街中に巨木を訪ねる散歩 | がいちのぶろぐ

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今日は曇り空。明日からは、梅雨の時期らしい雨続きの日々になりそう、という予報。だから、今日の間に散歩に行っておかないと。

 

ということで朝9時半に家を出て、市バスと地下鉄を乗り継いで西大路御池まで行く。この駅周辺は、京都の老舗メーカーの島津製作所の本社と工場が立ち並んでいる。

 

その工場などの脇を西の方へ、〝西小路〟通りまで行く。そこから少し南に行って、また西へ行くと『山王神社』に出会う。鳥居の脇にはさっそく「山王楠」の大木がお出迎え。

 

 

 

 

さして広くない境内には、樹齢が推定で700年という楠の巨木が、本殿を取り囲むように何本もそびえている。巨木というのは、それがあるだけで十分に神々しく感じてしまう。

 

 

 

 

山王神社の本殿にお参りを済ませて、神社を後にした。鳥居の前の道を少し南に行くと、三条通になる。嵐山へ向かう嵐電(京福電鉄)が、ここでは路面電車として走行している。

 

そこにある嵐電「山ノ内」駅は、〝プラットホーム〟の幅がわずか50cmほどしかなく、日本で一番細い駅ということらしい。電車が来た時に、ボーっと突っ立っていると危ない。

 

 

 

そこから終点の「四条大宮」まで嵐電に乗る。「四条大宮」は、かつて(と言っても60年ほど前の話)阪急電車のターミナルだったので、駅周辺は今もそれなりに賑やかである。

 

あの「餃子の王将」チェーンの発祥の地も、阪急「大宮」駅のすぐ前にある。ということで、その阪急「大宮」駅の横になる大宮通という細い通りを北へ行く。

 

 

 

四条から三条に向かって行って、その一筋手前になる〝六角通〟を西へ。200mほども歩くと、「六角獄舎跡」というものものしい場所と出会う。

 

道に面して石碑が2つ並んでいる。一つには「日本近代医学発祥の地」「山脇東洋」という文字が読める。もう一方は「勤王志士 平野國臣外数十名終焉」と読める。

 

 

 

 

社会団体の建物の敷地に入ると駒札が立っていて、ここが「六角獄舎」のあった場所だとわかる。それによると、「安政の大獄以後は、多くの政治犯が収容」されていたらしい。

 

 

 

そして医師・山脇東洋は、この場所で「わが国で初めて死体解剖を行った」と言われている。かなり血なまぐさい場所であることだけは、間違いなさそうだ。

 

 

 

その「六角獄舎跡」から目を上に向けると、すぐに巨木が目に入って来る。目の前に「武信稲荷神社」がある。

 

 

 

一寸法師や坂本龍馬にユカリがあるらしく、このお稲荷さんもバラエティに富んだ場所のようだ。絵馬も一寸法師と、坂本龍馬と妻のおりょうさんのデザインのものがある。

 

 

 

 

先ほど目に入った巨木は、このお稲荷さんの本殿脇にある「大榎」。京都市の天然記念物に指定されている。

 

 

 

 

 

さらにこのエノキの、折れて落下した大枝が、チェーンソー・アートの世界チャンピオンの城所ケイジ氏によって龍の姿に生まれ変わったそうだ。龍馬におりょうさんに龍の像。

 

 

 

 

ということで、私も当然ながら「龍馬おみくじ」を引いて見た。100円也と最近としてはサービス価格。そして結果は、ジャーン「大吉」でしたよ~!

 

 

 

 

しかもそこに書かれているのが、龍馬がお姉さんの乙女さんに宛てた手紙から採ったという文章。「天下に事を成すには、機が熟すのを見極めないといけない」という意味だそう。

 

 

 

ところで、こうして散歩するなど元気にしているけれど、一応〝がん患者〟の私としては病気がどうなるか気になるところだが、おみくじには何も書かれていなかった。おーい!

 

まっ、そこは「大吉」だったから、ということにしておこう。これからも何かと、「機が熟すのを見極め」て、行動することにしよう。

 

さて武信稲荷から少し北の三条通は、京都でも有名な「三条会商店街」の長いアーケード通りになっている。

 

 

 

かつて、アテネ・オリンピックの金メダリストの野口みずき選手が、雨の日はこのアーケード街で練習していた。だから〝みずきロード〟と呼ぶ人もいるらしい。知らんけど。

 

 

 

さて、三条会商店街を西へ千本通りまで来ると、向かいに立命館大学朱雀キャンパスの大きな建物がある。その前が「千本三条」バス停になっている。

 

 

 

そこから我が家の最寄りの「出町柳駅前」バス停まで、バスに乗って帰って来た。時刻は11時半になっていた。今日は早く家を出たから、やはり2時間の散歩だった。

 

2カ所の神社で大楠と大榎を見た。巨木は、やっぱりそれ自体が神々しいものだと思う。そこには神が宿っているというか、人が自然に対して素直に首を垂れることができる。

 

良い散歩になった。昨日来の、鬱陶しい気分になるニュースも吹っ飛んで行ったようだ。