この間、散歩と称して〝私が知らない〟京都を歩き回っている。昨日は、岩倉・幡枝地区から深泥池までの4kmほどの道のりを歩いて、いくつかのお寺と神社を訪ねた。
(昨日訪れた左京区岩倉の「妙満寺」)
そのお蔭で今日は、歩き疲れていたのか起き出すのが遅くなり、さらに午後には「やさしい日本語」を広めるNPO団体のミーティングもあって、結局は動けず仕舞いだった。
せっかく良い気候の時期だから、明日はどこに行けばいいだろうかと、ミーティングの後は京都市内の地図を眺めていた。是が非でも出掛けないといけない、ということもないが。
当然だけど、京都市内といっても自分がよく知っている地域と、これまであまり足を踏み入れたこともない地域がある。
私は、京都市内でも比較的北東寄りの地域に住んでいる。そのため、南寄り・西寄りの地域はあまり行くことがなかった。行政区で言えば南区・伏見区・西京区辺りだ。
また南東寄りになる山科区の南部も、あまり行ったことが無い。だからその一帯の地図をにらんでいたところ、〝ここに行ってみよう〟と思い当たる場所があった。
山科区のほぼ中央辺りに「大石神社」と通称・大石寺と言われる「岩屋寺」がある。あの「忠臣蔵」で有名な〝大石内蔵助〟が祀られている神社と、ゆかりのお寺である。
毎年12月14日に行われている「山科義士まつり」では、山科区の北の端の「毘沙門堂」をパレードが出発し、大石内蔵助が住んでいたとされる岩屋寺と大石神社に向かう。
(山科義士まつりのコース図/ホームページより借用)
いわば、山科区の北半分を市民参加の行列が行進するお祭りである。そんな大石神社と岩屋寺は、もちろん名前もだいたいの場所も知ってはいたけれど、今まで行ったことが無い。
ならば明日は行ってみようと思い立った。朝の9時半過ぎに家を出れば、1時間ほどで大石神社前というバス停に着くようだ。
これならお昼は回るとしても、さほど遅くはならずに帰って来れそうだ。今年はコロナ禍に、私のがん治療の入退院もあったので、こうして散歩を続けて身体を動かしている。
一応の入院が終わった5月の大型連休の頃は、抗がん剤の影響で食欲もあまりなく、それ以上に匂いなどに抵抗があったから、〝食べられるモノ〟探しで苦労していた。
その頃は、昨年末からすれば10kg近く体重が落ちていた。少し歩いただけで息切れはするし、足が弱っていることも自覚した。その後、コロナ禍のせいで外出そのものも控えた。
しかしこの1カ月ほどは、どん底だったころからすれば、体重が6kgほど戻ってきている。むしろ、太りすぎないように気を付けるところまで回復してきた。
次は、弱った足腰を回復させるために、とにかく歩くことが肝心だと思う。とは言え、いくら気持ちが良くても、何の目的もなく鴨川の河原を毎日〝早足〟で歩く趣味もない。
そこはせっかくだから、今まで知らなかった京都を知っておきたいという、せめてもの目的を持つことにした。それで〝行ったことが無い場所リスト〟も作っている。
今年の紅葉の季節には、まったくの〝穴場〟となりそうな紅葉スポットも、すでに何カ所かピックアップしている。あと1カ月もすれば、そうした穴場巡りができるだろう。
京都に住んでいることを、本当にありがたいと思うような年齢になった。仕事をしていた頃には、市内のどこそこへ行きたいということは、あまり思ったこともなかった。
女性の観光客にとっては人気の京都かもしれないが、高齢男性にとっても〝それなりに〟楽しめる町だということに、最近ようやく気付いたところかもしれない。
今さらながら、自分はまだまだ〝京都知り〟の「初級者」と言っても良いだろうと思う。外から京都に来られる方は、随分とあちこちまで足を伸ばしておられる。
遅まきながら、せめて〝京都知り〟の「中級者」くらいは目指そうと思う。家人は〝どこそこへ行こうか〟と聞くと、〝すでに行ったことがある〟という返事の多いこと。
やはり女性の行動力には頭が下がる。