上京区基本計画(案)を巡るミーティング | がいちのぶろぐ

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今日は午前中、「上京区基本計画(案)を使って『まちのアイデア出し!』の会」というオンライン中心の、まちづくり企画に参加していた。

 

京都市上京区では、毎月「朝カフェ」という集いが開催されていて、いわばその延長戦のような感覚で実施されたのだが、平日にもかかわらず20人余りが参加されていた。

 

 

 

この企画は、現在パブリックコメントを受け付け中の「上京区基本計画(案)」に対して興味を持った人たちが、中味と〝にらめっこ〟をするための集まりと言っても良いだろう。

 

 

 

基本計画(案)は、4つの切り口からできている。それらは、「①ライフスタイル=地域コミュニティを取り巻く環境の変化」、「②安心安全=防災・防犯・生活環境・景観への悪影響」がある。

 

さらに、「③町の活力=地域の潤い創出・地域のブランド力の発信」、「④はぐくみ・継承=子育て環境・健康寿命・世代を超えた交流」などがテーマとして上げられている。

 

 

 

私が関わっている、定住外国人をサポートする一環としての「やさしい日本語」の普及も、「①ライフスタイル」に関わるのは当然として、「②安全安心」とも強く関わってくる。

 

だから、今朝もこのディスカッションに参加をしたのだが、定住外国人というけれど、国籍が異なっているだけで普通に住民登録をしている〝住民〟なわけである。

 

 

だが定住していると言っても、私たちが今まで関わってきた外国人の多くは、地域と切り離された状況にあって、自分たちのコミュニティだけから情報を得ている人が多い。

 

そこで今朝も私のアイデアとして、定住外国人が商店街で普通に買い物をするようになれば、それがコミュニティに受入れられるきっかけになる、といったことを述べた。

 

 

 

それが口火となったわけでもないけれど、町中に住んでいる高齢者でも、足が弱って来ると〝買い物難民化〟することがある、というある人からの話題提供で話が大きく膨らんだ。

 

そこから、京都市には人口の10%ほども学生がいるし、学生の中にはコロナ禍でアルバイトがなくなって困っている学生もいる。こうした学生たちのためのアイデアも必要だ。

 

だから商店街が「御用聞き」と「配達」を復活させて、こうした学生をアルバイトとして雇えばどうか、というアイデアが出て来た。それも、十分に考えられることだと思う。

 

そう思っていると、次に「学生が買物代行を行えば」とか、「商店街の空き家を休憩所にして、そこに高齢者や定住外国人が集えるようにすれば」と言った話題が続いた。

 

「高齢者・定住外国人」と「生活に困っている学生・顧客サービスを充実させたい商店街」という4者が、それぞれ利点を見出せるWin-Winの関係が創り出せそうに思える。

 

 

 

しかもこれって、「高齢者の見守り」や「年代・国籍を超えた多様な人々が協力できる環境作り」になっている。これらは、当然だけど「基本計画(案)」にはしっかりと入っている。

 

そこへ乗っけるように、こうしたアイデアだったら「子育て中のお母さんでも、短時間だけできる仕事」という考え方もできる、と言ってくれる人も現れた。

 

上に書いた4者の関係に、さらに「家にいるお母さんたち」という5番目のグループまでもが参加が可能な、豊かなアイデアへと膨らんできた。

 

しかもこの考え方は、住民相互の〝助け合い〟という視点から見れば、「安全安心」というテーマとも関わっているだろう。

 

そこで、オンラインで出席していた区役所の担当者の方が、この「基本計画(案)」でも重要なポイントとしている「近助」というキーワードのことを説明された。

 

菅政権で〝自助努力〟ばかりを強調して評判を落としている、「自助・共助・公助」というキーワードがあるが、「近助」は「共助」なんだけど「ご近所の共助」という感覚だ。

 

今までならご近所付き合いとして〝当たり前〟だったようなことを、あえてこうした形で行政機関が計画として挙げなければならないほど、ご近所感覚が薄れている状況がある。

 

だからこそ、「近助」というキーワードで関係する人たちを結び付け、つなぎ合わせれば、そこに「地域の潤いが創出」されて来ることが期待できる。

 

今回提示されている「基本計画(案)」には、120項目を超える多くの具体的なアイデアが提示されているが、「近助」というキーワードから導けば、そのほとんどが包摂される。

 

とても良いキーワードが提起されている。大都会のど真ん中と言っても良い場所に立地する京都市上京区だ。西陣や京都御所、北野天満宮、茶道の3千家なども存在している。

 

 

 

とは言っても、大観光地と言えるスポットは、「御所」と「天神さん」くらいで、ご他聞に漏れず区内では高齢者人口が増えている。だからこそ、「近助」は重要な考え方になる。

 

さて、区役所へのパブリックコメントなのか、区役所を応援するためのコメントなのか、「多くの人を巻き込む方法となる、『近助』の中味を詰めましょう」とコメントしようかな。

 

今日の午前中は、随分と中身の濃いディスカッションの場になったと思う。