区役所に端午の節句の飾り付け | がいちのぶろぐ

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雨の一日になった。今日は「昭和の日」、かつては「天皇誕生日」。昭和天皇が亡くなってからは「みどりの日」として、大型連休の最初の日を務めてきた。

 

そして54日が、〝わけのわからない〟休日から「みどりの日」へ変更になって、その代わり、429日を祝日にする名目が「昭和の日」になった。

 

同じような例として、113日は現在「文化の日」の祝日だが、元をただせば昭和の初めに制定された「明治節」。要するに明治天皇の天皇誕生日だった。

 

元々が誕生日だったから、113日の祝日を近い月曜日に移動させるハッピーマンデーの対象にはならない。429日の「昭和の日」も、同じ理由で祝日が固定されている。

 

というようなことはともかくとして、昨年に続いて今年も、コロナ禍で緊急事態宣言が出されている中で、〝どこにも行かないでください〟という大型連休になっている。

 

そして、一週間後の55日は「子どもの日」の祝日。この日の元の言い方は「端午の節句」。1月7日、33日、55日、77日、9月9日を五節句と言った。

 

 

 

これらの日は〝陰陽五行説〟に従って、宮中では特別行事が行われる日とされていたが、江戸幕府がそれを公的な行事が行われる日と定めたそうだ。

 

17日は「人日(じんじつ)」で、私たちのイメージでは〝七草粥〟の日。33日は「上巳(じょうし)」で、私たちにとってはもちろん〝雛祭り〟。

 

 

 

そして55日は「端午(たんご)」で、「子どもの日」の祝日。でも〝雛祭り〟に相当するような言い方はなくて、結局は〝端午の節句〟で濁している。

 

77日は「七夕(しちせき)」で、早い話が〝七夕(たなばた)〟。短冊に書いた願い事を笹に吊るして、お星さまにお願いする日。空の上では、牽牛と織姫のデートの日。

 

 

 

「五節句」最後の99日は、「重陽(ちょうよう)」で〝菊の節句〟だけど、誰もこの日を特別の日だとは思わない。京都では、上賀茂神社で「烏相撲」という伝統行事がある。

 

そもそも「陰陽五行思想」とは、中国の春秋・戦国時代に生まれた「陰陽説」と「五行説」が合体したもの。なぜ合体したのかなどは、あまり良くわかっていないようだ。

 

ただ五行説では、世の中は「木、火、土、金、水、(もく、か、ど、ごん、すい)」の五行でできているとされる。

 

この5つそれぞれに、陰陽を合わせる。合わせた言い方が「きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと」である。

 

〝何のこっちゃ?〟となりそうだが、「きのえ」「ひのえ」は「木の兄」「火の兄」であり、「きのと」「ひのと」は「木の弟」「火の弟」である。金は「か」だけが生きて、「かのえ(兄)」「かのと(弟)」となる

 

別の言い方をすれば、「甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸」のいわゆる「十干」になる。音読みすれば、「こう、おつ、へい、てい、ぼ、き、こう、しん、じん、き」となる。

 

さらにこれが「陰陽説」では、「え(兄)」が陽、「と(弟)」が陰となる。そこでよく言われる「えと」という言い方はこれに由来している。

 

「えと」は本来は、〝十干〟の呼び方だった。決して「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の〝十二支〟の方ではなかったことになる。

 

とまあ、こんなお話しが裏側にあって、来週の55日は「端午の節句」である。だから、男の子のいる家では「鎧・兜」や「鯉のぼり」が飾られる日になる。

 

 

 

もっとも、最近は家に「鯉のぼり」を立てるスペースが無かったり、竿を立てるのが大変だからとパスされて、「鯉のぼり」がまったく泳がなかったりすることの方が多い。

 

 

 

逆に、景色の良い川の両岸をワイヤーでつないで、そこに多くの鯉のぼりをはためかせる、という町おこし的なイベントを行うケースもある。

 

 

 

ということで、一昨日出掛けていた上京区役所では1階ロビーの一角を使い、区内の様々な伝統工芸や華道などの関係者の方がコラボして、「鎧・兜」などの飾り付けを行っていた。

 

 

 

上京区内には、京都でも有数の老舗の〝人形司〟があったり、茶道の3千家がすべてあったりする、という町である。だからこんな場合にも、色々な方々のコラボが可能になる。

 

今回は華道家の方が、江戸時代に「香り高い菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)で厄払い」を行っていたことにちなみ、それを再現した「軒菖蒲」として一緒に飾り付けられていた。

 

 

 

3月には、上京区役所では同じようにロビーで「雛飾り」をされていた。こうした年中行事を行いつつ、それが区内にある伝統産業の紹介などにもなっている。

 

 

 こうした催しは、良い試みだと思う。この区役所は、市内でも小さな区だけに、とにかく地域を盛り上げるための努力を惜しまない。どこの行政も、見習うべき努力だと思う。