。

 

「錦鯉」は、サンドイッチマン以来14年ぶり(途中5年の中断があったけれど)になる、吉本興業所属以外からの優勝となった。

 

しかもコンビが50歳と43歳という年齢。現在、お笑い界では40歳直前でも若手扱いだったり、40歳代が大渋滞を起こしていたりと、〝おっさん芸人〟が幅を利かせている。

 

そこへとうとう、一人は50歳という「錦鯉」が優勝してしまった。本来、こうした賞レースは若手の登竜門ということで設定されていると思う。

 

しかし昨夜の決勝出場者は、かなり年齢層が上がっていることが見て取れた。それだけ、経験を積んでこないと勝てないどころか、ファイナリストにも残れないということだろう。

 

初代M-1チャンピオンになった「中川家」のころは、参加する漫才コンビは1500組程度だったと記憶する。それが今年など、6000組にもなっている。

 

昨夜も放送中に、「人生が一変する」というセリフを何度か聞いた。ここで優勝すれば、勝った翌日からは、怒涛のようにテレビなどの仕事が押し寄せる

 

14年前、敗者復活から一気に優勝へと駆け上がったサンドイッチマンは、それまで週2回ほどの仕事だったのが、翌日から半年間は休みがなかったと、伊達さんが書いていた。

 

それ以来、サンドイッチマンはお笑い界のトップランナーの1組となり、昨夜は富沢さんが4年連続で審査員席に座るまでになっていた。

 

確かに、この一晩で人生が大逆転することがあるのだ。だからこそ、6000組ものお笑い芸人たちがシノギを削って漫才と取り組むことになる。

 

それにしても、テレビで毎日のように見かける若手芸人のトップクラスが、昨年は決勝で良いところまで行っていても、今年は準決勝で敗退ということも普通だった。

 

厳しい世界だと思う。それこそ実力というか、お笑いのこと、ネタのことだけを考え抜いて生活していても、その中でわずか10組しか決勝には出られない。

 

私にとっても、今まで〝推しコンビ〟だった何組かは、M-1で優勝したり、準優勝だったりと好成績になって、今ではもうテレビ番組の常連というコンビもある。

 

しかしお笑いの世界も、私たち団塊世代のジュニアに当たる40歳代が渋滞を起こしている。このように、続く世代は頭の上に覆いかぶさる〝蓋〟があって大変だと思う。

 

ただ昨夜は2位となったけれど、オズワルドというコンビは来年きっと大ブレイクすると信じている。正統派の〝しゃべくり漫才〟であり、うるさくないところが良い。

 

年末年始の生放送番組は、昨夜活躍した芸人さんが大挙して出演することだろう。そこから、来年末にはどれくらいが生き残っているだろう。

 

そう考えれば、賞レースでは〝爪痕〟を残していても、その後は実力で生き残るしかない厳しい世界だと思う。